ストレージ関連では、春ごろまでHDDにタイ洪水の影響が強く残っていたこともあり、年明けからしばらくはSSDにヒット作が集中していた。売れ筋は120〜128Gバイトクラスの高速モデルだ。
人気を集めていたのは、2月に登場したインテルの「520」シリーズとプレスクターの「M3 Pro」シリーズ。520シリーズの120Gバイトモデルは2万円弱、M3 Proの128Gバイトモデルも2万円弱で出回った。ヒットの要因について、パソコンショップ・アークは「リード最大500Mバイト/秒超えが当たり前になって、トレンドはライトの最大速度となっています。そこでブランド力もあってライトも高速なモデルが支持を集めていると思います」と分析していた。
なお、5月を越えたころには大容量HDDの価格や供給量はかなり安定し、6月には週末特価で1万2000円を切る3TバイトHDDもみられるようになった。当時は「タイ洪水前が異常に値下がりしていたので、このあたりの価格で落ち着くと思います」(パソコンハウス東映)といった声がよく聞かれたが、まだ底を打ってはいなかったようだ。その後の動きは後編で伝えたい。
アースソフトのキャプチャーカード「PT3」も、6月に登場してからは週末セールでHDDやSSDとともに目玉となっていた。PCI Express x1接続のデジタル3波対応チューナーカードで、地デジとBSデジタル/110度CSデジタルが同時に受信できる。価格は1万4000円弱だった。ドスパラ パーツ館は「PT2のときと同じように、キャンペーンなどの機会ごとに台数限定で販売していこうと思います。出せば売れるという引きの強いモデルなので、弾数を考えながらという感じで」と話していた。
そのほか、AMD製CPU/APUもいくつか話題作が投入されている。Ivy Bridge登場前の3月には、「Llano」世代のA6/A8シリーズの4コアタイプでは初となるTDP 65ワットモデル「A8-3820」が1万3000円前後で出回った。「4コアのA6/A8はいままでTDP 100ワットのモデルしかなかったので、待望のラインアップです。これで小型ケースなど、組み込める環境がグッと広がると思います」(ツートップ秋葉原本店)と、ショップからの期待も高かった。
ハイエンド系では、Socket AM3+対応の8コアCPU「Opteron 3280」が注目された。3月にバルク品が少数出回ったが、リテールボックスが登場したのは6月。8コアながらTDP 65ワットという省電力性を武器に、2万2000円弱で売り出された。出足は順調で「8コアCPUの中でもダントツで低い消費電力ですし、Opteronながら対応マザーも多くて導入しやすいですね。発売前から多数の予約をいただいています」(TSUKUMO eX.)といったコメントをいくつか聞いた。
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