Androidデバイスで使える電子海図と航法アプリといえば、NAVIONICSがある。2011年8月にも紹介記事を掲載しているが、その時点で日本近海を収録していた「Marine:Pacific Is & Japan」は廃盤になり、代わって「Marine: Australasia & Africa」に日本近海を収録するようになった。価格は、3604円(2012年12月時点)。それに伴い航法支援機能も表示とメニューを含めて改善している。その詳細は、また別の機会に紹介するが、ここでは、Androidで使える新しい有力な航法アプリとして登場したPlan2Navとの違いを確認してみる。(2013年6月5日時点で、Android版のNAVIONICSでアジア海域を収録するバージョンは、Asia & AfricaとAustralia & New Zealandを用意している。従来、日本海域はAsia & Africaに収録していたが、6月5日時点においてAsia & Africaでは日本海域を一時的に除外している)
航海関連情報や目標までの方位、距離などの表示機能では、Plan2Navが多彩な項目を用意している。NAVIONICSでも、運用次第で同じようなことが可能だが、その操作はPlan2Navが簡単にできる。ただし、表示エリアの拡大縮小操作においては、専用のアイコンを用意するNAVIONICSは片手でも操作できる一方、ピンチズームしか使えないPlan2Navは両手を使わないとスムーズに行えない。
NAVIONICSで用意するGPSトラッキング情報や航路情報などのSNSへの投稿機能は、Plan2Navでサポートしない。ただ、これは、ネットワークに接続できる状態に限って利用できるもので、沿岸を離れて外洋を航海する場合は関係ない。
意外と大きい影響をユーザーに及ぼすのが、複数のデバイスにおける導入の可否だ。NAVIONICSはユーザー単位でライセンスを管理するため、同一ユーザーが登録したすべてのデバイスに電子海図とともに導入できたが、Plan2Navは、現在のところC-MAPの購入に使ったデバイスでしかC-MAPを導入できない。
高度な航法支援機能と世界の海運会社でも採用する電子海図C-MAPを重視するなら迷わずPlan2Navを選択することになる。ただし、複数のデバイスでも使いまわしたい場合や、最小限の操作でも片手で行える画面デザインを必要とするユーザーは、迷いに迷ってNAVIONICSを選ぶことになる、だろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.