前述のPUやメモリ、HDD、SSDは、もともと円相場の影響が出やすいパーツと言われているが、今回の円安はほかのパーツの価格にも大きく作用している。ドスパラ パーツ館は「代理店経由の板モノはまだ持ちこたえていますが、直輸入系やウチが代理店も兼ねているモノはすでに値上がりしてしまっています。Palitのグラフィックスカードも、従来の価格をキープするのは厳しい状況です」と話していた。
ただ、現状維持と値上げの境界線はショップによってさまざまだ。ソフマップ秋葉原リユース総合館は「仕入れ値の値上げは代理店単位で変わってくるので、同じGPUを載せたグラフィックスカードでも、あるメーカーは据え置きで別のメーカーは一段高くなるということが普通起きると思います。しかも、どの代理店と契約しているかはショップによって変わってくるので、ショップによってもバラバラになるんじゃないでしょうか」と語る。
先週末の段階でも、「一部のグラフィックスカードと電源ユニットがまもなく上昇」(同店)、「バッテリー類や光学ドライブ、PCケースと一部マザーボードが値上がりする可能性大」(パソコンハウス東映)、「Xeonなどのワークステーション系マザーはすでに値上がり」(PC DIY SHOP FreeT)など、ショップごとに独特の動きがあった。
その中も、比較的多くのショップが実施していたのはWindows 7/8の値上げだ。ツートップ秋葉原本店は「Windowsも例外なく上がります。売れ行きでいえば、いまは7と8の割合が7対3くらいなので、7のほうが回転率が高いんですよ。そのあたりも今後の値動きに影響するかもしれません」と話していた。
動きは複雑だが、大まかにまとめると全体像がつかみやすい。円相場の影響を受けやすいのは、回転率が高いパーツと利益率の低いパーツ、代理店やショップがあまりストックを置かないニッチなパーツだ。今後しばらくは、パーツのカテゴリではなく、こうした条件をベースに見るのが得策かもしれない。
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