合体してタブレットに変身するスマホ――「PadFone 2」を写真と動画でチェックSIMフリーで日本上陸(2/2 ページ)

» 2013年01月16日 18時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]
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単体として見てもよくできたスマートフォン

 4.7型ワイド液晶を搭載したスマートフォン本体のサイズは68.9(幅)×137(奥行き)×9(高さ)ミリ、重量は約135グラムだ。実測での重量は136グラムとほぼ公称値通りだった。

 手で握る側面をアルミパーツで覆い、下に向かって薄くなるデザインにすることで、握った際には質感がよくスリムな印象を受ける。背面にはカメラを中心として、スピン加工を施しており、細かな円の凹凸で手が滑りにくく、指紋も付きにくい。単体のスマートフォンとして見ても自然なデザインだ。

スマートフォン本体の前面(写真=左)と背面(写真=中央)。ホームボタンなどは液晶ディスプレイの下に点灯する。背面が緩やかな曲線で、下方がすぼんだデザインは握りやすい(写真=右)

 一方、10.1型ワイド液晶を備えたPadFone 2 Stationのサイズは263(幅)×180.8(奥行き)×10.4(高さ)ミリ、重量は約514グラムだ。実測での重量は507グラムと公称値より若干軽かった。背面はスマートフォン側のスピン加工とは異なり、凹凸のないマットな質感だ。

 PadFone 2 Stationは正面から見ると、単体の10.1型タブレットそのものだが、スマートフォンを装着する関係で背面の中央に厚みがあり、合体時の最厚部は12.5ミリ(実測値)まで膨らむ。ただし、合体時の総重量は643グラム(実測値)と、第4世代iPadより軽く仕上がっている(液晶の解像度は低いが)。

スマートフォン本体を装着したPadFone 2 Stationの前面(写真=左)と背面(写真=中央)。背面はスマートフォン側がスピン加工、PadFone 2 Station側がマット仕上げだ(写真=右)

スマートフォンを装着すると、背面の中央がかなり膨らむが、端はすぼんでいるので、手で持って分厚いという印象はない

 スマートフォン本体は、なかなかハイスペックな仕上がりだ。プロセッサはクアッドコアのSnapdragon S4 Pro APQ8064(1.5GHz)を採用し、これに統合されたグラフィックス機能のAdreno 320を用いる。メモリはLPDDR2で容量2Gバイト、ストレージはeMMCで容量64Gバイトと、タブレット向けアプリやコンテンツを多数保存して活用することが想定された仕様だ。4.7型ワイド液晶ディスプレイは、1280×720ドット表示のSuper IPS+方式を採用する。

 スマートフォンの上部にはmicroSIMスロットが用意されており、通信方式はW-CDMA(DC-HSDPA) 900M/2100MHzをサポートする(LTEへの対応はうたっていない)。PadFone 2はSIMフリーで販売されているため、ここに別途用意した通信方式に合うmicroSIMを装着して利用する仕様だ。SIMも新規に入手するならば、b-mobileの低価格なプランなどを活用するのが無難だろう。通信機能はIEEE802.11b/g/nの無線LANとBluetooth 4.0も標準装備する。

 そのほか、120万画素のインカメラ、1300万画素のアウトカメラ、内蔵スピーカー、内蔵デジタルマイク、ヘッドフォン/マイク共用端子を搭載。センサー類はGPS(A-GPS/GLONASSサポート)、近接、電子コンパス、照度、加速度、ジャイロスコープを内蔵している。

スマートフォン本体の上面には、microSIMスロットとヘッドフォン/マイク共用端子を搭載(写真=左)。下面にはPadFone 2 StationやACアダプタを接続する13ピンドッキングポートがある(写真=右)

左側面にインタフェース類はない(写真=左)。右側面には電源と音量のボタンが並ぶ(写真=右)

 PadFone 2 Stationは単体では動作せず、シンプルな仕様だ。10.1型ワイド液晶ディスプレイは、1280×800ドット表示のIPS方式を採用。スマートフォンと同じ視野角が広いIPS系の液晶パネルだが、表示品質はスマートフォンのSuper IPS+方式が勝る。スマートフォン側の液晶パネルより縦解像度が80ドット増えるだけなので、解像度は少々物足りない。ここはフルHDやRetinaクラスの高画素密度パネルを採用してほしかったところだ。

 PadFone 2 Stationにはバッテリー、スピーカー、100万画素のインカメラを内蔵する以外、インタフェースは用意されておらず、アウトカメラはスマートフォン内蔵のものを使用する。ここもできれば、PadFone 2 Station側にmicroSDカードスロットやUSBといったインタフェースがほしかった。

スマートフォンを装着したPadFone 2 Stationの上面(写真=左)。電源ボタンを搭載している。スマートフォン側のヘッドフォン/マイク共用端子はそのまま利用できる。PadFone 2 Stationの下面には、ACアダプタ接続用の13ピンドッキングポートを備えている(写真=右)

左側面には音量ボタンを用意(写真=左)。右側面にインタフェース類はない(写真=右)

PadFone 2 Stationにもバッテリーを内蔵するが……

 バッテリーについては、スマートフォン側に2140ミリアンペアアワー、PadFone 2 Station側に5000ミリアンペアアワーのバッテリーを内蔵。連続通話時間は本体のみで最大約16時間、合体時で最大約36時間、インターネット利用時間は本体のみで最大約13時間、合体時で最大約7時間、720pのビデオ再生時間は本体のみで最大約9時間、合体時で最大約7時間とされている。PadFone 2 Station側にもバッテリーを搭載しているとはいえ、10.1型ワイド液晶の消費電力が高く、合体時は画面表示でバッテリー駆動時間が減る傾向にあるという。

 なお、PadFone 2 Stationのバッテリーがない状態ではスマートフォンを装着してもタブレットとして利用できず、充電が必要となる。

 スマートフォン本体とPadFone 2 Stationの下面には、専用の13ピンドッキングポートが用意されており、付属のACアダプタを接続して充電する仕様だ。充電時間は本体が約2.8時間、PadFone 2 Stationが約3.6時間とされている。ACアダプタのサイズは45(幅)×45(奥行き)×27(高さ)ミリ、重量はACアダプタ本体のみで50グラム、着脱式のケーブルまで含めた総重量でも68グラムと小型軽量だ。

 ACアダプタとドッキングポートを接続するケーブルは、ACアダプタ側がUSB Aオスになっており、PCのUSBポートとスマートフォン本体を直接つないでデータ転送や充電が行える。なお、今回試した限りでは、これを市販のUSB マイクロBケーブルとつなぎ替えても、データ転送や充電が可能だった。

付属のACアダプタは小型軽量で、着脱式のケーブルは一方がUSB Aオス、もう一方が専用ドッキングポートになっている(写真=左)。付属するケーブルのドッキングポートは、スマートフォン本体とPadFone 2 Stationの両方に装着できる仕様だ(写真=中央/右)


 以上、PadFone 2の合体・分離機構を中心に製品の特徴をチェックした。こうした合体変形型のデジタルガジェットを多数手がけてきたASUS製だけあって、スマートフォンとタブレットの切り替えに無理はなく、スマートフォンとしてもタブレットとしても自然に扱えるのはさすがだ。

 ITmedia PC USERでは後日、PadFone 2の詳細なレビューを予定している。

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