もう1つ、WiMAXのエリア外で通信速度が出ない場合もあるかもという保険として、T-Mobileの3GプリペイドSIMも購入した。こちらは1日数ドルで定額利用できるもので、数日の滞在や緊急用としての使い方ができる。データ定額のあるT-Mobile USAは、1日3ドル(約272円)と同2ドル(約181円)の2種類がある。このうち3ドルのものが3Gサービスを利用できる製品で、1日200Mバイトまで3G/HSDPAが利用できる。ちなみに2ドルのものは低速な2G通信しか利用できないので注意してほしい。
このSIMカードは、SIMロック解除サービスを利用した「GALAXY NEXUS SC-04D」を持ち込んで使用した。ちなみにこのSC-04Dは、NTTドコモでSIMロックを解除しても特定のファームウェアバージョンでは海外SIMカードを入れると再びロックがかかってしまうことがある──という情報・報告もあり、恐る恐るの利用となった(筆者は何台も機器を所持しているのでバックアップもあるが、それ1台を頼りに海外渡航した人は大変である)。海外でも安心して現地のSIMカードを使えるようにしてほしいよと切に願うが、さておき、ひんぱんに海外渡航機会がある人はイー・アクセスや日本通信、海外販売のSIMロックフリースマートフォンなど、最初から現地の海外SIMカードが使えるSIMロックフリー端末を入手しておくほうが安全かもしれない。
T-Mobileの店舗では、スマートフォンはすでにあるのでSIMカードだけほしいと伝え、2週間ほど3G通信が行いたいと伝えた。店のスタッフも「ならば30ドルだ。これだよ」と分かっている様子である。SIMカード単体の代金は必要なく、通信プラン料金の30ドルと州税などを含めて、合計34.88ドル(約3170円)であった。3ドル/日で2週間(14日)だと42ドルかかる計算だが、割り引きプランがあるのねと勝手に納得し、そのまま店を後にしたのだが……。
遅すぎる。速度チェックサイトでチェックすると、なんとたった80kbps。T-Mobileはテザリングも使えるが、こんな速度では特にPCで使うならほとんど使い物にならない。
改めてSIMカード購入時の契約書を見ると「2ドル/日、2Gバイト定額プラン」となっていた……。なんということでしょう。これは2Gの定額プランだ。こちらの最終確認ミスではあるのだが、購入時に3Gプランと伝えていたのになぁ。「なるべく安くしたい」なんて話したりもしていたので、“善意”で安い2Gプランにされてしまったのかもしれない。まったくもう。
これは使えないが、大丈夫。T-Mobileはオンラインで簡単にプランの変更ができる。T-MobileのWebサイトを開き、My T-Mobileのページより手続きすればよい。初回は「Forget your password」よりSIMカードの電話番号を入力すれば、仮パスワードが端末に送られてくるのでこれで手続きしよう。今回はこの方法で無事3ドル/日の3G対応プランに変更できた。
複数の料金プランがある場合はSIMカード受け取り時に確認するべきなのだが、こういった“致命的でないがすこぶる面倒な”旅のトラブルは、トホホ感も加算された疲労としてじわじわたまってくるのでご注意願いたい。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1000台以上(2013年1月時点)。
アメリカ渡航時のデータ通信手段確保は、国内のレンタルルータ事業者を利用するのも手軽で便利な手段だ。
海外渡航者向けの海外対応データ通信機器をレンタルできるサービス「グローバルデータ」では、タブレットやスマートフォンなどでも便利に使えるWi-Fiルータ型を980円/日から、Windows/Macで利用できるUSBモデム型を780円/日よりレンタルできる「アメリカ 定額プラン」(対象国B)を用意する。
レンタル申し込みは同社Webサイトで行える。機器の受け取りは、宅配か空港受取りにて。出発日2日前17時までの申し込み(成田、羽田は申し込み日が平日の場合、前日17時)で、出発当日に成田、羽田、関西国際、中部国際の各空港で受けとることも可能となっている。
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