“質実剛健”で高コスパ、5万円で買えるWindows 8タブレット「Latitude 10」実力診断9時間超えのロングライフバッテリーも魅力(3/3 ページ)

» 2013年02月01日 18時00分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
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バッテリーは着脱可能、動作時間は9時間以上

photo バッテリーは簡単に取り外せる。オプションで通常の2倍となる60ワットアワーのバッテリーも用意する

 バッテリーは着脱可能で、裏面のロックレバーを外すと簡単に取り外せる。長期間製品を使用すれば、バッテリーの劣化(容量低下)は避けられない。ユーザーによる着脱を可能としているところはビジネス向け製品から引き継いだ特長として評価したい。デルのWebページでバッテリーの単体販売も行っている(2セルは3979円、4セルは5288円)。

 また、標準で本体に付属するのは容量30ワットアワーの2セルバッテリーだが、BTOカスタマイズで60ワットアワーの4セルバッテリーに変更可能だ(プラス2100円)。重量が150グラムほど増え、背面が5ミリほど出っ張るが、外出先での使用が多いなら検討する価値はある。

 バッテリー動作時間は、BBench 1.01(海人氏・作)を利用し、タブレット単体で測定した。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 10(32ビット)を指定し、タブブラウズはオフに設定、本体は無線LAN常時接続、Bluetoothオン、画面輝度の自動調整をオフ、電源プランは「バランス」で、バッテリー動作時のディスプレイの輝度は40%に設定した。

photo ACアダプタのサイズは88(幅)×35(奥行き)×26(高さ)ミリと小型だが、ケーブルは3ピンなので持ち運ぶ場合はかさばる

 この条件で、バッテリー満充電の状態から残量5%で休止状態に移行するまで9時間21分だった。バッテリー動作時間の公称値は非公開だが、タブレットとして非常に優秀な動作時間を達成しているうえ、輝度を下げて動作時間を延ばすこともできる。それでも足りないならば、容量が2倍になる大容量バッテリーをBTOカスタマイズで選択すればいい。

 ボディの発熱については、しばらく使っていても熱くなる感覚はなく、ほとんど気にならない。ペンチマークテスト実行中など、高い負荷がかかると背面が少し温かくなるが、最高でも室温23度の環境で約31度だった。

コストパフォーマンスに優れる質実剛健なWindows 8タブレット

photo Latitude 10は、普段使いとビジネスユースどちらでも使いたいというニーズに合致するWindows 8タブレットだ。利用用途に合わせてオプションをカスタマイズするといい

 Latitude 10の直販価格は最小構成で5万4980円だ。下位モデルのLatitude 10 Essentialsの最小構成価格は4万9980円とこちらも魅力的だが、5000円でMini HDMI出力や、Micro USB経由の充電、ペン操作の対応といった機能も加わると考えれば、標準モデルの方を勧めたい。

 デスクトップモードを頻繁に使うユーザーは、ドッキングステーションの追加が必須だ。そのほか、細かい作業の操作性向上や筆圧検知の手書き入力を求めるならばスタイラスペン、外で長時間使いたい場合は大容量バッテリー、仕事にも活用するにはOffice 2010と、利用スタイルに応じてカスタマイズするとよいだろう。例えば、ドッキングステーションとスタイラスペンをつけても7万1110円に収まる。Windows 8タブレットでは、タブレット単体で7万円以上の製品も多いなか、Latitude 10は本体の価格が比較的安いため、オプションを付けても割高な印象はあまり受けない。

 Latitude 10はよくも悪くもビジネスユースの性格を強く残したWindows 8タブレットである。Windows 8タブレットとして、持ち運ぶ際に重要となるボディの重量や厚みにアドバンテージはないものの、標準サイズのUSB、SDメモリーカードスロットといった実用優先のインタフェース、取り外し可能なうえ、実際のテストで10時間に迫るロングライフのバッテリー、USB/HDMI/ギガビットLAN付き専用クレードルの提供といった強みは魅力的だ。

 最後に、質実剛健な仕様と5万円からという求めやすい価格は、いかにもデルのビジネス向け製品らしく、仕事にも使えるWindows 8タブレットという観点で、その完成度を評価したい。“せっかくWindows 8が入っているわけだし、プライベートでも仕事でも使いたい”というユーザーは必ずチェックしておくべき製品だろう。

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