第5回 普通のレコーダーより“イイ”ところもある、「SmartVision」の魅力豪華仕様なAV+地デジPC「VALUESTAR W&VALUESTAR G タイプW」ロードテスト(2/2 ページ)

» 2013年02月07日 17時00分 公開
[ITmedia]
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むほほとにやける機能「自動チャプタースキップ」、こだわり派も意外と大丈夫そう「番組編集機能」

photo 録画一覧画面より、手軽に録画番組の簡易編集や録画モード変換、光ディスクへの書き込み、外でもVIDEO(スマートデバイスで再生できる、番組持ち出し機能)などの操作が行える。このあたり、家庭用AV機器+リモコン操作だけだとちょっと面倒なこともあるが、慣れたマウス/キーボード操作ならラクラクである

 もう1つ感心したのが、「反応のはやさ」。一般的な家庭用HDDレコーダーは、多くの場合リモコン操作から微妙なタイムラグがある。録画一覧やメニュー画面を出そうとすると、ワンテンポとは行かないまでもちょっとした待ち時間が発生するアレだ。……本機はそれがほぼない。このあたりはPCならでは、CPUをはじめ一般HDDレコーダーのそれとは異なるシステムで動作している恩恵と言えるのかもしれない。当然、再生中の操作も軽快だ。このボタン操作に対する反応のよさは、これまでAV機器になんとなく感じていたストレスを廃し、積極的にこれを使おうという気にさせてくれる。

 このほか、録画予約に対する“かしこさ”も気に入っている。本機は録画用に2チューナー、視聴用に1チューナー、計3つの3波(地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタル)チューナーを搭載しており、2つの番組を同時録画中も別の番組を視聴できるメリットがある。録画予約時の動作も意外と親切で、例えばすでに時間が重なった2番組の録画予約を行っており、さらにもう1つ録画予約をしようとすると、どの番組の録画予約を取り消すかを聞いてくる。あたり前といえばそうだが、おかげでどれを取り消すか、それともオンエアで見るか、そして録画漏れなどの失敗もなく効率よく活用できている。

 番組編集機能もなかなかだ。SmartVisionには「簡易編集」と呼ぶ機能がある。例えば、CM(あるいは本編)部分を認識し、本編とCM部分をチャプターとして切り分けた状態の録画データを作成可能。さらに「オートチャプタースキップ機能」により、認識した本編のみ(あるいはCMのみ)を再生できる。オトナな事情でオートスキップ機能は備えないレコーダーもあったりするが、SmartVisionならこれができる。録画番組の再生にはすごく便利だ。

 さらに、チャプター位置から微妙にイン/アウトの位置を手動でずらすこともできる(しかも15フレーム単位の移動ボタンまでついてる)ので、録画番組をメディアに記録し、「保存版」として残したいと考えるこだわり派にも十分納得してもらえそうなレベルである。番組をBD-Rにダビング/ムーブをする場合にとても役立つ。おかげで、編集作業にかかる時間がだいぶ短縮できるようになった。こういったユーザーフレンドリーなつくりは、ありがたいかぎりだ。


photophoto 簡易編集機能も実装する。「保存版」を作成したいこだわり派向けの機能も備わっている

とはいえ、AV機器目線では少し気になった部分も

 このように、HDDレコーダー機能についてはかなりの満足感を与えてくれたが、多少気になる部分もないとは言わない。例えばBlu-ray Discなどディスクメディアの再生について。視聴、録画、編集作業、再生からディスクメディアへの書き込みまで「SmartVision」1つでできるのだが、Blu-ray DiscやDVDタイトルの再生はプリインストールする別のソフト「CyberLink PowerDVD BD」で行うようになっている(デフォルトでは。もちろんWindows PCなので好みに応じて適当なソフトに変更できる)。

 この再生ソフトでも基本的な操作はリモコンで行えるが、ダビングしたBD-R再生時の録画番組一覧など──一発表示できない項目がある。Windows的にはマウスの右クリック→メニュー内の“ブラウザ”で確認できるのだが、ここだけ使い勝手が少し変わるので、どうせなら徹底して一本化してほしいのである。

 また、Blu-ray Discタイトル再生中、ごく時々(1ディスクに1回ほど)ディスクのシークか何かで再生が止まってしまうことがあった。PCなら「何か裏で別のソフトが動いているのか。ま、そんなこともあるだろう」で済む話かもしれないが、HDDレコーダーというAV視点からするとダメである。



photo わがシアタールームに導入した「VALUESTAR G タイプW」

 とはいえ、本機は録画番組もBlu-ray Discタイトルの再生も、サクサクの操作感で反応してくれる。少なくとも低価格志向の家庭用AV機器/専用機にはない機能性や軽快感、さらにPCと融合しているからこその魅力がある。

 PCとAV機器は使用サイクルが少し違うので、どちらかが使えなくなったら……という考え方もあるが、本機はPCなだけに、USB HDDなどでの録画容量の増加も普通に簡単。テレビ・レコーダー機能だけでも筆者的需要を満たす期間は最低限、いや十分使い続けられそうなので、ほとんど心配はしていない。

(続く)


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