ThinkPad Tablet 2専用のBluetoothキーボードを使ってみたのですまさに“200番台”のThinkPad……(2/2 ページ)

» 2013年02月14日 19時03分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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いまなら快適“光学式”トラックポイント

アイソレーションタイプを採用したキーボードの形状とレイアウトは、ThinkPadシリーズと共通する。キーピッチは標準サイズで18ミリを確保する

 ポインティングデバイスは、光学式のトラックポイントを搭載する。赤いスティック状の外観は、クラムシェルスタイルのThinkPadシリーズで採用する感圧式のトラックポイントをイメージするが、光学式はデバイスのトップで指をスライドすることでマウスカーソルを動かす。

 個人的な意見で申し訳ないが、以前同じ方式のデバイスを搭載したキーボードを評価したとき、従来のトラックポイントの“感覚の違い”が災いして、あまりいい評価をしなかった記憶があるが、ThinkPad Tablet 2専用キーボードの光学式トラックポイントは、なぞる指とマウスカーソルの追従性が良好なのに加えて、評価担当者自身が、最近のタブレットデバイスで「指をスライドする」操作に慣れてきたこともあるのか、不快と感じないばかりか、感圧式トラックポイントで特有の「力をかけていないのにマウスカーソルが動いていく」現象が起こらないため、“正直にいうと”従来のトラックポイントより使いやすいと思うほどだった。

 ただ、タッチパネルの操作に慣れてしまった身には「指をスライドしてタップ」という動作が自然になっている。しかし、専用キーボードでは、光学式トラックポイントを指でスライドしてカーソルを動かしたあと、クリックは従来と同じように「ボタン」を押して認識する。無意識にスライドした指でトラックポイントのトップをタップしてしまうが、これはクリック動作として認識しないので、イマドキのタッチ操作になれてしまったユーザーは、専用キーボードの操作では意識を切り替える必要があるだろう。

 ファンクションキーは、初期状態で機能キーとして動作する。本来のファンクションキーの動作はFnキーと組み合わせたショートカットキーとして使うことになる。機能キーとして用意しているのは、ミュートに音量調整、輝度調整など。ThinkPad X1シリーズでは、このほかにコンテンツプレーヤーで使う再生、頭出し機能があるが、専用キーボードは、それに代わってWindows 8の設定メニュー起動とタスク切り替え、そしてアプリケーション選択画面を呼び出す機能をそろえている。

 日本語入力ソフトなどでファンクションキーを多用するユーザーは、「FnLk」(ファンクションロック)で、本来の挙動を優先できるが、Windows 8の操作を助けてくれる機能も用意しているので、標準設定でも操作手順や覚えるショートカットキーの数を減らしてくれる。そういう意味では、「Alt+X」や「Alt+C」、「Alt+R」の組み合わせを標準で割り当てるか、ユーザーのカスタマイズを可能にしておくと、さらに使いやすくなっただろう。

ThinkPadシリーズの“コンパーチブル”モデルとしても期待できる、のでは

 インテルアーキテクチャを搭載して“RT”じゃない、フルのWindows 8が動くタブレットPCとして、多くのユーザーがThinkPad Tablet 2に注目しているが、フルのWindowsが動くだけに、デスクトップモードでOfficeアプリケーションを使ってドキュメントを作成したり、テキストエディタで文章やソースコードを入力する場合、やはりハードウェアキーボードが必要になる。

 今回評価した専用キーボードは、オプションという位置づけだが、ThinkPad Tablet 2と重ねたときの統一感は、「着脱式コンバーチブルに進化した“正統派”ThinkPad Classic! 」と思わずにはいられない。実際、両者を重ねたときの厚さは20ミリを切り、重さも1キロを切る。10型級液晶ディスプレイを搭載するシリーズが存在しない現在のThinkPadラインアップにあって、「これこそ待ち望んでいた“モバイル”ThinkPad X200番台の進化形」と思うベテランThinkPadユーザーも少なくないのではないだろうか。

 なお、これは完全に個人的な事情であるので、一般的な評価とは切り離して述べるが、評価機材においてCapslockキーとContrlキーを入れ替えるユーティリティ「Ctrl2Caps」が使えなかった。古参ユーザーの中にはこのキーを入れ替えて利用する「ダイヤモンドショートカット」をエディタで使うケースも多いと思うが、これが使えない専用キーボードでは、テキストやソースコードの入力で少なからず自分をキーボードに合わせる努力が必要だろう。

“はめ込み式”キーボードスタンドの常として、クラムシェルスタイルにおけるディスプレイの角度は固定になる。目の高さが115センチのユーザーが高さ約70センチの机において使う場合、本体から50〜60センチ離した状態でディスプレイと正対し、それ以上近づくと上から見下ろすことになる。なお、専用ディスプレイにはインタフェースはなく、唯一、キーボード充電用のmicro USBを左側面に設けている

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