続いてタブレットモードを。……想像より軽く感じる。タブレット単体利用時の重量は約785グラム(最軽量構成時)だが、Core i7+8Gバイトメモリ+256GバイトSSD+Windows 8 Pro(高性能志向の構成時)のPCを700グラム台で携帯できることを意識してしまった期待値は大いにあるが、重量バランスのよさや天面つや消し塗装の手触りなども影響していると思う。もちろんタブレット単体ではThinkPad Tablet 2のほうが軽量(約565グラム)だが、重い処理も行う機会が多い業務マシンとしての導入を想定すると問題ないと判断できる範囲だ。
搭載インタフェースはキーボードドック接続用I2Cバス(60ピン)、USB 2.0×1、Mini DisplayPort、DC入力端子、SIMカードスロット(ただし、国内販売モデルではWWAN/WiMAX内蔵モデルは用意されない。残念ながら「現時点では予定はない」とのことである)がある。他には両端にドック接続ガイド用の穴、その隣は必要項目(技術基準適合証明など、各国の適合性評価認証マークや番号)を記述した収納式ラベル、中央は排熱口、そして他方のI2Cバス逆指し用避け穴となる。認証マーク類は「入れなければならないものですが、見えると……格好悪いですよね。だから隠しました」(土居氏)
ワコム製デジタイザ内蔵による快適なペン操作にも対応し、ペンをしっかり収納しておける工夫もThinkPad Tablet 2譲りだ。
ThinkPad Yoga 13で好評だった「スタンドモード」にできるのも、ギミック好きとして意外に利便性が高そうだ。ノートPCはほぼパーソナルユースだが、タブレットはパーソナルユースながら複数人でのぞき込むようにして使うケースもある。タブレットを逆にも差せるよう着脱機構を工夫し、ユーザーの「これができればなぁ」がないよう、しっかり利用シーンをカバーしているのがえらいところである。
「人は、何かを手にして腕をずっと上げておくのは不可能。適当なテーブルやヒザに置いても自然に使えるようヒンジ/着脱機構を工夫している。ビュワーとして使用するなら、このスタイル“でも”活用できることを強く訴求したい」(土居氏)
なぜ「ハイブリッド」なのか。
スマートデバイスの普及とともに、PCを取り巻く状況は大きく変わってきている。これまではPCで「何でもできる」ことが重要だったが、スマートフォンやタブレットも使いこなすユーザーは、それぞれの画面(機器)をシーン別に使い分けるスタイルを自然に取り入れるようになった。
「ただ、先だってスマートデバイスを導入した企業に聞くと……結局、PC・タブレット(特にiPad)・スマートフォン、計3台もの機器をどう管理すればいいか──、結果として複数の個別の機器を使いこなす必要があるとを悩まれている。それならWindowsマシン1台でOK。しかもどのニーズにおいても妥協をしないパフォーマンスで。を目指して開発されたのがThinkPad Helixだ」(土居氏)
つまり、PCとスマートデバイス、どちらかだけではすべてをカバーできない。それならそれぞれのいいところを融合したらどうだろう──。インテルが推進するUltrabook、さらにタッチ操作もサポートするWindows 8の登場を機会に、PC各メーカーより登場した新たなPCのカタチが「ハイブリッドUltrabook」だ。
もちろんタブレットかノートPCか、どちらの比率を高くするかは各社/機器別に異なる。その中でThinkPad Helixは軽量・長時間・パフォーマンス・視認性・操作性・セキュリティ性・業務導入向け施策、それぞれの項目が高くバランスされているのが分かる。
今後、PCはどう進化していくのか、そして行くべきか。それがはっきり分かる時期──そう遠くはないと思われる。
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