本機のスペックは、CPUがTDP(熱設計電力)17ワットのCore i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)、メモリが8Gバイト(4Gバイト×2、PC3-12800)、ストレージが750GバイトHDD(5400rpm)、グラフィックスがGeForce GT630M(グラフィックスメモリ2Gバイト)、プリインストールOSが64ビット版Windows 8となる。ストレージにキャッシュ用SSDがないのは少し残念だが、メモリが8Gバイトである点や外部GPUを搭載している点は頼もしい。
Windows 8標準のWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアだが、メモリのスコアが7.4と高い一方で、ストレージはHDDを使用するので、プライマリハードディスクのスコアは5.9にとどまっている。
ベンチマークテストは、総合ベンチマークテストのPCMark 7、3D系ベンチマークテストの3DMark06、3DMark Vantage、ストリートファイターIV ベンチマークなどを行った。参考として、2012年秋冬モデルのタッチ対応14型UltrabookであるHP ENVY TouchSmart Ultrabook 4のスコアを併記した。各機種のスペックは以下の通りだ。
ベンチマークテスト各機種のスペック | ||
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機種 | HP Pavilion TouchSmart Sleekbook 15-b133TX | HP ENVY TouchSmart Ultrabook 4 |
CPU | Core i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz) | Core i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz) |
メモリ | 8Gバイト(4Gバイト×2、PC3-12800) | |
ストレージ | 750GバイトHDD(5400rpm) | 500GバイトHDD(5400rpm)+32GバイトSSD |
グラフィックス | GeForce GT630M(グラフィックスメモリ2Gバイト) | Intel HD Graphics 4000 |
PCMark 7テストについてはSSDを搭載するHP ENVY TouchSmart Ultrabook 4が、3D系スコアについては外部GPUを搭載するb133TXが最もスコアが高かった。ゲームや画像処理といったシーンでは外部GPUの恩恵がやはり大きく、ひと昔前の3Dゲームなら十分対応できそうだ。
ベンチマークテストのスコアは低めだが、HDDモデルとしては軽快な動作といえる。SSD搭載Ultrabookほど切れのよいレスポンスはないが、少なくとも普段使いにおいて動作が遅くてイライラする、というような場面はなかった。
HP Pavilion TouchSmart Sleekbookが搭載するバッテリーは4セル式で、ユーザーによる着脱が行える。バッテリー動作時間の公称値は約5時間だ。実動作時間の測定は、BBench 1.01(海人氏・作)で行った。「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」で、PCは無線LANに常時接続、電源プラン「バランス」(ディスプレイ輝度は11段階中下から6段階目に設定)という設定でテストを行ったところ、バッテリー残量9%で休止状態へ移行するまで、3時間40分だった。
公称値の5時間には及ばないものの、このサイズながら4時間程度はバッテリーが持つ。家の中で持ち歩いてWebブラウズやSNSを使うくらいならできそうだ。映画や音楽などのコンテンツを長時間楽しむなら、ACアダプタに接続する必要があるだろう。付属のACアダプタは、実測のサイズが約45(幅)×106(奥行き)×30(高さ)ミリと比較的コンパクトだが、電源ケーブルが3ピンで太いので少しかさばる。電源ケーブルを持ち歩くのが面倒ならば、付属のウォールマウントプラグを使うといいだろう。
本機は、ベンチマークテスト実行時など、システムに高い負荷がかかると、左側面にある排熱口から温風が吹き出す。3DMark Vantageを実行している最中の騒音レベルを計測したところ、43デシベル(環境騒音30デシベル、本体手前5センチの位置で計測)となった。もちろんWebブラウズなど普段使いの際には、このような騒音は出ない。
発熱は問題なさそうだ。室温約24度の環境下で、3DMark Vantage実行中に表面温度を測ったところ、キーボード中央部で約34度、キーボード上部にあるスピーカーが38度と最も熱くなる。もちろん普段使いではここまで温度は上がらないし、このような状況でもパームレストの温度は27度くらいだった。ただし底面も熱を持つので、ひざに乗せて長時間使うような場合は注意したい。
b133TXの直販価格は7万9800円(標準構成時/税込み、以下同)だ。ボディが樹脂であったり、ストレージがHDDだったり、騒音が少し気になったりとエントリーモデルならではの詰めの甘さは多少あるものの、家用ノートPCとして十分な機能、インタフェースに加えて外部グラフィックスやタッチパネルを搭載することを考えればコストパフォーマンスは高いと評価できる。普段使いでサクサク動く家用ノートPCがほしいというユーザーには魅力的な1台になるだろう。
また、ゲームや高度な画像・映像編集などに使わないならば、外部GPUを搭載しないAMDモデルのb102AUやCore i3-2375M(1.5GHz)を搭載する「b134TU」も有力な選択肢になる。b102AU(量販店モデル)の価格は7万8000円前後、b134TU(直販モデル)は5万9850円だ。特にb134TUはタッチ対応ノートPCが5万円台で手に入るということで、こちらもかなりお買い得である。
こうした売れ筋価格帯のPCにもタッチパネルが採用されれば、PCでのタッチ操作スタイルもより浸透すると思われる。このHP Pavilion TouchSmart Sleekbookはタッチ操作、ひいてはWindows 8の普及といった観点からも期待したい製品だ。
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鮮やかなディスプレイでタッチ操作。高い基本性能を備えたスリムノートPC
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