色再現性については、i1Proで作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティに読み込み、sRGB、Adobe RGBのプロファイルと比較して確認した。色が付いた部分がdynabook KIRA V832で再現できる色の範囲、グレーで重ねて表示しているのが比較対象の規格(sRGB/Adobe RGB)で定められている色の範囲となる。
sRGBの色域をグレーで重ねて比較したところ、sRGBのほぼ全域をカバーしていることが分かった。下位モデルのV632もsRGBと色域を比較してみたが、V632よりもV832の方が色域はかなり広い。
さすがにAdobe RGBには及ばないが、Ultrabookのディスプレイとしてはとても良好な色域だ。Photoshopのような画像処理ソフトでsRGBプロファイルの画像を開けばsRGBの色域でマッピングされるはずなので、sRGB環境での画像編集を高い精度で行うことも期待できる。プライベート利用はもちろん、Webデザインなどの現場にも適用できそうだ。
ちなみに本機には標準でAdobe Photoshop Elements 11とAdobe Premiere Elements 11が付属する。このことからも、それとなく、画像(動画)編集といったクリエイティブ用途にも使ってほしいというメッセージが垣間見える。メモリも標準で8Gバイト(4Gバイト×2)を搭載するので、重くなりがちなクリエイティブ系ソフトもサクサク動くだろう。
以上、dynabook KIRA V832の“本気”のディスプレイをチェックした。暗部での再現性でやや気になる部分はあるのだが、個人用途としてはかなり高品位なものに仕上がっており、Ultrabookとしては最高クラスのディスプレイであることは間違いない。このあたりは、REGZAブランドを持つ東芝というメーカーならではのこだわりが感じられる。
レビュー後編では、本体のスペックや各種ベンチマークテストの結果について触れる予定だ。
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