“Retina級”高解像度ディスプレイは画質も最高峰か?――「dynabook KIRA V832」徹底検証(中編)計測器で実力を明らかに(2/2 ページ)

» 2013年04月22日 00時00分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
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sRGBの全域をほぼカバーする色域

 色再現性については、i1Proで作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティに読み込み、sRGB、Adobe RGBのプロファイルと比較して確認した。色が付いた部分がdynabook KIRA V832で再現できる色の範囲、グレーで重ねて表示しているのが比較対象の規格(sRGB/Adobe RGB)で定められている色の範囲となる。

 sRGBの色域をグレーで重ねて比較したところ、sRGBのほぼ全域をカバーしていることが分かった。下位モデルのV632もsRGBと色域を比較してみたが、V632よりもV832の方が色域はかなり広い。

photophotophoto i1Proで作成したdynabook KIRA V832のICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで読み込んだ結果。色が付いている範囲がdynabook KIRA V832で再現できる色の範囲で、グレーの範囲がsRGBで再現できる色の範囲を示す。dynabook KIRA V832の色域はsRGBをほぼカバーしている
photophotophoto i1Proで作成したdynabook V632のICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで読み込んだ結果。色が付いている範囲がdynabook V632で再現できる色の範囲で、グレーの範囲がsRGBで再現できる色の範囲を示す。V632はsRGBよりも色域はかなり狭く、V832の方が色域が広いことが分かる
photo 参考までにAdobe RGBとも比較してみたが、さすがに色域は及ばなかった

 さすがにAdobe RGBには及ばないが、Ultrabookのディスプレイとしてはとても良好な色域だ。Photoshopのような画像処理ソフトでsRGBプロファイルの画像を開けばsRGBの色域でマッピングされるはずなので、sRGB環境での画像編集を高い精度で行うことも期待できる。プライベート利用はもちろん、Webデザインなどの現場にも適用できそうだ。

 ちなみに本機には標準でAdobe Photoshop Elements 11とAdobe Premiere Elements 11が付属する。このことからも、それとなく、画像(動画)編集といったクリエイティブ用途にも使ってほしいというメッセージが垣間見える。メモリも標準で8Gバイト(4Gバイト×2)を搭載するので、重くなりがちなクリエイティブ系ソフトもサクサク動くだろう。

photophoto dynabook KIRA V832のカラー/モノクログラデーション表示。若干暗部での黒つぶれが見られるが、発色はUltrabookとは思えないほど鮮やかだ。

 以上、dynabook KIRA V832の“本気”のディスプレイをチェックした。暗部での再現性でやや気になる部分はあるのだが、個人用途としてはかなり高品位なものに仕上がっており、Ultrabookとしては最高クラスのディスプレイであることは間違いない。このあたりは、REGZAブランドを持つ東芝というメーカーならではのこだわりが感じられる。

 レビュー後編では、本体のスペックや各種ベンチマークテストの結果について触れる予定だ。

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