第4回 「バッテリー長持ち」な7型タブレットはどれ?2013年版 7型タブレット横並びチェック(2/3 ページ)

» 2013年04月26日 10時00分 公開
[太田百合子(撮影:市原達也),ITmedia]
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バッテリー実動作時間をチェック

photo 中でも大容量のバッテリーを内蔵するNTTドコモ(Samsung)「GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E」

 続いては、肝心の「バッテリー動作時間」をチェックしよう。バッテリー動作時間は、スマートデバイスの「実利用時の使い勝手」にかなり響いてくる項目である。特に、かつてのスマートフォンで“バッテリーが1日も持たない/これまでのケータイより持たないなんて……”と嘆いたことのある人ほどそう感じているかもしれない。

 7型タブレットはスマートフォンよりサイズが大きい分、バッテリーもそれなりに大容量のものを搭載している。タブレット利用において評価が難しいのは、「とはいえ、利用頻度はスマホのほうが高い」ことだ。携帯していても、いざ使う時に「あれ、バッテリーがなくなっていた」では困るし、逆に大容量だからといって大きく重ければ携帯する機会はどうしても減りがちになる。また「高解像度なのはとてもいいが、その分バッテリー消費量も多い」といったジレンマも存在する。このあたりをユーザーニーズに合わせてうまくバランスさせるのがメーカーの腕の見せどころであり、このバランス具合は「使うモチベーションを高める/使い続けるモチベーションを維持できるか、否か」の指針の1つになる。ぜひ、前回のパフォーマンスチェック編の結果とも見比べながら比較してほしい。

 まずはバッテリー容量と、動作時間に関するカタログ値をチェックする。3.7ボルト出力(換算)でのバッテリー容量が大きいモデルは、NTTドコモ(Samsung)「GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E」の5100mAh、小さいモデルはGEANEE「ADP-704」の2400mAhだった。


メーカー/販売 製品名 バッテリー動作時間(カタログ値) バッテリー容量 時間単位の電力消費量 重量
アップル iPad mini(Wi-Fiモデル) 10時間(Wi-FiでのWeb・動画再生)、9時間(WWANでのWeb利用) 4440mAh(3.72V)(非公開) 16.5Wh 308グラム
アマゾン Kindle Fire HD 7 11時間(Web・動画・eBook再生) 4400mAh(3.7V) 16.4Wh 395グラム
エイサー ICONIA TAB A100 約5時間(Web利用時)、約4.5時間(720P動画再生)、約250時間(スタンバイ時) 3060mAh(3.7V) 11.3Wh 410グラム
NTTドコモ(NEC) MEDIAS TAB UL N-08D 11.5時間(3G通話時)、570時間(LTE待受時) (データ通信時動作時間非公開) 3100mAh(3.7V) 11.5Wh 249グラム
NTTドコモ(NEC) MEDIAS TAB N-06D 10.1時間(3G通話時)、500時間(LTE待受時) (データ通信時動作時間非公開) 3610mAh(3.7V) 13.3Wh 349グラム
NTTドコモ(Samsung) GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E 700時間(LTE待受時) (データ通信時動作時間非公開) 5100mAh(3.7V) 18.8Wh 344グラム
Google(ASUSTeK Computer) Nexus 7 10時間(Web・eBook再生)、9時間(動画再生)、300時間(スタンバイ時) 4325mAh(3.7V) 16.0Wh 340グラム
KDDI(シャープ) AQUOS PAD SHT21 12時間(動画再生)、24時間(静止画表示)、980時間(LTE待受時) 3460mAh(3.7V) 12.8Wh 272グラム
GEANEE GEANEE ADP-704 3時間 2400mAh(3.7V) 8.8Wh 312グラム
GEANEE GEANEE ADP-705W 6時間 3500mAh(3.7V) 12.9Wh 456グラム
東芝 REGZA Tablet AT570 10時間(動画再生) 3940mAh(3.7V)(非公開) 14.6Wh 332グラム
ドスパラ DOSPARA TABLET A071-D15A 6時間 3700mAh(3.7V) 13.7Wh 340グラム
パナソニック BizPad JT-H580VT 4.5時間 3900mAh(3.7V) 14.4Wh 415グラム
Mobie in Style edenTAB WiFi +3G 10時間 3850mAh(3.7V) 14.2Wh 338グラム
レノボ・ジャパン IdeaTab A2107A 約10時間(Wi-Fi接続時) 3550mAh(3.7V) 13.1Wh 400グラム
※並びはメーカー/販売名で五十音順

 なお、正式スペックとしてのバッテリー動作時間表記はメーカーや通信事業者によって条件がかなり異なる。“動画再生時”での表記が多い傾向だが、実際の使い方は利用者、そして時間帯、いる場所などによってかなり変わる。動画再生はバッテリーを比較的多く消費する使い方になるので“目安”にはなるが、やはりどれが優れるかは比較しにくい。

 ということで、条件を統一して比較してみよう。今回は、

  • 画面を輝度最大で常時表示
  • Wi-Fi接続(2.4GHz帯802.11n)
  • WWAN内蔵モデルはWWAN機能有効のまま(ただし、使用せず)
  • GPSオフ、省電力モードのある機種は機能をオフ
  • YouTube動画再生アプリ「PVSTAR+ PRO」(Android)、「LoopTube HD」(iOS)で、Wi-Fi通信+Web動画を連続再生

 に設定・検証環境を統一し、「バッテリーHDプロ」アプリで状態を監視しながらバッテリー切れで電源がオフになるまでの時間を計測した。なお、iOS搭載モデルはPVSTAR+ PROの代わりに同等機能を持つ「LoopTube HD」を使用した以外の条件は同じとなる。

photophoto 測定設定・条件を統一して測定したバッテリー実動作時間

 結果は、東芝「REGZA Tablet AT570」が実動約500分(約8時間20分)で唯一の8時間超え。NTTドコモ(Samsung)「GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E」が同470分(約7時間50分)、Google「Nexus 7」が同440分(約7時間20分)、アップル「iPad mini」が同420分(約7時間)。以上が7時間越えのモデルだ。

 カタログ値、そして期待値とは少し異なる結果となったモデルもあったが、今回は統一条件として「(バッテリーを多く消費する)ディスプレイ輝度を最大に」を課していることはご理解いただきたい。「第2回 ディスプレイの表示範囲、美しさ、見え方はどう違う?」でも触れたが、例えばKDDI(シャープ)「AQUOS PAD SHT21」のようにディスプレイ明るさに余裕があるモデルは、明るさを自分が見やすいよう調整(暗めに調整)することでバッテリー消費量を低く抑える=実際の動作時間をより延長させられる可能性は高くなる。

 実際に外出時含めて数日間活用した感覚としては、上記テストで「300分以上」連続使用できる性能があれば「数日の活動時間はまるごと充電なしで大丈夫」と判断できた。4時間台以下のモデルも「1日の活動時間ならおそらく大丈夫」だが、動画再生時などより多く電力を消費するシーンでは、バッテリー残量が目に見えて減っていることが分かる感じである。

photo ビジネスシーン向けのBizPad JT-H580VTはバッテリー着脱が可能

 ちなみに、パナソニック「BizPad JT-H580VT」は、防水/防じんのタフな法人向けモデルとして「バッテリー着脱」が可能な仕様、つまり、スペアバッテリーがあれば動作時間を2倍、3倍に延長させられる。また、今後の運用コスト(消耗品の交換など)も低く抑えられるメリットがある。業務シーンへのバッテリー関連の仕様は、実動作時間以外にこういったことも評価ポイントにしておきたい。

バッテリー動作時間のテストで使用したアプリ

Button PVSTAR+ PRO(Android版350円 2013年4月現在)
Button LoopTube HD(無料)
ButtonButton バッテリーHDプロ(Android版216円/iOS版170円 2013年4月現在)



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