液晶ディスプレイは15.6型ワイドで、1920×1080ドット(フルHD)表示に対応する。店頭モデルは1366×768ドットの標準解像度構成のみなのだが、より高い解像度を望むハイクラスユーザーにうれしいカスタマイズオプションだ。
高解像度のメリットは、やはり広大な作業領域が得られること。1366×768ドット表示の約1.97倍、1600×900ドット表示の1.44倍あるので、オフィスアプリケーションなどで複数のウインドウを同時に開いて作業する場合も1画面にまとめて表示でき、かつウインドウ切り替えや開閉の作業も最小限で済ませられる。クリエイティブ系ソフトウェアのパレットなどを配置して作業するにも都合がよい。
画素密度は約141ppiだ。2013年現在、タブレットやスマートフォンはもっと高い画素密度となるものも珍しくなくなったが、モバイルデバイスより画面との距離が比較的離れる大画面のノートPCは、このくらいの画素密度でもドットは目立たず、総じて品のよい表示で見える。もちろん1366×768ドット(約100ppi)表示と比べると差は歴然としており、とても精細だ。
液晶パネルの駆動方式について、本機は広視野角なIPSパネルでない点は若干惜しいが、TNパネルとしては左右の視野角が広めで、輝度も十分にある。基本的に正対してじっくり使うであろうマシンであるとするならば、見た目の印象はとても良好と思う。上下の視野角は比較的狭いのだが、ヒンジの角度は約180度まで(机にペタンと倒せるまで)開くので、こちらもユーザー操作で見やすい角度に調整すれば大丈夫だろう。なお、初期状態での色味はやや青が強く見える印象を受けた。
もう1つ、LaVie Lは「豪華AV仕様、“こだわりサウンド”なノートPC」でもある。音響機器メーカのヤマハと共同開発した高品位スピーカー「YAMAHAサウンドシステム」の搭載もセールスポイントの1つだ。キーボードの奥にあるステレオスピーカは、2ワット+2ワットのパワフルな仕様であり、さらにヤマハ独自の空気流ノイズを低減する新低音再生技術であるバスレフ構造「FR-Port」によりノートPCとは思えないほど豊かで引き締まった低音を実現する。
また、高低音補正、ステレオイメージ補正、ダイナミックレンジ補正などを行うソフトウェア音響補正技術「MaxxAudio」により、再生シーンに合わせた音場・サウンド感に調整する。ノイズや歪みを感じないクリアでナチュラルなサウンドで、パワフルな低音と繊細な表現を両立しており、音楽、映画などコンテンツの種類を問わず、よい音質で楽しめるのがとても心地よい。
キーボードは、キートップのみを表面に露出させたアイソレーションタイプのデザインを採用しており、15.6型サイズのため、もちろんテンキー付きだ。通常キーとテンキーの間は5ミリほどとあまり広く離れてはいないが、Enterキーは余裕のある大きさを確保しており、カーソルキーも一段下げて配置されているため、ミスタイプなく余裕をもって入力できるだろう。
キートップは透明コートを施した抗菌クリスタライズキーを採用し、抗菌とともにキー印字が削れて消えないよう保護する役割もある。キートップはフラット、打鍵感も良好で、おおむね打ちやすいキーボードといえる。全体的な強度もしっかり保たれており、強めにタイプしても全体がたわむことはない。キーボードの奥にはズーム操作(Internet Explorer 10などに対応)やアプリケーションの起動などに使えるワンタッチボタンも装備する。
キーボードの手前には大きめのタッチパッドを搭載する。つまみズームや回転、スクロールなどこれまであったジェスチャー機能に加えて、チャームの表示、アプリケーション切り替えなどWindows 8のスワイプ操作に対応した「エッジジェスチャー」機能も当然だがしっかり搭載している。
もう1つ、オプションの外付けワイヤレスマウス「ワイヤレスレーザーマウス(ぱっとマウス)」(プラス2100円)も使い勝手がよい。まず、普通はUSBポートに装着するワイヤレスレシーバーを、“あらかじめ本体に内蔵”した仕様としたのがうれしい。USBポートを占有せず、さらに本体からレシーバーが出っ張ることなくスマートに扱えるのがとても便利だ。ワイヤレス仕様は一般的な2.4GHz帯の無線方式であり、Bluetoothのようにペアリングの手間もかからない。さらに、ホイール操作でWindows 8のスタート画面の横スクロールができるほか、ホイールを左へ倒すとチャームバーの表示、右へ倒すと起動中アプリの表示ができるなど、Windows 8の操作に最適化されている。
こちら、据え置きで使うであろう本機にはぜひ追加しておいてほしいオプションなのだが、LaVie G タイプLには、“マウスなし”の選択肢もある。慣れた好みのマウスを使いたい人も多いだろうし、こういった選択肢もあるのがWebオリジナルモデルのうれしいポイントだ。
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