次に14型のVAIO Fit 14だが、基本的な仕様は15型のVAIO Fit 15に準じている。ただし、液晶ディスプレイの解像度が1600×900ドットに制限され、キーボードにテンキーがないことは大きな違いだ。
フットプリントは338(幅)×235.7(奥行き)ミリで、14型サイズのノートPCとしては一般的だろう。タッチパネル付きの14型ワイド液晶ディスプレイや光学ドライブを内蔵しながら、厚みは22.1ミリ、重量は2.2キロに抑えている。外出の際に持ち運ぶノートPCとしては重いが、室内でも移動して使うことが多い場合や、作業スペースに余裕がない場合は15.5型のVAIO Fit 15よりこちらのほうが取り回しやすく、使い勝手がよい。
大きさは違うが、ボディデザインのイメージはVAIO Fit 15と共通化されている。シャープな天板と丸みを帯びたベースボディの組み合わせによる絶妙なフォルム、金属の質感を強調したヘアライン加工、ダイヤモンドカットのVAIOロゴ、3つのカラバリ(ブラック、シルバー、ピンク)は14型でも健在だ。
もっとも、今回入手したVAIO Fit 14はブラックのモデルだけに、VAIO Fit 15のピンクとはイメージがかなり異なる。キーボードベゼルや底面の表面はサラッとした手触りのマットブラックで仕上げられており、より上質感、高級感が強調されている印象だ(表面の指紋はピンクのモデルより目立つ)。こちらは男性のユーザーが好みそうなカラーとなっている。
こちらも通信機能はIEEE802.11b/g/nの無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、Bluetooth 4.0+HS、NFCを標準装備。右側面に光学ドライブ、左側面に端子類をまとめている点もVAIO Fit 15と同じだ。インタフェースはUSB 2.0ポートが1省かれているが、それ以外は15.5型と変わらない。CPUID HWMoniotrで見たバッテリー容量は44.1ワットアワー、公称バッテリー駆動時間は約5.5時間だ。
液晶ディスプレイの表示解像度は1600×900ドットで、画素密度は約131ppiだ。VAIO Fit 15との画素密度の差はわずかだが、大画面なほうが自然と目との距離が離れるためか、ドットの見え方は意外に差がある。色味がやや青っぽい点は共通で、輝度や左右の視野角も15.5型に若干見劣るように感じる。
キーボードはテンキーを省いたぶんだけ剛性が高く、たわみはほとんど気にならない。キーのレイアウトキーピッチやタッチ感などは共通だ。
基本スペックも超低電圧版Ivy Bridge/Chief Riverプラットフォームを採用している。店頭向けの仕様は1モデルの展開で、CPUにCore i3-3227U(1.9GHz)、4Gバイトのメモリ、1TバイトのハイブリッドHDDといった構成になっている。ソニーストアで購入できる直販のVAIOオーナーメードモデルでは、CPUの変更や外付けGPUの追加、データストレージの変更などが柔軟に行なえる。
今回の評価機はそのVAIOオーナーメードモデルで、CPUをCore i7-3537U(2.0GHz/最大3.1GHz)、メモリを8Gバイトに強化している一方、データストレージには通常の1TバイトHDDを搭載している。
以上、VAIO Fitの特徴と基本仕様を一通りチェックした。近日公開予定のレビュー後編では、パフォーマンスやバッテリー駆動時間、動作時の騒音、ボディの発熱などを測定し、家庭向けノートPCとしての実力を明らかにしていく。
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