本機は、WiMAX+au 3G対応ハイブリッドルータ初号機「Wi-Fi WALKER DATA08W」(2011年12月発売)の後継という位置付けだ。ただ、WiMAX・3G接続時の最大通信速度、Wi-Fi機器の同時接続台数は変わらず、基本仕様はほぼ同等である。
1点優れるのがバッテリー容量である。DATA08Wの3.7ボルト/2200mAhに対し、本機は3.7ボルト/3000mAhと136%の容量になった。バッテリー大容量化にともない、連続通信時間もWiMAX接続時で約6.5時間、3G接続時で約6.8時間と、DATA08W比でそれぞれ約1.5時間ほど実動作時間が延長されている。
実利用時の一例として、WiMAX強電エリア環境でWi-Fi接続したAndroidスマートフォン+Radikoアプリで連続再生を実施したところ、本機は「約9時間30分」動作した。同条件でDATA08Wは約6時間15分だったので、約1.5倍のバッテリー動作時間が得られるようになったのはとても喜ばしい。
一方でWi-Fi WALKER WiMAXはバッテリーを本体に内蔵する(着脱不可の)仕様となったため、予備バッテリーとともに動作時間を延長する使い方はできなくなった。昨今はUSBバッテリーでの延長方法も汎用性があり手軽であり、毎日充放電を繰り返して使うほどのヘビーユーザーであればバッテリー寿命が尽きる前に機器ごと買い換えてしまうサイクルだと思うが、業務利用などで長期間利用する使い方の人は少し気を付けたい。
本体サイズは106(幅)×66(奥行き)×15.9(高さ)ミリ、重量は約150グラム。DATA08Wは109(幅)×60(奥行き)×17.7(高さ)ミリ、重量は約125グラムだったが、バッテリー容量が約1.5倍となりながら、サイズ感はほとんど同じである。ただ、かなり小型化/薄型化した2013年発売のWiMAXルータ他機種と比べるとかなり大きいので、導入を検討する人は若干覚悟してほしい。
Wi-Fi WALKER WiMAXはバッテリー大容量化にともない、充電周りの機能も刷新している。標準ACアダプタとして設定される「共通ACアダプタ03」のほか、au純正オプション「共通ACアダプタ04」もキャリア動作確認済みにて利用でき、本体充電時間を短縮できる効果がある。
共通ACアダプタ04は、4G LTE以降の機種に対応した5ボルトUSB出力対応の高出力型ACアダプタで、出力電流仕様をこれまでの共通ACアダプター03の1000mA(1A)から、1800mA(1.8A)に強化したもの。これを使用すると本機を約3時間(カタログ値)でフル充電できるようになるという。
実際にバッテリー残量ゼロからフル充電の時間を計ってみたところ、Wi-Fi WALKER WiMAX+共通ACアダプタ04は約2時間10分、Wi-Fi WALKER DATA08W+共通ACアダプタ03は約2時間50分と、バッテリー容量が多いにも関わらず40分ほど早くフル充電できた。機種ごとに急速充電できる条件が異なるので単純比較するものではないかもしれないが、参考値としてバッテリー容量をフル充電時間で割った値で換算すると、1.8倍ほど高速に充電できる感じだ。
ひとまず、auの4G LTE対応Android端末を所持し共通ACアダプタ04で充電しているユーザーは、高出力タイプのACアダプタを共用できるのがありがたい。共通ACアダプタ04は別売りだが(どうせならこれを本体に付属してくれればよいのに)、auショップや直販サイトなどで1575円で販売されている。より早く充電を済ませたい人はこの純正オプションも一緒に導入してはいかがだろう。
(後編に続く)
後編では、ライバル機種とも比べた実通信速度チェック、さらに月額利用料金の考察を行う予定です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.