“初物”づくしの最新ゲーミングノートPC「NEXTGEAR-NOTE i980BA1」を駆る第4世代Core+GTX 780M(2/2 ページ)

» 2013年06月05日 00時00分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]
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快適にゲームが楽しめるノートPCを現実的な価格で

 NEXTGEAR-NOTE i980BA1のスペックを再掲すると、CPUにCore i7-4700MQ(2.4GHz/最大3.4GHz)を採用し、8Gバイトメモリ、500GバイトHDD、DVDスーパーマルチ、そして外部GPUにGeForce GTX 780M(4Gバイト)という構成だ。ベースとなる“ブロンズ”モデルのため、最高クラスのゲーミングPCに比べると全体的にスペックは低めだが、グラフィックス機能は最新かつ最高峰のものが採用されている。

評価機にはCrucial製256GバイトSSD「m4-CT256M4SSD3」が搭載されていたが、NEXTGEAR-NOTE i980BA1の構成ではないので注意

 GeForce GTX 780Mは、28ナノプロセスルールを採用するKepler世代の製品で、CUDAコアが1536基に増え、NVIDIAの資料によるとGTX 680Mに比べて各種ゲームのパフォーマンスが31%ほど向上したという。また、GPU Boost 2.0をサポートし、状況に応じて定格クロックを超えるクロックで動作するのも特徴だ。なお、アプリケーションに応じてCPU内蔵のIntel HD Graphics 4600に切り替えるNVIDIA Optimusは従来を引き継ぐ。

 ちなみに、今回試用した評価機は、NEXTGEAR-NOTE i980BA1をベースにmSATA接続のSSD(Crucial製m4-CT256M4SSD3)を実装した特殊な構成だった(このSSDは現在BTOメニューにはない)。このため、ストレージ性能が大きく影響するベンチマークテストの結果は、システムドライブ用にSSDを追加した2万円ほど高い構成に近いと思われる。ただ、6Gbps対応とはいえmSATA接続のm4-CT256M4SSD3は、BTOメニューに並ぶほかの2.5型SSDに比べてライト速度が低い傾向にあるので、その辺りは差し引いて考えてほしい。

Windows 8のエクスペリエンスインデックスの画面。CPUが7.9、メモリが7.9、グラフィックスがともに7.1、プライマリハードディスクが8.1という結果だ。ベースの“ブロンズ”モデルでもWindows 8を快適に操作できる性能を備えているのが分かる(画面=左)。CrystalDiskMarkの結果。シーケンシャルリードで500Mバイト/秒を超えたが、ライト速度はやや遅い(画面=右)

GPU-Zの画面。Optimusに対応し、使用アプリケーションに応じて内蔵GPUと外部GPUが自動的に切り替わる。なお、画面に表示されているコアクロックは定格(823MHz)よりも低い

 それではベンチマークテストの結果を見ていこう。実施したのはPCの総合パフォーマンスを計測するPCMark 7と、グラフィックス性能を測る3DMark 11、3DMark Vantageおよび3DMarkだ。グラフィックス系のテストは、内蔵GPU(Intel HD Graphics 4600)でも実行したほか、一部のテストは比較対象としてCore i7-3920XM Extreme Edition(3GHz/最大3.9GHz)とGeForce GTX 680Mを搭載する「NEXTGEAR-NOTE i970PA4-SP」、およびCore i7-3632QM(2.2GHz/最大3.2GHz)とGeFroce GT 740Mを搭載する「LB-T520X-SH」も並べている。ただし、測定環境が統一されていないので参考程度に見てほしい。

 PCMark 7の結果は、総合スコアで5654と比較的高いスコアでまとまっている。評価機は、本来の構成にないSSDを採用していることもあって、エントリークラスのデスクトップPCなら軽く超える結果だ。一方、3DMark Vantageの結果を見ると、GeForce GTX 780Mが飛び抜けて高いのは当然として、内蔵グラフィックスのHD Graphics 4600がかなり健闘しているのが目立つ。3DMarkも同様の傾向だ(とはいえまだGeForce GT 740Mに部がある印象)。ただ、今回のCore i7-4700MQに内蔵されるIntel HD Graphics 4600は下位グレードのGT2なので、上位の内蔵GPUとの比較になれば、エントリークラスのモバイルGPUが存在意義を問われる状況になりつつあるのかもしれない。

 3DMark 11の結果を見ると、Extreme EditionのCPUを搭載するNEXTGEAR-NOTE i970PA4-SPがPhysicsの項目で優位に立っているものの、それ以外のスコアではGeForce GTX 780Mを搭載するNEXTGEAR-NOTE i980BA1がトップに立ち、GeForce GTX 680Mとの差を見せつけた。できるだけ高性能なゲーミングノートPCが欲しいのなら、今後はGeForce GTX 780Mを搭載するモデルがベースになるだろう。

PCMark 7の結果。ただし評価機はmSATA接続のSSDを追加した特殊な構成であることに注意(画面=左)。3DMark Vantageの結果(画面=右)

3DMark(Ice Storm)

3DMark(Cloud Gate)

3DMark(Fire Strike)

3DMark11(Entry/Performance/Extreme)

 CPU、GPUともに最新世代へ移行したG-Tuneのフラッグシップノート「NEXTGEAR-NOTE i980」は、最も安価なブロンズモデルの「NEXTGEAR-NOTE i980BA1」でも21万9870円とやや値が張るものの、最高クラスのグラフィックス性能と17.3型ワイドの大画面液晶ディスプレイは大きな魅力だ。

 NEXTGEAR-NOTE i980BA1はストレージが唯一の弱点だが、内部パーツには底面から簡単にアクセスでき、さらにmSATAスロットだけでなく、2つの2.5型SSD/HDDを内蔵できるツインドライブ仕様になっているので、将来的なストレージの換装、増設も楽に行える。メインで使うデスクトップPCの代替機として、仕事からゲームまで幅広い用途に対応できるハイエンドノートPCを探しているのなら、本機は有力な候補になるはずだ。


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