今回はA10-6800Kの性能を対A10-5800Kと比較する。A10-6800K側にはDDR3-2133メモリを、A10-5800K側にはDDR3-1866メモリを用意し、そのほかについては共通としている。ベンチマークソフトは、Haswell検証時から変えていない。ただし、時間の制約のため、統合GPUのみのシステムとグラフィックス性能を検証し、外部GPUを使った検証やDual Graphicsの検証は見送った。
モデル名 | A10-6800K | A10-5800K |
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定格クロック | 4.1 | 3.9 |
メモリ | Patriot Memory Viper 3 Series Black Mamba PV316G213C1K(DDR3-2133:8GB×2として使用) | CFD Elixer W3U1600HQ-8G(DDR3-1866:8GB×2として使用) |
マザーボード | GIGABYTE GA-F2A85X-UP4 | |
チップセット | AMD A85X | |
GPU | Radeon HD 8670D | Radeon HD 7660D |
ストレージ | OCZ Vector(Serial ATA 3.0、128GB) | |
OS | Windows 8 Pro 64bit | |
電源 | Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000W) | |
PCMark05、PCMark Vantage、PCMark 7では、HDDテストを除く全項目で、A10-6800KがA10-5800Kのスコアを上回った。PCMark VantageのGamingで大きな差が付いているが、これはData decompressionテストで両者に500ポイントの大差があったため。しかしアーキテクチャ的に大差がつく理由がなく、なんらかのソフトウェアトラブルによるものと考えられる。この点を除けば、ほかはクロックアップ相応のスコア差と言える。
次にSandra 2013.SP3aでCPU、メモリ関連の性能向上を確認してみよう。まずプロセッサの性能とマルチメディア処理は、すべての項目でA10-5800Kを上回った。その向上率はおよそ110%前後で比較的そろった数値を見せている。
以下、暗号処理、.NET演算、.NETマルチメディア演算も若干バタバタする面を見せつつもおおむね110%の向上が見られる。アーキテクチャはPiledriverで変わらないため、クロック(とメモリ帯域幅)の引き上げによる性能向上が主な要因といった印象だ。
メモリー帯域のテストは当然ながら向上を示した。ただし、DDR3-2133対-1866は、14.4Gバイト/秒対14Gバイト/秒といったところで、大きな差ではない。ただ、わずかとはいえ帯域が拡大すれば、そのぶん統合GPUでのグラフィックスメモリなどでは効果が表れるはずだ。
続いてメモリーのレイテンシを見てみると、内部データのキャッシュと、L2部データのキャッシュの項目に関してはほぼ同等という結果で、メインメモリのみ高速化したことが確認できる。キャッシュとメモリーで帯域を確認してみると、全面的に108%程度の向上といったところだ。
CINEBENCH R11.5は実に素直にCPU性能の差が表れた。Single CPUでの差は0.05ポイント。これがMulti CPUになると0.05ポイント×4コアで0.2ポイントとなった。一方でOpenGLの値は大幅に向上している。
Media Espressoでは、ソフトウェアエンコードの場合、手持ちのファイルを変換して約50秒の短縮が示された。また、ハードウェアエンコードの場合も確実に効果が表れている。前回、Haswell検証時の時間と比較してみれば明確だが、APU自体そもそもトランスコードに結構時間がかかる。そのために50秒という比較的大きな差として表れたわけだ。ただしその一方で、APU間でのアップグレードとして考えると、トランスコードでの時間短縮効果は大きい。
CLBenchmarkでもすべての項目で向上が見られたが、こちらの向上幅109%となった。CPU性能の向上×GPU性能の向上といった具合に素直にスコアが向上するというものでもないようだ。
3DMarkも、すべての項目でA10-5800Kを上回った。向上率はおおむね110%前後。次ページ移行のゲームテストでも同様に1割弱の向上が見られている。
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