キーボードは標準的な6列仕様のアイソレーションデザインを採用。キーピッチは約19(横)×18(縦)ミリと縦方向がわずかに短いが、入力ミスを誘うほどの違和感はない。ボディの薄さを追求したため、キーストロークが約1ミリと浅いのは仕方ないところだ。
もっとも、主要なキーのキートップは約14.5(横)×14.5(縦)ミリ、最上段のキーは約13(横)×9(縦)ミリ、カーソルキーは約14.5(横)×10.5(縦)ミリと十分な大きさを確保している。また、変則的なキーピッチのキーは見当たらず、カーソルキーを少し下げて配置するなど、全体的なキーレイアウトが自然なので、総じて入力しやすい。パームレストの長さもカーソルキーまでが約87ミリ、その他のキーまでが約96ミリと広く、ゆったりと扱える。ただし、試作機では強めに入力した際、キーボードが少したわむのが感じられた。
FMV独自の工夫も健在だ。キートップの側面を別の色で着色して視認性を高めつつ、デザインにもこだわった「サイドカラードキー」、指がフィットするようにキートップ中央をわずかにくぼませた「球面シリンドリカル」を引き続き採用する。
今回入手したスパークリングブラックの試作機は、キーボードのカラーがブラック、サイドカラーがホワイトとなっており、遠目にはキーボードバックライトが光っているように浮き上がって見える。ただし、実際にキーボードバックライトが内蔵されているわけではないので、暗所でキー刻印を光らせることはできない。
タッチパッドは左右のボタンを一体化しており、サイズは約110(横)×71(縦)ミリと大きい。表面は指の滑りがよく、複数の指を置いてのマルチタッチ操作も快適だ。しかし、ディスプレイの文字サイズ拡大率を変更した場合、ポインタの移動速度も調整しないと、小さなアイコンをうまく選択できないなど、操作しづらいこともあるだろう。
新開発のボディは、底面を含めて360度見た目にこだわった「オムニデザイン」を採用している。
今回試用したスパークリングブラックのボディは、マグネシウム合金の天面と底面に細かいラメを入れつつも、光沢は抑えた黒だ。天板は左上の端が欠けたような外観になっているが、これはFMVのフラッグシップモデルを示す新しいデザインという。オムニデザインをうたうだけあって、底面に余計な凹凸やネジ穴はなく、見栄えがよい。天面と底面はサラッとした手触りでなかなかの質感だが、表面が黒いため、やや指紋が目立つ。
シルバーのパームレスト面はアルミニウムを採用しており、ヘアライン加工で金属の質感を際立たせている。さらに、ボタンやキーボードの外周にはダイヤモンドカット加工を施し、前面の左右に配置されたステレオスピーカー部に微細な穴を開けるなど、一見シンプルながら細部に至るまで配慮したデザインだ。
薄型ボディは剛性の確保にも注力している。天面と底面にマグネシウム合金、パームレスト面にアルミニウムを採用したほか、側面の継ぎ目をなくし、パームレスト面と底面をボックス型に重ね合わせて、ねじれやたわみに強い構造とした。また、電子部品の凹凸に合わせて底面の厚みを削り出すことで、最薄部で統一する場合と比較してボディの強度を高めている。
これらの技術によって、強固な1枚板をイメージした「超圧縮ソリッドコア構造」を実現。天板全面加圧試験で約200kgfをクリアする堅牢性を確保した。実際に触ってみても薄型ながら貧弱な印象はまったくない。片手でパームレストを握って持ち上げても、ボディのたわみが気になることはなかった。
本体サイズは329.9(幅)×229.9(奥行き)×9.2〜15.5(高さ)ミリ、重量は約1.39キロだ。実測での重量は1.352キロと公称値よりわずかに軽かった。モバイルを想定したUltrabookとしては大きな14型ワイド液晶を搭載しながら、狭額縁設計とすることで、フットプリントを13.3型ノートPCに近いサイズまで小型化している。
また、UH75/Kにはないタッチパネル付きの高解像度ディスプレイを搭載したうえ、HDD搭載ノートPCとしては世界最薄(2013年5月10日現在、同社調べ)をうたう15.5ミリ厚のボディに仕上げている。UH75/Kからスペックアップを果たしつつ、より薄く、より軽く仕上げているのは見事だ。これには従来より実装面積が小さくて済む第4世代Core(Uシリーズ)の恩恵もあるのだろう。
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