基本システムには、第4世代Coreを中心としたインテルの新世代プラットフォームを採用。Ultrabook/薄型ノートPC向けとされる低消費電力のUシリーズを搭載している。
第4世代Coreは新命令のAVX2(Advanced Vector Extensions 2)をサポートするとともに、それに合わせて内部構造を改良し、浮動小数点演算のピーク性能を2倍に向上させた。もっとも、これはAVX2を前提にした数字で、AVX2対応ソフトウェア以外では性能面のメリットはさほど大きくない。
Uシリーズの大きなメリットは省スペース性と省電力性能にある。CPUパッケージに、CPUのダイとチップセットのダイを実装するため、システムの省スペース化が容易になっているのだ。さらに、C8〜C10というCPUの新たなアイドルステート、およびS0ix(S0i1/S0i3)というチップセットを含めたシステムレベルのアイドルステートをサポートしており、大幅な省電力化が可能となった。
もっとも、これらの機能による省電力効果はLTR(Latency Tolerance Report)と呼ばれる割り込みを最適化するための仕組みや、LPM(Link Power Management)といったデバイス側の省電力対応など、メーカー側の作り込みに左右される部分も多く、メーカーの設計能力が問われることになる。
店頭モデルの基本スペックは、VAIO Pro 11とVAIO Pro 13で変わらない。CPUはCore i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)を採用している。TDP(熱設計電力)が15ワットのデュアルコアCPUでHyper-Threadingにより4スレッドの同時実行が可能だ。Turbo Boost 2.0に対応し、高負荷時には動作クロックが最大2.6GHzまで上昇する。
グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 4400を利用する。GT1/GT2/GT3に大別される第4世代Coreの内蔵グラフィックスのうち、GT2グレードに該当するものだ。実行ユニット(Execution Unit)数は20基で、上位グラフィックスの「Iris」ブランド(GT3)が持つ40基の半分となるが、第3世代Core内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 4000(16基)より増えている。DirectX 11.1に対応し、最大動作クロックは1.0GHzだ。
メモリはDDR3L-1600を用いており、4Gバイトをオンボードで実装している。薄型軽量のモバイルノートながら、デュアルチャンネルアクセスが可能だ。データストレージは128GバイトのSerial ATA 6Gbps対応SSDを搭載している。今回入手した評価機は「TOSHIBA THNSNH128G8NT」を採用していた。
液晶ディスプレイはどちらもIPS方式で1920×1080ドット(フルHD)表示に対応。独自のカラーフィルターで色域を広げた「トリルミナスディスプレイ for mobile」を採用しており、発色がよい。バックライトの光を正面に集中させる設計で省電力に配慮した「集光バックライト」、超解像技術の「X-Reality for mobile」、用途別の「色モード」設定(あざやか、ナチュラル、テキスト)などの機能も盛り込んだ。
ボディにはステレオスピーカーとデュアルマイクを内蔵し、CLEAR PHASE、xLOUD、S-FORCE Front Surround 3D、ClearAudio+モードといった音響効果に対応する。
通信機能は、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0+HS、NFCを標準装備する。NFCはタッチパッドの下に埋め込まれており、タッチパッドに対応製品をかざして使うユニークな仕様だ。一方、WiMAXやLTEのオプションは用意されていない。
本体装備の端子類は、SDXC対応SDメモリーカードスロット、HDMI出力、2ポートのUSB 3.0(1基はUSB給電に対応)、ヘッドフォン出力(ヘッドセット対応)がある。液晶ディスプレイ上部には、高感度撮影に強い"Exmor R for PC" CMOSセンサーを採用したHD Webカメラ(有効92万画素)も装備している。
OSは64ビット版Windows 8をプリインストール。オフィススイートとしてMicrosoft Office Home and Business 2013も導入している。その他の付属ソフトウェアは、おなじみのVAIO独自アプリを中心としたラインアップだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.