VAIO Pro 11(タッチパネル搭載とタッチパネル非搭載の2台)と、VAIO Pro 13(タッチパネル搭載)の液晶ディスプレイをエックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Pro」で計測してみた(ソフトウェアは「i1Profiler」を使用)。参考までに、VAIO Tシリーズ11、VAIO Tシリーズ13、VAIO Z(1920×1080ドット液晶)でも計測し、結果を比較する。
計測結果からガンマ補正カーブを抜き出したのが以下の画像だ。
これは映像信号の入力と出力の関係を示し、0(白)〜255(黒)までR(赤)、G(緑)、B(青)の線が重なってリニアな直線を描いていれば、グレーバランスが正確で、階調の再現性が優れていることを意味する。RGBの各線がバラバラだと、余計な色がかぶったり、きれいなグラデーションが描けない。
ガンマ補正カーブの結果から、階調再現性が優秀といえるのはVAIO Pro 11とVAIO Pro 13だ。画面サイズ、タッチパネルの有無で傾向はほとんど変わらず、どれもRGBの各線がほぼ重なってきれいな直線を描いており、明部から暗部までクセのない自然な表示となっている。
VAIO Tシリーズ11/13はどちらもRGBの各線が乱れ、特に青のラインが下に大きく外れてしまった。これはi1Proにより、青の入力に対して出力が強いのを抑える補正がなされていることを意味する(つまり見た目には青っぽい表示になる)。VAIO Zについては、RGBの各線がほとんど重なっているものの、中間調から明部にかけてガンマカーブがくねくねと曲がっており、VAIO Pro 11/13のように自然な階調になっていない。
次にi1Proで作成したICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示し、それぞれの色域を比べてみた。結果は以下の通りで、グラフ内で色がついた面積が広いほど、表示できる色の範囲が広いことを意味する。
VAIO Pro 11/13の傾向はほぼ同じで、いずれもsRGBの色域をほぼカバーしている。WindowsやWebコンテンツで業界標準となっているsRGBに近い発色なので、写真や動画の閲覧や編集といった用途にも使いやすいだろう。
VAIO Tシリーズ11/13はsRGBに比べてかなり狭く、デジカメで撮影したsRGBプロファイルの画像表示や高彩度の色を表現するには少し力不足だ。VAIO ZはsRGBを大きく超えるAdobe RGBまでほぼカバーする広色域が目を引くが、これまで述べてきた通り、クセの強い表示となっている。
薄型軽量を重視したボディだが、VAIO Pro 11/13ともにステレオスピーカーとデュアルマイクはしっかり内蔵している。特にVAIO Pro 13は、Ultrabookとしてはボックススピーカーの容量を大きめに確保し、かなり大きな音量で迫力あるサウンドが味わえる。
ボディの外観からはスピーカーの存在を感じさせないが、本体後部の液晶ディスプレイヒンジ周辺にスピーカー出力と吸気のための穴が開いているのに注目だ。VAIO Pro 13はこのすぐ奥にスピーカーがあるため、耳を近づけると音が鳴っているのが分かる。
一方のVAIO Pro 11は、スピーカーの位置がこの開口部近くではなく、本体の左右側面に内蔵されているため、キーボードの左右辺りから音が聞こえる。スピーカーのサイズがVAIO Pro 13より小さく、開口部もないので、VAIO Pro 13より音量は小さめだが、11型クラスの超軽量Ultrabookとしては満足できる品質だろう。
音響効果については、デジタルアンプにより音質劣化を抑えて内蔵スピーカーで原音を忠実に再現する「CLEAR PHASE」、内蔵スピーカーで仮想的にサラウンド空間を再現する「S-FORCE Front Surround 3D」、ゆがみなく内蔵スピーカーの音量を高める「xLOUD」を搭載。簡単にソニーおすすめの音質に設定できる「Clear Audio+」モードも用意されており、音楽、映画それぞれに最適な音質を楽しめる。
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