メカニズムは? サポートは? ホントにThinkPadなの?──「ThinkPad Helix」の気になるところを聞いてきた(後編)「ThinkPad Helix」開発チームインタビュー(2/3 ページ)

» 2013年07月05日 11時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

Helixはシリーズ化する?  X1 Carbon用チップ利用でDCアダプタは使用可能

photo 角形のDC入力端子を採用。この端子は、最近のレノボ製PCおよびNECパーソナルコンピュータ製PC(LaVie Z、LaVie X)などで採用例が増えている

ITmedia ThinkPadシリーズは、各シリーズでオプションパーツを共用できることも魅力の1つです。今回、ThinkPad Helix向けとして登場したオプションパーツは今後の製品でも利用できる可能性はありますか。そして、ThinkPad Helixはシリーズとして今後もリリースし続ける製品なのでしょうか。

Think Client Brand Managerの土居憲太郎氏(以下、土居氏) 将来の製品についてはお答えできませんが、例えば、ACアダプタに関しては2012年より四角い形状の新しいプラグに変更しました。こちらは今後も継続して採用していく計画です。一方、ThinkPad Helixのキーボードドックが次世代モデルで使えるか──は基本的に決まっていないので答えられません。一般的に、新世代のCPUとなるとボディデザインも変わってくるものと考えられます。

ITmedia 四角いDC入力端子はThinkPad X1 Carbonより採用され始めているものですね。こちらはX1 Carbonシリーズの周辺機器と互換性はあるのでしょうか。

中条氏 形状として、つまり接続するものとして必要最低限の安全確認は全て行っています。ただし、ご存じのとおり安全性をともなうものなので、基本的に付属品および純正周辺機器以外のサポートはできません。形状は互換性がありますが出力が異なります。ただし、動作自体に問題のあるものではありません。

ITmedia 今回、ThinkPad Helix純正アクセサリにDCアダプタが含まれていませんでした。こちら、今後発売される予定はありますか。自動車や航空機で利用するニーズも多いと思います。

土居氏 ThinkPad X1 Carbonで「Lenovo 90W ウルトラスリム AC/DC コンボ・アダプター」を利用していただくための「Lenovo スリム・パワー・チップ」を用意しています。個別に購入していただく必要がありますが、先ほどのACアダプタの質問で述べたとおり、これを利用すること自体に問題はありません。

ITmedia 北米モデルにはワイヤレスWANモジュール内蔵モデルがあり、本体底面にもスロットは設けられています。国内向けとして、ワイヤレスWAN(LTE/3G)搭載モデルを追加される予定はありますか。法人ニーズとなればモバイルデータ通信機能のニーズも比較的増えると思いますし、最近、LTEモジュールを内蔵した「ThinkPad Tablet 2 for DOCOMO Xi」を投入した例もありますし。

土居氏 現時点(取材時2013年6月時点)、計画はしていません。ThinkPad HelixはノートPCスタイルとタブレットスタイルのどちらも利用できる特長がありますが、どちらかというとノートPCスタイルを主体に使用するととらえています。モバイルデータ通信においては、別途ポータブルルータを用意していただくか、あるいは日本の市街地は海外とくらべても公衆無線LANスポットも普及していますので、これらでカバーしていただくことを想定しています。

バッテリーやSSD、内蔵パーツの故障・劣化は修理対応にて

photo ThinkPad Helixの内部。内蔵するバッテリーがかなりのスペースを占め、基板や冷却ファンは非常に小型となっている

ITmedia 最近のUltrabook全般にも当てはまりますが、本体薄型化のため、バッテリーを内蔵(着脱できない)とする仕様のモデルが増えています。ThinkPad Helixもそうですが、バッテリーのような消耗部品の交換はどのように行えばよいでしょう。

土居氏 ThinkPad Helixは、ThinkPad T、W、一部Xシリーズのようにバッテリーを着脱できる仕様ではありませんので、長期利用にて性能が落ちてしまったバッテリーは交換修理にて承ります。こちらはThinkPad X1 Carbonも同様ですね。SSDも寿命のあるパーツですが、こちらも同様に修理扱いになります。


photo Helixのメイン基板。左下はメモリ、右下のカードがSSDモジュール。右上は無線LANモジュール

中条氏 ThinkPad HelixもThinkPad X1 Carbonも、薄型化を追求したシリーズのため、バッテリーは内蔵仕様としました。着脱できる仕様にすると、落下時など万一時での安全性をよりしっかり確保するために厚さや重量がやや犠牲になります。内蔵することで、薄型化とその状態での安全性を確保することができています。

土居氏 ThinkPad Helixに関しては、CRU(Customer Replaceable Unit:ユーザーによる交換可能部品、およびそのサービス)が存在しないため、ユーザー側で交換できるパーツはございません。

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