「VAIO Duo 13」徹底検証(中編)――新スライダーPCの画質、音質、ペン入力、キーボード、タッチパッドはいかに進化したか紙のノートを卒業できる?(5/5 ページ)

» 2013年07月05日 08時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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キーボードはVAIO Duo 11から大型化

6段配列のアイソレーションキーボードを採用。縦方向のキーピッチは狭いが、横方向は約19ミリを確保した

 キーボードはVAIOおなじみのアイソレーションデザインだ。スタンダードな6段配列を採用し、公称のキーピッチは約19ミリを確保している。キーは縦方向がやや狭く、キーピッチを実測すると、約19(横)×16.5(縦)ミリだった。完全なフルサイズではなく、カーソルキーの周辺も多少窮屈ではあるが、全体のキーレイアウトは自然でなじみやすい。

 ちなみにVAIO Duo 11のキーボードは、実測でのキーピッチが約18(横)×15.5(縦)ミリだった。画面サイズの大型化に伴い、キーボードも広く使えるようになっている。

 公称のキーストロークは約1.1ミリで、VAIO Duo 11とほとんど同じだ。薄型ボディながら約1.4ミリのキーストロークを確保しているVAIO Pro 11/13に比べると、クリック感が乏しく、少々頼りない印象も受けるが、軽い力でタイプすることに慣れているならば、こちらのほうが好みと感じるかもしれない。

 キースイッチの感触自体は良質なもので、軽い力でスッとスイッチが入り、ゆっくり戻ってくる。キーボード直下の構造もしっかりしていて、強めにタイプしてもほとんどたわむような感触がなかった。この部分はVAIO Pro 11/13に勝る。周囲が暗いときに自動で点灯するキーボードバックライトも装備しており、ACアダプタ接続時とバッテリー駆動時でそれぞれ点灯の仕方を指定できるのも便利だ。

 ディスプレイ部がスライドしながら立ち上がる「Surf Slider」デザインにより、ボディの奥行き1/3ほどが変形機構に占有されていることを考えると、このサイズのキーボードは健闘しているといえる。

キーストロークは約1.1ミリと浅いぶん、軽い力で楽に入力できる(写真=左)。キーボードバックライトも内蔵している(写真=中央)。キーボードバックライトの設定は、ACアダプタ接続時とバッテリー駆動時でそれぞれ設定可能だ(画像=右)

VAIO Duo 11にはなかったタッチパッドも搭載

狭いスペースに、なんとか小型のタッチパッドを搭載した。奥行きは短いが、横幅はしっかり確保している。FnキーとF1キーの同時押しで、タッチパッドをオフにすることも可能だ

 キーボードの手前には、VAIO Duo 11にはなかったタッチパッドを搭載した。これは液晶ディスプレイにタッチパネルがあっても、キーボードモードではタッチパッドが欲しいという要望が多く寄せられたためという。

 これに伴い、VAIO Duo 11が装備していた光学式の小型ポインティングデバイス「Optical TrackPad」は省かれているが、VAIO Duo 13のタッチパッドのほうが操作しやすいので問題ない。

 実測で約80(横)×25(縦)ミリと、小型で横長のタッチパッドながら、指の滑りは良好だ。ボタンを一体化したデザインで、左下と右下がそれぞれ沈んで左右のクリックとなる。タッチパッドの奥行きが短いので、慣れないうちはクリック操作が少しやりにくいかもしれないが、スイッチの感触はよい。

 タッチパッドには、シナプティクスのドライバが導入されている。つまみズームや回転、2本指での上下/左右スクロールなどが可能だ。チャームやアプリメニューの表示、アプリの切り替えなど、Windows 8固有の操作にも対応する。タッチパッドの各種設定は「VAIOの設定」にまとまっており、ジェスチャー機能はムービーで確認できる。

「VAIOの設定」の「入力デバイス」メニューでは、タッチパッドのオン/オフ、タッチパッドの使い方を解説するムービーの再生、キーボードバックライトの設定が可能(画像=左)。タッチパッドは2本指での上下/左右スクロールなどマルチタッチジェスチャー機能に加えて、チャームやアプリメニューの表示、アプリ切り替えといったWindows 8固有の操作にも対応する(画像=中央)。タッチパッドのドライバはシナプティクス製だ(画像=右)
タッチパッドの操作方法は、ムービーで確認できる。これを見れば、初めてWindows 8やクリックボタン一体型タッチパッドに触れる方も迷わず使えるだろう

VAIO Duo 13(左)とVAIO Duo 11(右)を並べてみると、キーボードのサイズがかなり違うことが分かる。VAIO Duo 13はキーボードを大型化しつつ、パームレストも短いながら確保し、小型のタッチパッドまで搭載した


 以上、VAIO Duo 13の液晶ディスプレイ、サウンド機能、タッチパネル、ペン入力、キーボード、タッチパッドを順にチェックした。どこを取ってもソニーのこだわりが凝縮されており、さすがはフラッグシップモデルと再認識させられる。

 レビュー後編では、25ワットのTDP(熱設計電力)対応によるパフォーマンスの伸びや、Ultrabookで世界最長をうたうバッテリー駆動時間(2013年6月10日時点、ソニー調べ)を実際のテストで確かめていこう。

・→これぞモバイルPCの最先端:「VAIO Duo 13」徹底検証(後編)――cTDPによる格上のパフォーマンス、驚異的なスタミナ、発熱、騒音をじっくりテストする

←・ポスト“Z”時代の最上VAIOノート:「VAIO Duo 13」徹底検証(前編)――Ultrabook“世界最長”スタミナ、Haswell“世界初対応”Connected StandbyでPCの限界突破へ

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