うねうね動く“変態”ディスプレイに驚きと興奮――「Aspire R7-571-N58G」を試すこれがコンバーチブルノートの新しいカタチ?(2/3 ページ)

» 2013年07月22日 16時30分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]
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コンバーチブル型端末に最も適した変形機構

photo キーボード奥とディスプレイ背面中央の2カ所にヒンジを備える

 液晶ディスプレイの背面にあるイーゼルヒンジは、キーボード奥とディスプレイ背面中央の2カ所にヒンジを設ける仕組みだ。ディスプレイの可動域が大きく広がり、通常の“ノートブックモード”から、ディスプレイを手前に引き出す“Ezelモード”、画面を上向きにしたまま閉じ、スレートタイプのタブレットとして使う“パッドモード”、ディスプレイを反対側に向ける“ディスプレイモード”と4種類の使い方が可能となる。

 大画面のPCは相対的に画面までの距離が遠くなるので、タッチパネルを内蔵していたとしてもタッチ操作しにくいことがある。そこで本機は、タッチ操作をしやすいようにディスプレイを手前に引き出す仕組みを導入した。

 通常はキーボードの手前にあるタッチパッドをキーボードの奥に配置しており、ディスプレイを手前に引き出すとタッチパッドが隠れる。「画面をタッチする時はタッチパッドを使わない」と割り切った仕様であり、“タッチ+キーボード”の利用形態を同社は訴求している。デスクトップモードでの使用感はともかく(その場合はマウスを使うのがよさそうだが)、Windows 8 UIとは相性がいい形態だ。

 パッド(タブレット)モードにしたときは、ディスプレイに4度のわずかな角度が付く。15.6型くらいディスプレイが大きくなると、画面に触れる際、手前側(画面下部)と奧側(画面上部)で腕を伸ばす距離に意外と差が出る。画面がわずかに傾いていることで、奥側でも手を伸ばす距離がやや縮まり、タッチ操作がしやすくなる。パッドモードでは付属のスタイラスペンを使った操作も快適だ(筆圧検知には対応しない)。

photophotophotophoto ノートブックモード、Ezelモード、パッドモード、ディスプレイモード(左から)の側面。ノートブックモードでは液晶は約130度まで開く
photophotophoto 左からEzelモード、パッドモード、ディスプレイモード(筆者撮影)。ディスプレイ側に重力センサーがあるため、ディスプレイを反対側に向けるディスプレイモードでは自動的に表示が回転する

 液晶ディスプレイ部が重いため、変形にはやや力がいるが、4つのモードへの変形自体はスムーズに行える。何よりディスプレイをさまざまな角度や位置で固定できるのは便利だ。あえて表現するならば、ソニーの「VAIO Duo」シリーズで採用するスライド機構と、ディスプレイが回転するデルの「XPS 12」を組み合わせたような動きを実現している。

ノートブックモードからパッドモードへ変形する
ディスプレイ反対側に向け、ディスプレイモードに変形する

 ヒンジ部分の強度を考慮すると(ディスプレイ回転時にディスプレイの重量を支える強度が必要)、厚く重くなるため、薄型軽量のモバイルノートでは採用しにくいかもしれないが、インテルが提唱する2-in-1デバイス(コンバーチブル型端末)にとても適した機構だと感じた。

photophoto スタートメニュー(写真=左)に、イーゼルヒンジの使い方を解説するアプリケーション(写真=右)を用意する

“変則”配置のタッチパッドは使いやすい?

photo キーボードは6段配列のアイソレーションタイプを採用する。キーボードとタッチパッドの位置が上下逆になった珍しい配置だ。一部のキーがつながっているほか、「Home」「PageUp」「PageDown」「End」などが、Enterキーの右にあるところは気になる点

 本機はディスプレイを手前に引き出す“Ezelモード”でキーボードが使えるように、タッチパッドをキーボードの奥に配置している。一見使いづらそうな配置ではあるが、タッチパッドはキーボードのホームポジションから手を離して操作することがほとんどなので、それほど面倒とは思わなかった。タイピング中に手のひらがタッチパッドに触れて誤操作する心配もなくなる(多くの製品はパームチェックによって誤操作を防いでいるが)。

 タッチパッドのサイズは108(横)×78(縦)ミリと広く、ジェスチャー操作をしやすい。2本指での上下/左右スクロール、2本指の開閉による拡大/縮小、回転機能、3本指スワイプによるページ送りなどの操作が利用可能だ。

 キーボードは6段配列のアイソレーションタイプを採用し、キーボードバックライトも搭載する。主要キーのキーピッチは、19ミリの正方ピッチを確保する一方で、BackspaceやEnter、Shiftといった右端のキーについては、左のキーとの間にスペースがないほか、スペースキーと無変換/変換キーの3キーもつながっている。また、カーソルキーも縦のサイズが約9ミリと小さく、カーソルキーをよく利用するユーザーにとっては気になるかもしれない。

 キーストロークは約1.5ミリと浅めだが、適度な反発力と確かな押下感があり、心地よくキーを打てる。キーの手前にパームレストがないため、ひざに置いてタイピングするには向かないところは注意したい。机に置く場合も、手のひらを置くスペースを考慮すると、やや奥にPCを設置することになる。ディスプレイを回転させる時はさらにスペースが必要になるため、広い場所を確保した方がいいだろう。

photophotophoto デバイスマネージャでAspire R7の構成を確認した

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