「11ac」はどれだけ速いか──「11ac対応」スマホ&タブレット&PCでまるごとチェック自宅ルータ“11acに買い換え”計画(4/4 ページ)

» 2013年07月29日 17時00分 公開
[太田百合子(撮影:市原達也),ITmedia]
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電波はどこまで届く? 場所を変えて実測値を調査

 では、実測値でどのくらいの速度が出るのか。一例としてAtermWG1800HPをベースにWindows 8搭載PC(LaVie L)を802.11ac無線LANで、ギガビットLAN対応NAS(LinkStation CS-WV/R1)をギガビット有線LANで接続し、測定距離を離した数パターンでの実スループット値をスループット計測ソフト「LAN SPEED TEST」を用いて計測した。

 測定場所は隣室 直線距離約10メートル(障害物は木製扉×1)/階上別部屋 移動距離約20メートル(障害物は階段、木製扉×2)/階上ベランダ 移動距離約30メートル(障害物は階段、木製扉×2、ガラス扉×2)の3パターン。参考として、これらの測定場所ではスマートフォン「MEDIAS X N-06E」で電波強度チェックアプリ「Wifi Analyzer」で電波強度の測定値も併記する。

 なお、測定場所は鉄筋コンクリートマンション内にあるメゾネット住宅で、かつ大通りに面した商業地兼住宅街のため2.4GHz帯の無線LAN電波が外部からかなり入ってしまうWi-Fi通信には少し厳しいところ。既存の2.4GHz帯802.11n接続では隣室へ移るだけで速度が半分以下にまで落ちてしまう環境となる。802.11acについては、802.11nと比べて距離が離れても相対的に実用速度を維持する点、そして利用者が多い2.4GHz帯ではなく5GHz帯を使うため、速度を維持しつつ安定して利用できる点をポイントにしてほしい。

photophoto 測定場所:隣室 直線距離約10メートル:電波強度は最高で、通信速度は上り125.12Mbps、下り133.86Mbps。計5回テストしたいずれも125Mbps以上を記録し、とても安定して通信できた
photophoto 測定場所:階上別部屋 移動距離約20メートル:隣室へ移ると電波の強度がやや落ちた。通信速度は上り76.72Mbps、下り89.15Mbps。ただ、高速+安定した通信を要する「デジタル放送/ハイビジョンクラス(25Mbps)のネットワーク再生」を行うには十分な通信速度を維持している。
photophoto 測定場所:階上ベランダ 移動距離約30メートル:電波強度はやや落ちたが、まだ実用範囲だ。通信速度は上り30.16Mbps、下り33.00Mbpsとなった。ちなみに2.4GHz帯802.11n接続のスマートフォンではたまに接続が切れる場合がある距離となる


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 電波の届く距離そのものに関し、正直なところ著しく向上したという感覚はない。ただ、同距離での実速度において802.11acの効果がかなり実感でき、PCでの利用では有線LAN接続で利用しているかのような高速かつ安定しているという感覚が得られた。NAS上の動画ファイルをストリーミング再生する際も、途中で止まったり遅延したりすることはなく、ローカルの動画データと同様の感覚で扱うことができた。

 スマートフォンでも、LTE回線より高速+安定した通信が期待できる自宅の光ファイバー+Wi-Fiを使うので、ますますストレスなくデータ通信が行えるようになる。ストリーミング動画再生、DLNA機能を用いた録画番組のネットワーク再生など以外に、アプリのダウンロード、VoIPアプリや動画チャットなどの例でも通信が遅い場合に発生するトラブル(切断、ノイズ発生など)なく、極めてスムーズに利用できるようになるはずだ。

 最後に新規格の802.11ac対応のAtermシリーズは、5GHz帯専用の802.11ac対応新機種はもちろん、「5GHz帯/2.4GHz帯同時利用可能」で、下位互換を確保するので、これまで使っていた802.11b/g/n対応の機器もしっかり併用できるのも安心して買い換えられるであろうポイントだ。2013年7月現在、これから無線LANを導入する、あるいはルータを買い換えるなら、新機種は高速に+これまでの機器でも使える「802.11ac対応」モデルを選ぶのがお勧めである。


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