センサー技術もさらに進化している。Kinectのようなモーションセンサーは代表的であり、最近ではLeap Motionのようなより細かいセンシングを可能とした安価な製品も登場している。
次に注目されるとみられるのが「物体認識システム」で、Research@Intelではこの処理を高速化するチップとともにソフトウェアソリューションを紹介していた。
基本的にはカメラを使って頂点情報を取得する仕組みで、これをあらかじめ取得したシグネチャのデータベースと比較してマッチングを行う。この部分の定型処理を高速化するのが前述チップの役割だ。データベースが充実しているほど認識精度の向上やより多くの物体を認識できるようになるが、そのぶんデータベースが肥大化してマッチング処理にかかる時間も増える。
クラウド技術などと組み合わせつつ、このデータベースサイズと処理速度のバランスをとるのがポイントだといえるだろう。バランスしだいではスマートフォンのような小型デバイスでの物体認識も可能となる。
センサーとは異なるが、小型のカード型デバイスにコンピュータ機能を凝縮したスマートカードのシステムの展示も行われていた。非接触ICによる通信、E-Inkのディスプレイ、Bluetooth Low Energy(BLE)による近距離通信、マイク入力など、駆動用に太陽電池も搭載されており、SoC搭載でコンピュータとして機能するようになっている。PCにかざして起動用の認証キーとして利用したり、スマートフォンの補助的なデバイスとしての利用を考えているという。
デモでは社員証の形状を模しており、具体的にどのように使っていくかのアイデアは不明だが、現状の非接触スマートカードを代替するようなものを想定しているのかもしれない。
機器のインテリジェント化という意味では、スマートホームも興味深い。昨今、スマートフォンで管理できる家電というのは珍しくないが、Research@Intelで紹介されていたシステムはネットワーク連携可能な家電とセンサーを組み合わせ、さらにミドルウェアとクラウドサービスのレイヤーを加えて、これら機器を互いに接続してその挙動をプログラミングできる点で新しい。
プログラミングにあたってはビジュアルツールのようなものが用意されており、デバイスやセンサーを模した部品同士を接続し、条件を設定することでプログラムを作成できる。これにより「時間がきたらカーテンを開けて時計のアラームを鳴らす」「モーションセンサーの前で手を振るとカーテンを閉める」といった一連の動作を1つのプログラムとして指定できる。
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