本体サイズは約305(幅)×208.5(奥行き)×17.7(厚さ)ミリ、重量は約1.34キロ(カタログ値)。評価機はストレージにSSDを実装していたためか実重量は1.24キロとやや軽量だった。
12.5型クラスのクラムシェルノートPCにおける1.2キロ台は、決して最軽量クラスではない(最軽量クラスでは13.3型で約875グラムの「LaVie Z」、同じく13.3型で約940グラムの「VAIO Pro 13」などがある)。ただボディが上下面ともにフラットであること、そして前後の重量バランスが実感値として均等に取れているためか、実際は想像より軽く感じる。X240sは3セルのリチウムポリマーバッテリー2つを本体の前後に分けて実装する仕様となっている。これはバッテリー動作時間と薄型化を考慮したための施策と想定されるが、こういった部分にも意外に効果があるようだ。
天面はつや消しのブラック塗装仕上げ。X220シリーズまでのつや消し塗装ではなく、ガンメタルっぽいやや明るめの色味となり、金属素材特有のヒンヤリ感/サラサラ感が得られるものとなった。また天面のThinkPadロゴ、LenovoロゴがX220シリーズ比で上下逆向きとなり「開くと、相手に対して正しい向き」になるよう変更された。こちら、旧来のThinkPadファンからは「自分から見て正しい向き=自分のための仕事マシン」を意図していたポリシーが変わった──と嘆く声もあるようだ。なお、天面のThinkPadロゴ内「i」字に電源状態を示すLEDが埋め込まれており、使用時は赤く点灯、スリープ時は点滅する。
キーボードはアイソレーションタイプの「6列プレシジションキーボード」、ポインティングデバイスはトラックポイントとクリックパッドの機能を融合した「5ボタンクリックパッド」を採用する。基本仕様は「ThinkPad Helix」に採用したものと同等のようで、特にトラックポイントのクリックボタンをトラックパッドに内蔵した仕組みとした部分がこれまでのX200シリーズと比べて大きく変わったところだ。
まずはキーボードから。約1.8ミリとしっかり深めのストロークを確保するキーボードはやはりとても打ちやすい。外付けタイプの「ThinkPad トラックポイント・キーボード」と同様に打鍵音もかなり静かで心地よい。
初期設定のファンクションキーは単押しでボリューム調整(F1〜F3)、輝度調整(F5〜F6)、無線機能・機内モードオン/オフ(F8)、タスク切り替え(F11)などが割り当てられているが、Fn+ESCキーで通常のファンクションキー動作に切り替えられる。この設定は再起動後も有効だったので通常のファンクションキー(F7でカナ変換など)を常用する人も安心だ。
続いてカーソル操作系を。本機が実装する「5ボタンクリックパッド」は、タッチパッド部全面がボタンにもなり、トラックポイントのボタンも兼ねる仕様──つまり、トラックパッド用のクリックボタン2つと、トラックポイント用クリックボタン3つ(1つは中央スクロールボタン)も1つにまとめたものとなる。クリックパッド内部のボタンスイッチは1つだが、センサー面の指が触れた位置によってどのクリックボタンとして機能するかを識別する仕組みだ。
トラックポイントについては、これまで独立していた物理ボタンがなくなったため、確かに操作性がかなり異なる印象は受ける。クリックボタンの位置が分かりにくく手元を見る必要が生じ、さらに親指をクッと強めに、かつ真下の向きに力を込める必要があるのが違和感を強めていると思う。クリック音も「カコンカコン」と高めで、「スコスコ」と音が低めに抑えてあるキーボードに対して耳障りに感じる。
ただ、ホームポジションより手を離さずマウスカーソル+スクロール操作できる価値は変わらない。新旧を使い分けると操作性に差はあるかもしれないが、慣れられる範囲だと思いたい。
ちなみに、トラックポイントのキャップ(赤ポッチ)はThinkPad Helixと同様に、厚さを抑えたローハイト仕様のトラックポイントキャップ(ソフトドームタイプ)を採用し、従来のようなクラシックドームタイプ、あるいはソフトリムタイプのキャップは用意されない。手持ちの従来モデルに装着していたThinkPlus トラックポイント・キャップ・コレクション(クラシックドームタイプ)を付け替えてみたところ、一応装着はでき、普通に使用もできた。ただし、キートップよりアタマがコンマ数ミリ出る(ローハイトキャップは出ない)ため、ディスプレイを閉じると画面に触れてしまう。満員電車で押されると……怖い感じのため、やめた方がよいだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.