デルの新型ノートは化け物か!? “宇宙最強”ノートPC「ALIENWARE 17/18」の実力宇宙から再び(3/3 ページ)

» 2013年09月05日 17時59分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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ALIENWARE 17はMMORPGやアクションタイトル、18はFPSタイトルも快適ライン

 ベンチマークテストで性能評価をする前に、今回の評価機の構成を確認しておこう。言うまでもなく、デルのノートPCは、BTOカスタマイズに対応しており、ユーザー自身が望む予算とスペックを選択できる。一方、そのベースとなるモデルとして、スタンダード、プレミアム、プラチナといったグレードが用意されている。

 ALIENWARE 18の評価機は、最上級のプラチナモデルそのものだ。執筆時点での価格は39万9980円。ただし、BTOでは本評価機の構成をもかすむ超最上級構成も可能となっている。CPUにはモバイル向けHaswell最上位であるExtreme EditionことCore i7-4930MX(3GHz/最大3.9GHz)も選択できるが、さすがに評価機にはCore i7-4900MQ(2.8GHz/最大3.8GHz)が搭載されていた。

 一方、ALIENWARE 17の評価機は、スタンダードをベースとして、メモリを16Gバイトに、グラフィックスをGeForce GTX 765Mから770Mに変更した構成だ。GeForce GTX 765Mから770Mへのアップグレード価格は執筆時で3360円。この程度の追加予算となれば、そしてゲーム目的なのであれば、少しでもフレームレートを高めるべくGeForce GTX 770Mを選ぶべきだ。なお、ALIENWARE 17でも、グレードとBTOによってCore i7-4900MQやCore i7-4930MX、GeForce GTX 780Mなどが選択可能となっており、ALIENWARE 18のシングルGPU版、といったところまでパフォーマンスを高めることができる。BTOの話はこのくらいとして、今回の評価機の構成を下記にまとめておこう。

型番 ALIENWARE 17 ALIENWARE 18
メモリ 16GB
ストレージ 64GB SSD(キャッシュ)+750GB HDD
グラフィックス GeForce GTX 770M(3GB) GeForce GTX 780M(4GB)×2
光学ドライブ DVDスーパーマルチ Blu-rayコンボ
OS 64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)
価格(執筆時点) 21万7264円 39万9980円

ALIENWARE 17のCPU-ZとGPU-Z。Core i7-4700MQは、4コア/8スレッドで最大3.4GHzで動作する。GPUは、GeForce GTX 770Mを搭載しているが、CPUに統合されたIntel HD 4600も使用でき、利用シーンに合わせて消費電力を最適化する

ALIENWARE 18のCPU-ZとGPU-Z。Core i7-4900MQは、Extreme Editionを除く通常のラインアップでは最上位のCPU。4コア/8スレッドで最大3.8GHzで動作する。GPUはモバイル向けGeForce GTXの最新かつ最上位モデルであるGeForce GTX 780MのSLI構成で、GPU-Zからも2枚が確認できる

 さて、ベンチマークに入るが、その前にまずコメントを添えておこう。以降で紹介するベンチマーク結果では、便宜上、ALIENWARE 18と17との間で比較をしているが、ALIENWARE 18がデュアルGPUというモンスター級ノートPCであるため、スコアが大きく開いている。もっとも、ALIENWARE 17もそれ自体が通常のノートPCよりもはるかにハイスペックである点は十分考慮してほしい。両者の性能を単純比較するというよりは、どちらのマシンが、どのようなゲームジャンルに向いているのか、そうした点を念頭に検証しているものとご理解いただきたい。

 まず、Windowsエクスペリエンスインデックスの結果はプロセッサ、メモリ、グラフィックスの各スコアすべて7.6ポイント以上と、突き抜けたパフォーマンスであることが分かる。WindowsエクスペリエンスインデックスではSLIが無視されるわけだが、ALIENWARE 18のGeForce GTX 780Mは両グラフィックスで7.9ポイントというスコアを叩きだした。また、ALIENWARE 17のGeForce GTX 770Mも7.6ポイントをマークしている。プロセッサでは、ALIENWARE 18のCore i7-4900MQが7.7ポイント、ALIENWARE 17のCore i7-4700MQが7.6ポイントだ。どちらも最低スコアとなったのはプライマリハードディスクとなったが、例えばカスタマイズでSSDを単体で使用する構成に変更すれば、この点も7ポイント台に引き上げることができるだろう。

Windowsエクスペリエンスインデックス

 ゲーミングノートとして肝心なグラフィックス機能を、まずは標準指標となる3DMarkでチェックしよう。用いたのは最新の3DMarkと、過去のノートPCとの比較する際に活用いただくため3DMark 11、3DMark Vantageの計3本だ。それぞれ主要なプリセットで計測した。

 結果のグラフをパッと見れば、ALIENWARE 18の突き抜けたパフォーマンスが目を引くが、ALIENWARE 17のスコアも、過去に検証したほかのノートPCのスコアと比べれば、より高いスコアである。それ以上を叩き出すALIENWARE 18は、バケモノ、いや、エイリアンに相応しい3Dグラフィックス性能を誇る。

 特に高解像度で画質設定もハイオプションなExtremeにおけるスコアはすさまじく、ALIENWARE 18が目指すのは、フルHDという本製品のディスプレイ解像度そのままに、高画質オプションで3Dゲームを楽しむことにあると言ってよい。

3DMarkの結果

3DMark 11の結果

3DMark Vantageの結果

 ゲームベンチでは、本誌でよく用いるストリートファイターIVベンチマーク、MHFベンチマーク【大討伐】に加え、人気タイトルのSIM CITYと、ALIENWARE 18用として、アクション/FPSタイトルのバイオハザード6、トゥームレイダー、バトルフィールド3を追加した。

 まずストリートファイターIVベンチマーク、MHFベンチマーク【大討伐】およびSIM CITYの結果から。ストリートファイターIVベンチマークとMHFベンチマーク【大討伐】は、ALIENWARE 17/18どちらも快適にプレイできることは間違いない。このクラスのゲームの場合、むしろGPU性能を持て余すレベルである。

 ただ、特徴的なのは、MHFベンチマーク【大討伐】の1280×720ドット設定だ。このテストのみ、ALIENWARE 18と17のスコアが逆転しているが、ごくまれにマルチGPU構成時には思わぬところでフレームレートが壁に当たるときがあり、それが現れてしまったと考えられる。ただし、それでもGeForce GTX 780Mの問答無用なパワーが、快適なフレームレートをたたき出している点に変わりはない。

ストリートファイターIVベンチマーク

MHFベンチマーク【大討伐】

 シミュレーションタイトルのSIM CITY(すべての項目で選択できる最高画質オプションを設定)では、およそ30fpsあれば十分に快適で、実際、ゲーム初期設定ではフレームレート固定のオプションで30fpsが指定されている。このテストでもどちらも、フルHD解像度で30fpsをしっかり上回っていることが確認できる。

SIM CITY

 続いては、ALIENWARE 18のためのベンチマーク。要はALIENWARE 18があまりにも高いスコアを出すために、FPSゲームでのパフォーマンスを引き合いに出さねばその性能が分かりづらいために用意したわけだ。

 まずバイオハザード6では、両製品ともに十分に快適と言えるスコアをたたき出している。これはALIENWARE 17のフルHD時でも同様だ。続いて比較的軽めのFPSタイトルであるバトルフィールド3。こちらは、ALIENWARE 17だと、フルHD時に60fpsを下回ってしまった。実際のところ30fpsでも楽しめるが、FPSタイトルだけに60fpsで楽しみたい。こうしたFPSタイトルを楽しみたい場合は、ALIENWARE 17よりもALIENWARE 18のスペックが欲しくなる。そのALIENWARE 18は、フルHDでも100fpsを超え、十分過ぎるパフォーマンスを見せている。

バイオハザード6

 最後はアクションタイトルのトゥームレイダー。画質設定のUltimateでは、ララ・クラフトの髪の毛をリアルにシミュレートする「TressFX」機能をオンの状態としてあり、猛烈なGPU負荷がかかる。そのため、デスクトップPCであってもハイエンドGPUを搭載しなければ快適が得られないところ。それでもALIENWARE 18はフルHD時で28.4fpsを記録し、なんとかゲームが楽しめるレベルの結果を出した。ただしギリギリのラインであるため、シーンによっては描画がカクカクし出すこともあるだろう。TressFXをオフとした画質設定Highとすれば、43.9fpsまで上がるので、こちらは十分に快適に楽しめる。また、1280×720ドットに落とすならば、ALIENWARE 17でも快適だ。

トゥームレイダー

 このような結果から、ALIENWARE 18は、ヘビー級タイトルを1920×1080ドットで楽しむための製品、ALIENWARE 17は、最新のMMORPGやシミュレーション、アクションタイトルなどを1920×1080ドットで、1280×720ドットであればヘビー級タイトルも楽しめる製品という位置付けになりそうだ。

 ALIENWARE 18に関していえば、事実、デスクトップPCのミドルレンジ構成を超えるハイスペック、そしてパフォーマンスを詰め込んでいる。もちろんそのぶん高価ではあるが、液晶ディスプレイが一体で、デスクトップPCと比べればまだ置き場所に困ることがないというメリットと合わせて、ゲーマーのPC選びの選択肢として加えてみてはいかがだろうか。

 一方、ALIENWARE 17も十分に快適なパフォーマンスだ。洋ゲー派ではない、どちらかといえば国内タイトル中心のゲーマーなら、こちらを選ぶのがコストパフォーマンス的にメリットを得られるだろう。また、ALIENWARE 17では、3D Vision 2対応のフルHD 120Hz液晶ディスプレイも選択できる。ゲームはもちろん、映像でも3Dが楽しめるほか、通常の操作でも120Hz表示をオンにすることでスムーズな描画が得られることから、ちょっと変わった機能を試してみたい方には、こうしたオプションもオススメだ。

 さて、ゲーム以外のシステム性能も気になるところだろう。PCMark 8とCINEBENCH R11.5でスコアを計測してみたが、どちらもノートPCとはいえクアッドコアCPUを搭載しているだけにスコア自体ずば抜けており、とくにCINEBENCH R11.5のスコアで見れば、Multi CPUのスコアも十分に高く、デスクトップのCore i3はもちろん、Core i5をも上回る。また、Single CPUでも、Turbo Boostが効き、3GHz半ば、4GHz近くまでクロックが高まるため、デスクトップCPUよりは若干低めではあるが、それでもノートPCとしては頭ひとつ高いパフォーマンスを示している。つまり、ゲームの合間に動画のエンコードや3DCGのお絵かきといった作業をするにしても、まったく問題ないだけのパフォーマンス、レスポンスが得られる。

PCMark 8(画面=左)とCINEBENCH R11.5(画面=右)の結果

 このようにALIENWAREシリーズは、同社の通常ラインアップとは異なり、特別な製品である。もちろん価格帯も特別なりではある。ただ、このようにスペックと性能を見ていけば、ゲームPCという用途においては妥当性も見えてくる。さらに、ムードを盛り上げるイルミネーションや、ゲーマー向けに盛り込まれた特別機能も盛りだくさんだ。PCゲーマーの方々なら、1度このALIENWAREを手にすることを目標に掲げてみてはいかがだろうか。


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