「VAIO Tap 11」――ソニー入魂の“Haswellで9.9ミリ厚”Windowsタブレットは買いか?最新タブレット速攻レビュー(2/4 ページ)

» 2013年10月09日 18時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

サイズ感チェック:Core iを感じさせない薄さと軽さ、外観にもこだわり

「Xperia」シリーズで好評の「オムニバランス」デザインを採用。側面にフラットなプレートを貼りつつ、エッジに丸みを持たせた特徴的な意匠が継承されている。シャープなイメージながら長い間ホールドしても手の平などが痛くならない点もポイントだ

 ボディのサイズは304.6(幅)×188(高さ)×9.9(厚さ)ミリで、重量は約780グラムだ。実測では743グラムと公称値よりも軽かった。画面サイズが11.6型ワイドと大きいにもかかわらず、厚さは9.9ミリと、10型クラス並の薄さを実現しており、スリムさが際立つ。

 デザインコンセプトは現行世代のXperiaシリーズ(スマートフォン/タブレット)の「オムニバランス」(全方位)デザインを踏襲しており、側面をフラットなプレートで囲みつつ、エッジに丸みを持たせた特徴的な意匠を引き継いでいる。端子類にも繊細で精度の高いカバーを用意し、どこから見ても美しいフォルムだ。きめ細かいシボ加工が施された裏面は見た目にさりげない高級感があり、サラッとした手触りも心地よい。

 ただし、背面にスタンドを装備している点と、放熱用のファンを内蔵している点、防水防塵仕様ではない点は同社の10.1型Androidタブレット「Xperia Tablet Z」と大きく異なる。このスタンドを使えば、本体を横位置の状態で自立でき、水平に対して約115〜135度の範囲でチルト角度を調整できる。Surface Proのように角度が固定ではなく、無段階で調整できるのはありがたい。

背面に収納されたスタンドは、水平に対して約115〜約135度の範囲で好みの角度に調整できる
VAIO Tap 11(左)と「Xperia Tablet Z」(右)の比較。画面サイズはVAIO Tap 11が11.6型ワイド(1920×1080ドット)、Xperia Tablet Zが10.1型ワイド(1920×1200ドット)と、VAIO Tap 11のほうが一回り大きいが、縦解像度が120ドット狭い(写真=左)。10.1型AndroidタブレットであるXperia Tablet Zの6.9ミリ厚にはかなわないが、第4世代Core搭載で厚さ9.9ミリはインパクトがある薄さだ(写真=右)

注目ポイント(1):スマートに携帯できるワイヤレスキーボード

ワイヤレスキーボードは、6列仕様でフルピッチのアイソレーションキーボードとタッチパッドを搭載している。パームレストもしっかり確保した

 本体とほぼ同じフットプリントで、デザインイメージも共通の画面カバー兼ワイヤレスキーボードが標準で付属する点も、VAIO Tap 11の大きな特徴だ。四隅にマグネットを内蔵しており、画面にピッタリと貼り付けたまま携帯できる。本体とキーボードを装着した状態でも厚さは14.15ミリとほとんどのUltrabookより薄く、総重量も1.15キロと携帯しやすい重さに収まる。

 キーボードの接続は2.4GHz帯を利用したRF接続で、ペアリングされた状態で出荷される。キーボードの着脱に本体のスリープ/復帰が連動しているので、本体から外してすぐ使うことが可能だ。なお、タブレット本体の画面右下には充電用の端子があり、キーボード装着時に自動で本体からキーボードへ充電が行われる。約3時間の充電で約2週間使用できるという。

 キーボード自体もしっかりしている。VAIOおなじみのアイソレーションタイプの6列仕様で、特にクセのないレイアウトだ。キーピッチは19(横)×18.5(縦)ミリと余裕があるが、キーストロークは約1.1ミリと浅い。意識して強めにタイプすると若干沈むものの、たわむというほどではなく、むしろ適度なクッションになって、キー入力の感触としてはちょうどよく感じる。

 キーボードの手前、ホームポジションの直下にはタッチパッドも装備している。パッド表面は滑らかな仕上げではなく、細かい突起が並んでいる点で好みが分かれそうだ。ただし、サイズは91.3(横)×38.5(縦)ミリと十分広く、クリックボタンがタッチパッドに含まれず、左右一体型ながら独立したボタンのため、操作性はまずまずといえる。

ワイヤレスキーボードは四隅にマグネットを内蔵しており、画面にピッタリと貼り付けて携帯できる(写真=左)。キーボードを装着した状態でも薄くて軽く、少し揺れたくらいでは脱落しないので、手軽に持ち運べる(写真=右)
ワイヤレスキーボードを本体に重ねれば、磁力でぴったり重なり、自動的にスリープへ移行する。薄型軽量でシンプルな作りのキーボードだが、背面にヘアライン加工のアルミニウム板をはめ込んであり、なかなか高級感もある ※以下3点の動画はソニーストア直販VAIOオーナーメードモデル限定カラーのホワイト
磁石で装着されたワイヤレスキーボードを本体から外せば、自動的にスリープから復帰する。タブレット本体の背面にあるスタンドを引き出して立てれば、すぐにノートPCのようにキーボードとタッチパッドを利用可能だ
ワイヤレスキーボードは磁力で手軽に着脱できるが、装着した状態で少しくらい揺れても脱落することはない。この動画では少々ラフに、勢いをつけてキーボードを画面に重ねて装着している(マネしないでほしい)が、問題なく重なり、自動的にスリープへ移行している
キーピッチは19(横)×18.5(縦)ミリと余裕があり、薄型ながらキーストロークも約1.1ミリを確保する。キーボード右上には電源オン/オフのスイッチとタッチパッドのみをオフにするスイッチがある(写真=右)。その隣には充電用の端子があり、本体に被せたときに充電される仕組みだ。この辺りの使い勝手はよく考えられている ※動画は直販モデル限定カラーのホワイト
キーボードは2.4GHz帯の無線RF接続で、接続可能距離は約50センチだ。レシーバーは本体に内蔵されており、Windows 8の「PC設定」にある「ワイヤレス」からレシーバーのオン/オフが行なえる(画像=左)。タッチパッドは十分な広さがあり、最近のVAIOにしては珍しくクリックボタンが独立して設けられ、使い勝手は悪くない(写真=右)
キーボードを装着したVAIO Tap 11(左)とVAIO Pro 11(右)の厚さ比較(写真=左)。VAIO Pro 11は13.2〜17.2ミリ厚で、キーボードを装着したVAIO Tap 11(14.15ミリ)のほうがかなり薄い。キーボードを装着したVAIO Tap 11(左)とVAIO Duo 13(右)の厚さ比較(写真=右)。VAIO Duo 13は9.2〜19.5ミリ厚で、キーボードを含めてもVAIO Tap 11の薄さが目立つ

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