新ThinkPadシリーズが定義する「“PC+時代”のビジネスPC」“マルチディスプレイ”で使おう、はかどるよ(2/2 ページ)

» 2013年10月16日 21時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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CS13世代の「ThinkPad X240」にみる、ビジネスシーンに特化した設計

photo 「ThinkPad X240」の設計と新たに取り入れた技術を説明ThinkPad設計担当部長の塚本康道氏

 今回のThinkPadシリーズ(および先行して発表したThinkPad X240s/T440s)は、CS(Clean Sheet)13と呼ぶ世代の製品群として新たに設計された。

 CS13の狙いは、

  • Simplified&Modernityをテーマにした新デザイン
  • 薄型化を推進しつつ、ThinkPadniふさわしい堅牢性を確保
  • ユーザーが容易にメンテナンスできる保守性を確保
  • VGA・LAN、交換可能なバッテリー、Dockなど拡張性も変わらず確保
  • Windows 8に適した大型タッチパッドと180度開閉ディスプレイによる快適性を確保
  • 9.5ミリ厚1TバイトHDDサポートなど生産性の確保

 とし、これらを総合的にカバーできる「デュアルバッテリーフォームファクタ」の採用を主軸に設計された。


 ThinkPad X240/T440pは、ボディの前後に2つのバッテリーを実装する。前部には3セルバッテリーを内蔵、後部は着脱交換対応の3セル〜9セル(および薄型/円筒タイプの双方)バッテリーを装着できる設計となっており、薄型軽量、バッテリー動作時間、価格などユーザーが優先する性能を柔軟にカバーする。

 従来ユーザーの要望より追加した機能は、

  • フルHDディスプレイのサポート
  • キーボードバックライトの実装
  • X、Tシリーズと共通のドックステーションに
  • 長時間バッテリーとホットスワップの対応

 などがある。特にディスプレイの高解像度対応化は日本ユーザーからの要望が多く、XシリーズはフルHD、Tシリーズは14型がフルHD、15型は3K(2880×1620ドット)までの高解像度ディスプレイを選択できるオプションを用意する(X240シリーズのフルHDオプションは2013年年末追加予定)。長時間動作のニーズは、新たに採用したデュアルバッテリーフォームファクタで効果的にカバーする。内蔵3セルに加え、X240は最大6セル、T440p/T540pは最大9セルの交換可能バッテリーを実装できる点をポイントとする。内蔵3セル+着脱9セルのバッテリーにより、最大96Whの大容量バッテリー搭載を実現する。

photophotophoto ThinkPad X240の内部と世代別フクロウファン
photophotophotophoto ThinkPad X240で採用した新技術と工夫(1)

 「保守性」のよさもこれまでのThinkPadシリーズで高い評価を得てきた特徴。CS13世代のシリーズももちろん継承する。Ultrabookを中心とする他社薄型モデルは原則交換不可とするものが多い中、ThinkPadシリーズは薄型化を推進しながらボトムカバーごと外せる「Big Bottomデザイン」を採用し、ユーザーレベルでもメモリ増強やストレージ交換、メンテナンスが行える。ボトムカバーの取り外しを検知する機能も設け「外されていない=パーツ交換・仕様変更はない」とみなして起動の高速化を、そしてセキュリティ/安全性の強化も図っている。

 「薄型化・軽量化」は、「Anti-Shock Floating」と呼ぶHDDを浮かせる構造のHDDマウント(従来比1.6ミリ薄型化、43%の衝撃低減)、「エアポケット型の新ゴム足」(5%の衝撃低減、寒冷地でも性能低下を抑える)、「薄型トラックポイント」(0.8ミリ薄型化)、「基板の小型軽量化」(26%小型化、37%薄型化)などの新設計・工夫の導入で実現した。トラックポイントは制御基板とセンサー基板を分離し、制御基板をスペースキーの下部へ移す専用設計/ウルトラC的な工夫で厚さを抑えた。ちなみに、日本語JISキーボードは他国配列のそれと比べスペースキーが小さいため「JIS配列に入るよう、当初よりそれを考慮して設計した。このあたりは大和研究所で開発したことによるならではのポイント」(レノボ・ジャパン 大和研究所ノートブックシステム設計担当部長の塚本康道氏)という。

photophotophotophoto ThinkPad X240で採用した新技術と工夫(2)

 また、マグネシウム素材を用いて薄型化と強度を確保するX240sに対し、オフィスPCとしての導入事例が多いため、低コスト化も望まれるX240は、キーボードベゼルにポリカーボネート、ボトムにグラスファイバーのカバーを用い、Xシリーズ初のロールケージ構造を導入し、ThinkPadクオリティの堅牢性とコスト課題をクリアした。

 ThinkPad Helixで採用した「5ボタンクリックパッド」は、メタルドームスイッチからパンタグラフラバードームスイッチに代えた第2世代に進化。ThinkPadキーボードと同様のより均一なクリック感が得られるよう刷新したという。もう1つ、冷却性能と静粛性能を両立するThinkPad独自の「フクロウファン」も第7世代まで進化した。第7世代フクロウファンは、第6世代で微量に一部の周波数帯でわずかに発生していた耳障りな音を80%軽減する新デザインのブレードを開発し、同じく新開発した薄型ヒートパイプによりX230比で湿度12%、CPU温度32%を低減する冷却性能を確保している。「高負荷状態で使用するシーンでも、より静かに、さらに発熱を感じず快適に作業できるようになる。このように、細かいことの積み重ねだがすべてビジネスPCの要件に必要なこと。だからこそThinkシリーズは、ビジネスPC/会社貸与PCに最適──と自信を持って提案できる」(塚本氏)

photophotophotophoto ThinkPad X240で採用した新技術と工夫(3)





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