続いてゲームタイトルのベンチマーク結果を見ていこう。ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編も、GeForce GTX 780 Tiが頭ひとつ抜き出る。そのうえで、フルHD解像度では、GeForce GTX 780とRadeon R9 290Xが同等、Radeon R9 290がこれを僅差で追う格好だ。ただし、2560×1440ドットにおいても、どのGPUも30fps以上を満たし、Radeon R9 270X以外は60fps以上を満たしている。
バトルフィールド3も、GeForce GTX 780 Tiが大きくリードした。GeForce GTX 780も同じドライバで再計測してみたが、この傾向は変わらなかった。次作のバトルフィールド4に関しては、Radeon R9/R7がMantle APIで最適化を図っているとされる。これについては、11月10日に秋葉原にてイベントを開くので、そこで詳細が話されることになるだろう。バトルフィールド4とMantle APIによって、Radeon R系GPUが大きく性能を伸ばすことも考えられる。
トゥームレイダーは、GeForce GTX 780 Tiがトップだが、高解像度で見るとRadeon R9 290X、R9 290、そしてGTX 780といった具合の順になった。なお、2560×1440ドットで見ると、Radeon R9 270X以外は最高画質において30fpsを満たしている。
Metro:Last Lightでは、Radeon R9 290X、R9 290が健闘した。1600×900ドットと1920×1080ドットではRadeon R9 290Xがトップに立った。残り2つの解像度ではGeForce GTX 780 Tiがトップで、このことからGTX 780 TiとRadeon R9 290Xはほぼ互角と言ってよい。そのうえで、1つ下のクラスにおいては、GeForce GTX 780よりRadeon R9 290のほうが高フレームレートという結果となった。
最後に消費電力にも触れておこう。アイドル時に関しては、Radeon R9 290X、R9 290がやや高めなほかは40ワット台前半で、GeForce GTX 780 Tiも42.4ワットと低かった。一方、高負荷時のGeForce GTX 780 Tiは334.3ワットと、そのほかのハイエンドGPUに対して30ワット程度高い値となった。
GeForce GTX 780 Tiは、トップを奪還するためのGPUであり、ベンチマーク結果を総合すると、確かに目的を達している。消費電力も同じGK110のGeForce GTX 780と比べさらに増加しているが、そのぶんパフォーマンスアップは間違いない。
問題は弾数、つまり歩留まりだろう。GeForce GTX TITANは、GPGPU向けにも使える特別なGPUとはいえ、流通量が極めて少ない。これを超えるスペックのGPUを、潤沢に流通させることができるのか、という点がまず1つ目の課題だ。
そして、これにあわせてどのくらいの価格で登場するのかという点も課題だ。GeForce GTX 780 Tiの価格は699ドルとされているが、最近の流通価格はドル価格+1〜2万円高くなる傾向にある。10万円前後だったGeForce GTX TITANよりは安くなりそうな印象だが、やはりハイエンドGPUなりの価格になるだろう。その際、パフォーマンスで背後に迫るRadeon R9 290Xとの価格差、コストパフォーマンスは気になるところだ。
なお、GeForce GTX 780 Tiカードの販売に際し、NVIDIAは、780 Ti/780/770カード購入者に「Batman: Arkham Origins」「Splinter Cell: Blacklist」「Assassin’s Creed IV: Black Flag」という3タイトルのゲームをバンドルすると明らかにしている。こうしたゲームタイトル分お得にはなるが、ゲームタイトルにはユーザーの好みもあるわけで、すべてのユーザーにとってメリットなのかというと微妙なところかもしれない。とはいえ、NVIDIAとしても、GeForce GTXのパフォーマンスや機能をこうしたタイトルで味わってほしいということだろう。
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