「Surface 2」インプレッション──旧世代からの“ほう、なるほど”な変更点を探る鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8.1」(3/3 ページ)

» 2013年11月12日 16時00分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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一方、まだ残念な部分もまだまだある

 このように「モバイル環境で積極的に使えるようになった」と感心した第2世代のSurface 2だが、残念な部分もまだ残っている。

photophoto ほぼ同条件下にて、初代Surface RT(写真=左)と第2世代 Surface 2(写真=右)で標準カメラとアプリを使って撮影してみた。画素数が高まったためかSurface 2はよりディテールを把握できるほどの写真が撮れるようになった。オートホワイトバランスもそこそこか。ただ、撮影品質自体はそれほど向上したとはあまり思えない

 筆者はその1つにカメラ機能を挙げる。第1世代のSurfaceのカメラはリア/フロントともに120万画素で、お世辞にも使えるといえるレベルではなかったが、Surface 2はリアは500万画素、フロントは300万画素にまで強化された。“写りのでき”はともかく、仕様としてはミッドレンジのスマートフォンやiPadクラスまで向上したため、一応競合製品とも渡り合えるようになったかなと思われる。

 ただ、使い勝手はそれほど向上していない。リアカメラにパシッと光るようなLEDフラッシュは備わらず、2013年11月現時点での標準カメラアプリの写りをチェックする限りでは、品質の向上もあまり感じられない。ここは、カメラと写真、その後の楽しい活用シーンを積極的に訴求する競合製品と比べると、まだ改良の余地がある。このほか、LEDライトなどがないため仕方ないかもしれないが、特に屋内暗所撮影でグワッと感度を上げてしまった影響と思われる強烈なノイズや、それでもシャッタースピードを上げられなかったがための手ブレが気になる(基本、手ブレは自分のせいではあるのだが、昨今は同じ暗めの撮影環境でもかなりカバーしてくれるスマートデバイスも多い)。もちろん標準カメラアプリの問題の可能性もあり、ドライバのチューニングや撮影画像を補正するアプリ次第で改善されることは期待したい。

 もう1つは新設オプションの「Type Cover 2」について。

 ハードウェアキー仕様のType Cover 2は基本的には大変優れた純正オプションなので、Surface購入時はぜひ一緒にと勧めたいオプションだ。ただ、タッチパッド部がTouch Coverと似たフラットなデザインになってしまった。ここは薄型化を推進したためとはいえ、少し残念だ。

photophoto 第1世代のType Cover(写真=左)と第2世代Type Cover 2(写真=右)でタッチパッド部を比較。Type Cover 2はのクリックボタンがハードウェアボタンからタッチセンサー仕様に変わった

 第1世代Type Coverは、よくあるクリックパッド(タッチパッド面の下部を押せる仕組みもの)で物理的にカチッと押せた仕様だったが、Type Cover 2は第1世代のTouch Coverと同様の、タッチセンサーのみ(クリックもタッチ操作)というスタイルに変わった。これによって第1世代のType Coverでは発生しなかった、カーソルを右から左へ動かすときに「チャームメニュー表示のジェスチャー(タッチパッド外部左端から右方向へ横スライド)と誤認識」されてしまったり、キー入力時に手のひらが当たり「クリックしたと誤認識」されてしまうことが増えた。もちろん、操作に慣れれば誤認識も減ると思うので自身でなんとかできる範囲ではあるのだが。

 ……以上、“超〜”細かくて恐縮だが、新たな部分は第1世代ユーザーのフィードバックをきちんと反映した改善を行ってくれたことを示すものが多かった。「フィードバックと改良を重視するMicrosoft」の姿勢がしっかり見えた気がするのである。

(続く)


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