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「Surface Pro 2」――Microsoft純正Windows 8.1タブレットの新旧モデルを徹底検証最新タブレット速攻レビュー(特大版)(3/6 ページ)

» 2013年11月27日 06時00分 公開

注目ポイント:第2世代のキーボードカバーなど多彩な純正アクセサリ

内蔵のキックスタンドと、アクセサリのキーボードカバーを組み合わせることで、64ビット版Windows 8.1 Pro搭載のノートPCとほぼ同じ感覚で利用できるのは、Surface Pro 2の強みだ

 Surfaceシリーズの特徴として、Microsoft純正アクセサリの充実ぶりも挙げられる。特にキーボードカバーは、Windows 8.1のデスクトップUIを便利に使うために欠かせないアクセサリだ。iPadやAndroidタブレットでは、外付けキーボードが補助的な入力デバイスという位置付けだが、Windows 8.1の設計上、Surface Pro 2ではキーボードカバーが必須といえる。

 キーボードカバーは、押下感があるハードウェアキーボード付きの「タイプカバー」(1万980円)と感圧式キーボード付きの「タッチカバー」(7980円)があり、それぞれ「タイプカバー2」(1万2980円)と「タッチカバー2」(1万1980円)に進化した。長文を打つなら断然タイプカバー2がおすすめだが、メールやSNSで短文を打つ程度ならタッチカバー2でも十分で、薄くて軽い利点がある。

 どちらも第1世代のキーボードカバーに比べて、わずかに薄型化したほか、手のひらを近づけると点灯するキーボードバックライトを追加しており、暗所での使い勝手が向上した。非使用時は画面の保護カバーを兼ね、カバーの開閉がスリープの復帰と移行に連動し、カバーを背面側に折り返すとキーボードがオフになるなど、純正アクセサリならではの便利さも使っていて心地よい。

 磁力で本体にしっかり吸着する構造も変わらないが、Bluetoothによるワイヤレス接続でキーボードカバーを使える「キーボードカバー用のワイヤレスアダプター」(4980円)も加わった。机上で外部ディスプレイと組み合わせて使う場合などに役立ちそうだ。

 キーボードカバーの主なスペックは下表にまとめた。これまで単体のキーボード製品を多数手がけてきたMicrosoft製だけあって、総じてよくできているのだが、惜しまれるのはタイプカバー2のタッチパッドが変更されたことだ。

 パームレストとシームレスにつながったデザインなので、パッドの位置が分かりにくく、意図せずチャームバーが起動してしまうことがある。また、従来は押下できたクリックボタンが感圧式になっているため、左右のクリックがしづらくなった。せっかく長文入力も想定したタイプカバー2なのだから、この点は今後の改善を望みたい。

 さらに、バッテリー内蔵型の新しいキーボードカバー「パワーカバー」が2014年前半に発売される予定だ。タイプカバーをベースに約30ワットアワーのバッテリーを内蔵したもので、装着することで重量増と引き替えにバッテリー駆動時間を最大50%延長できるという。

タイプカバー2の表(写真=左)と裏(写真=右)。従来と比較して、音量調整のショートカットキーがなくなり、輝度調整のキーになった。パームレストもタッチパッドもさらさらとした手触りで、指がひっかかる感じはない。従来よりタッチパッドは広くなったが、ボタンが感圧式で押しづらくなってしまった。裏面はフェルト素材のような柔らかな手触りだ。ブラック、シアン、パープル、マゼンタの4色から選べる
タッチカバー2の表(写真=左)と裏(写真=右)。感圧センターを80個(各キーに1つ)から1092個に大きく増やしており、キーを押した際の入力の取りこぼしが低減された。最上段のショートカットキーはタイプカバー2と同じ構成だ。こちらは裏面がマットな質感になっている。カラーはチャコールの1色のみ
タイプカバーの表(写真=左)と裏(写真=右)。タイプカバー2と異なり、キーボードバックライトは備えていないが、左右ボタンを一体化したクリックパッドはパッド自体が沈んでクリックできる構造なので押しやすい。カラーはブラックのみで、裏面はフェルト素材のような質感のチャコールグレーだ
タッチカバーの表(写真=左)と裏(写真=右)。キーボードバックライトは備えておらず、タッチカバー2より少し厚くて重い。ブラック、ホワイト、シアンブルー、マゼンタピンクの4色を用意している。こちらも裏面はマットな質感だ
キーボードカバーはどれも磁力でタブレット下面にしっかり吸着し、ちょっとくらいの振動でははずれない(写真=左)。キーボードカバーを折り返すと、自動的にキーボード機能がオフになるので、握った手でキーを誤入力してしまうことはない(写真=右)
タイプカバー2(写真=左)とタッチカバー2(写真=右)を閉じた様子。閉じると画面を保護するカバーになる。カバーの状態に本体の動作が連動し、カバーを閉じるとスリープ、開くと直ちにスリープから復帰する仕組みだ
タイプカバー2(写真=左)とタッチカバー2(写真=右)のキーボードバックライトを点灯させた様子。タイプカバー2のほうが明るいが、タッチカバー2も暗所で十分な視認性を確保できる
キーボードカバー用のワイヤレスアダプターも用意。キーボードカバーに装着すれば、Bluetoothによるワイヤレス接続でキーボードとタッチパッドが使える。最大約9メートル離れた場所から利用可能だ。金属製のしっかりした作りで、サイズは228(幅)×21(奥行き)×13.3(高さ)ミリ、重量は約72.5グラム(実測値76グラム)だ。充電はUSBで行う
キーボードカバーの仕様
製品名 タイプカバー2 タイプカバー タッチカバー2 タッチカバー
サイズ(幅×奥行き×高さ) 277×188×5.4ミリ 277×188×6ミリ 280×188×2.75ミリ 279×187×3.25ミリ
重量(実測) 約255グラム(266グラム) 約218グラム(216グラム) 約190グラム(193グラム) 約209グラム(207グラム)
キートップ仕様・形状 メカニカル メカニカル 感圧式 感圧式
キーピッチ(横×縦) 19×18.5ミリ 19×18.5ミリ 18.5×18ミリ 18.5×18ミリ
キーストローク 約1ミリ 約1ミリ
キーボードバックライト 搭載(近接検知対応) 搭載(近接検知対応)
ポインティングデバイス 静電容量式タッチパッド(感圧式2ボタン一体型) 静電容量式タッチパッド(メカニカル2ボタン一体型) 静電容量式タッチパッド(感圧式2ボタン一体型) 静電容量式タッチパッド+感圧式2ボタン
タッチパッドのサイズ(横×縦) 69×34ミリ 66×34ミリ 69×34ミリ 66×31ミリ
防滴 対応 対応
センサー 加速度 加速度 加速度 加速度
本体との接続 マグネット マグネット マグネット マグネット
カラーバリエーション ブラック、シアン、パープル、マゼンタ ブラック チャコール ブラック、ホワイト、シアンブルー、マゼンタピンク
価格 1万2980円(Microsoft Store価格) 1万980円(Microsoft Store価格) 1万1980円(Microsoft Store価格) 7980円(Microsoft Store価格)
発売日 2013年10月25日 2013年3月15日 2013年10月25日 2013年3月15日

 Surface Pro 2には、電磁誘導式で1024段階の筆圧検知に対応したデジタイザスタイラス「Surfaceペン」も付属する。これはWindows 8.1 RT版のSurface 2にはない特徴だ。手書き入力やデスクトップUIで小さなメニューをタップする場合などに重宝する。

 ペンは樹脂製でタブレット本体に比べて質感が見劣りするのは惜しいが、標準で付属し、電池なしで駆動するのはありがたい。液晶ディスプレイ表面のガラスと実際の表示面との距離による視差が少しあるため、特に画面端で誤操作を起こしやすいが、ペン自体は軽い力ですらすらと書けて、使い勝手は良好だ(筆圧を加えるにはある程度の力が必要)。パワフルなCPUの搭載もあり、ペンの追従性もよい。

 液晶ディスプレイは10点マルチタッチ対応の静電容量式タッチセンサーも搭載し、指でのタッチ操作は感度がよく快適だ。

付属のSurfaceペンにより筆圧検知を生かした手描き入力が行えるのもSurface Pro 2の魅力だ。ペンの全長は約140ミリ、直径は8.5ミリとやや細身で、重さは約10グラムと軽い(写真=左)。プリインストールアプリの「Fresh Paint」では、筆圧を生かしたイラストが楽しめる(写真=右)。もちろん、パームチェック機能もあり、手のひらが画面に触れても誤動作しない

 純正アクセサリとしては、デスクトップPCの代替利用向けに「ドッキングステーション」(1万9980円)も用意する。1基のUSB 3.0、3基のUSB 2.0、Mini DisplayPort出力、100BASE-TXの有線LAN、音声入出力、DC入力端子を備えたSurface Pro 2/Surface Pro専用のドッキングステーションだ。最大3840×2160ドットでの外部ディスプレイないし4Kテレビへの映像出力もサポートする。

 そのほか、車載シガーライターソケット用のDCアダプタ「カーチャージャー」(5480円)や、フラットな形状に伸ばして持ち運べる薄型のBluetoothマウス「Arc touch mouse Surface edition」(6980円/近日発売予定)など、純正アクセサリが豊富にそろっているのは安心できる。

左から拡張端子を豊富にそろえた「ドッキングステーション」、充電用USBポートも備えた「カーチャージャー」、薄型のBluetoothマウス「Arc touch mouse Surface edition」

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