dynabook Tab VT484は、重量約445グラム(カタログ値)。今回使用したVT484/26K評価機の実重量は433グラムだった。Windows 8.1+Office Home and Business 2013を使用できる単体Windowsマシンと見れば、極めて軽量で小型だ。
ただし、ライバル機となる他の3モデルと比べるとやや厚く、重い。こちらは少し悔やまれる。
PCとしての基本スペックが似通う2013年冬商戦の8型Windows 8.1タブレットだが、dynabook Tab VT484は「HDMI出力あり」がポイントの1つになる。端子サイズはMicroとなるが、最大1920×1080ドットの映像と音声の外部出力に対応し、例えばリビングルームのテレビ、あるいは机上の液晶ディスプレイなどと接続できる。もちろんHDCP対応だ。
エンターテインメント系コンテンツの活用においては、DTCP-IP配信対応レコーダーや地デジPCの録画番組をワイヤレス再生できるDTCP-IP対応純正ソフトウェア「RZスイートexpress」の標準搭載も“東芝製ならでは”のポイントだ。リビングルームのAV機器と連携し、テレビ番組を自宅の好きな場所で楽しむ「家中どこでもテレビ」としての使い方に、本機のような小柄なデバイスは極めてスッとはまるはずだ。
本機はWindows搭載マシンということで、机上で使うとなるとキーボード+マウス(などのポインティングデバイス)もある方がいろいろなシーンで扱いやすい。こちらはぜひ好みのものを探して別途用意してほしい。本機のUSB(Micro-B)端子はOTG対応のため、Micro-B→Standard-A(メス)変換アダプタを用いることで、まずはよくある一般的なPC用USBインプットデバイス(マウス、キーボード)やストレージ(外付けUDD、USBメモリなど)を普通に使用可能。ほか、PC周辺機器として市販されているBluetooth HIDプロファイル対応のキーボードやマウスなども活用できる。
キーボードについては、ポインティングデバイスを内蔵した小型ワイヤレスキーボード製品がフィット感と使い勝手の面でちょうどよかった。光学センサー式のポインティングデバイスを内蔵する「ThinkPad Tablet 2 Bluetoothキーボード」は、本体を立てられるスタンド機構付きなのがよい感じ。もう1つ、トラックポイント搭載の「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」は、適当なスマートフォンスタンドと組み合わせて使うとバッチリだ。机上で使うのであれば、本体サイズに合わせてあるモバイルキーボード(キーピッチが窮屈なタイプ)で無理するのではなく、ごく普通のサイズのものでよいと思う。
いやいや、一緒に持ち運ぶのだよという人は、8型Windows 8.1タブレット用キーボードについて考察した「ここから選ぶ予定! 八八艦タブと一緒に買いたいワイヤレスキーボード」も参照いただけると幸いだ。
ちなみに、対象期間中に購入するとBluetoothキーボード「Wedge Mobile Keyboard(U6R-00022)」がもらえるキャンペーンも行われているのでこちらも有効に活用したい。対象製品はVT484/26KとVT484/23K。対象製品を対象購入期間内に購入し、応募期間内(2014年4月15日まで)にキャンペーンサイトからユーザーサイト「Room1048」に会員登録(無料)することで権利が得られる。対象購入期間は2013年12月31日まで。
では、ベンチマークテストを行おう。今回は基本仕様がほぼ同じであるレノボ・ジャパン「Miix 2 8」、およびAtom Z3740、2Gバイトメモリは同じく、32GバイトeMMC、10.1型サイズのボディが異なるASUSの2 in 1デバイス「TransBook T100TA」の結果も参考として併記する。
Windowsエクスペリエンスインデックスに加え、内蔵ストレージの部品(Samsung「MCG8GC」)も同じということでCrystalDiskMarkによるストレージ性能、PCMark7のPCとしての総合性能もほぼ同等の結果だ。Webサイト表示やWebサービスの利用を中心とした“ビュワー”用途、Office Home and Business 2013でのオフィス文書作成の用途は、至って普通に、おそらくはこれまで使用していたWindowsマシンと同等の感覚で作業できると思われる。
一方、高い3D描画とグラフィックス性能を要する高度なPCゲームについては、ほかのBay Trail-T仕様のタブレット/ミニノートPCと同様に快適プレイにはやや厳しい。もちろん、Flashゲームの「艦隊これくしょん -艦これ-」(艦これ)であればごく普通にヌルヌル動作。ライバルモデルと同様に「艦これ専用機」として導入しても大丈夫だ。
BBenchで測定したdynabook Tab VT484のバッテリー実動作時間は約9時間35分だった。同じ条件で測定したMiix 2 8は10時間11分だったため実測値としてはわずかに劣ったが、それはさておき。これだけ持つならば、前述した「RZスイートexpress」を用いた“年末のスペシャル番組”数本分ほどはバッテリー残量を気にせず活用できそうだ。
※Windows 8.1の電源プランは「バランス」
※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測
スペックや価格帯が横並びになりがちな、2013年冬商戦の8型Windows 8.1タブレット製品群だが、dynabook Tab VT484はどこが購買ポイントになるか。
価格とサイズ感は、残念ながらライバルモデルに劣る部分がある。ただ、本機は「東芝製ならではのAV連携機能」が光る。Venue 8 ProとMiix 2 8には備わらないMicro HDMI端子を実装し、HDMIでの外部ディスプレイ/テレビへの出力が可能。そして、別途必要となればたいていはプラスいくらかが発生するDTCP-IP対応のDLNAクライアントソフトウェアが最初からインストールされている(別途、DTCP-IP対応のWindowsソフトウェア/アプリはWindowsストアアプリ「StationTV Link」を購入、あるいはDTCP-IP対応NASやネットワークメディアプレーヤーに付属するソフトウェアを使用する手段などがある)。
「家中どこでもテレビ」としても使いたい──小型のタブレットをこう使ってみたい人は、東芝ならではのAV連携機能がある本機がお勧めできる。
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