アキバで人気のSSDにmSATA版が登場――「Samsung SSD 840 EVO mSATA」徹底検証NUCやUltrabookをもっと速く(2/5 ページ)

» 2013年12月12日 12時00分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

ノートPC、NUC、Mini-ITX……活用シーンが広がり、普及著しいmSATA

 mSATAは、Serial ATAをノートPCなどに実装しやすいよう定義された小型カードタイプのミニ規格だ。物理的な仕様はJEDECにて「MO-300」として標準化されており、ピン数は52ピン、カードのサイズは横幅29.85ミリ、全長50.8ミリが標準となる。SSD 840 EVO mSATAもこの仕様に準拠した製品だ。

 ピン数、カードサイズともPCI-SIGが規定しているPCI Expressのミニ規格であるPCI Express Mini Card(通称:Mini PCI Express)と同じ(厳密にいえばサイズが微妙に異なるが実質同じ)ため、混同されやすいが、あくまでもピン数とサイズが同じであるというだけで別の規格だ。

 実際はmSATAとPCI Express Mini Card、両方使えるスロットもあるが、それはマザーボード側で両方の信号線を配線して両対応としているもので、本来規格上の互換性はないので注意していただきたい。

mSATAの物理的仕様はJEDECで標準化されている。ピン数は52ピン、サイズは横幅が29.85ミリ、全長が50.8ミリだ。840 EVO mSATAもそれに準拠している。重量は最大10グラム(1Tバイトモデル)

 mSATAはその小型軽量なサイズを生かして、Ultrabookや薄型ノートPCで多く採用されているほか、自作用マザーボード/ベアボーンなどでも搭載例が増えてきており、注目度が高まっている。

 自作用マザーボードでは、ストレージの接続にケーブルが不要になることが大きい。2.5インチのフォームファクタではSerial ATAケーブルと電源ケーブルをそれぞれ配線しなければならないところをmSATAならばゼロにできる。Mini-ITXなど小さなPCケースではこの上ないメリットだ。インテルが提唱する超小型プラットフォーム「NUC」(Next Unit of Computingの略)でも、ストレージはmSATA SSDを使うことが前提となっている。

 SamsungがmSATA SSDのリテール販売に乗り出してきたのは、この市場にそれなりの需要があると見込んだからだろう。普及が本格化してきたことの裏付けであり、さらに普及を促進することにもつながりそうだ。

2.5インチSSD(Samsung SSD 840 PRO)との大きさ比較(写真=左)。その小ささもメリットだが、マザーボードにケーブルレスで接続できる点も大きな魅力だ。自作用マザーボードでも、Mini-ITXマザーボードを中心にmSATAスロットを搭載した製品が増えている。例えば、ASRockのZ87E-ITXではボード裏面にmSATAスロットを装備している(写真=右)

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