「NEXTGEAR i630GA3-SP2」――G-Tuneの「Radeon R9 290X」搭載マシンはコスパが魅力最新ゲームタイトルを遊び尽くせ(2/2 ページ)

» 2013年12月20日 17時40分 公開
[石川ひさよし(撮影:矢野渉),ITmedia]
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性能テスト:60fps超はバッチリ。高負荷なシーンでも“粘れる”のがポイント

 i630GA3-SP2のベンチマークに移ろう。今回のi630GA3-SP2は、Radeon R9 290Xを搭載しているため、以前計測したGeForce GTX 770搭載モデル「i630GA2-W81」とは傾向が変わってくる。その辺りに注目だ。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア。画面は「WIN SCORE SHARE」(コードリウム)を使用

 まずはWindowsエクスペリエンスインデックスから見ていこう。プロセッサとメモリは8.3、グラフィックスはともに8.9、しかしプライマリディスクはHDDである点が影響して5.9となった。仮にこれがSSDにアップグレードできたなら、無敵と言えるPCができあがるだろう。

 さて、システム性能を測るPCMark 7では、Overallで見ると前回レビューしたi630GA2-W81のほうが高い結果となった。ただし、その差は小さい。今回のi630GA3-SP2は、Entertainmentテストを得意としている一方、CreativityやComputationを不得意としているという傾向がみられる。これはPCMark 7特有の傾向かもしれない。新バージョンのPCMark 8では、Work、Home、Creativeの3項目とも、i630GA3-SP2のほうが高いスコアを出している。

PCMark 7(画面=左)とPCMark 8(画面=右)の結果

 CINEBENCH R11.5は、どちらも同じCPUであるため、Multi/Single CPUともに同性能だ。異なるのはOpenGLスコアで、これはRadeon R9 290Xを搭載するi630GA3-SP2が、i630GA2-W81を大きく突き放している。OpenGLベースのグラフィックス作業を検討している方は、このあたりに注目するとよいだろう。もっとも、OpenGLの場合、ドライバの出来やアプリケーション側のサポートなども検討しなければならないので、一概にRadeon R9 290Xがよいとは言い切れない。比較対象はないが、CINEBENCH R15のスコアもそえておく。

CINEBENCH R11.5(画面=左)とCINEBENCH R15(画面=右)の結果

 Media Espresso 6.7でのトランスコードテストでは、どうもソフトウェアエンコード時に何かトラブルが出たようで、正常なスコアが取れていない。一方、GPUによるハードウェアデコードを用いた場合、わずかにRadeon R9 290Xのi630GA3-SP2のほうが速く処理を終えた。ただ、エンコードでは速さだけでなく画質も重視されるため、こちらも一概に優れているとは言えない。あくまで参考として紹介しておく。

Media Espresso 6.7 トランスコードテスト

 3Dグラフィックス性能の標準指標である3DMarkを見ると、Radeon R9 290Xの性格が表れている。負荷の軽すぎるIce Stormでは、Performance設定では天井に当たってしまい、14万ポイント台にとどまっているが、以降のプリセットではGeForce GTX 770を搭載するi630GA2-W81より高いスコアを出した。特にFireStrikeのように高負荷なプリセットでは、GeForce GTX 770に対するアドバンテージが大きい。また、そうした高負荷に強いという点は、Combinedテストでより顕著に表れている。

3DMark(OverallとGraphics)

3DMark(PhysicsとCombined)

 バトルフィールド3では2560×1440ドットまで60fpsを維持している。実際のマルチプレーヤーモードではもう少し低くなると思われるが、そこまで落ち込まないというのがポイントだ。また、メインストリームの1920×1080ドットなら、高負荷なシーンでも60fpsをキープできるだけのパフォーマンスを証明した。もう少し負荷の高くなるバトルフィールド4でも、1920×1080ドットであればまったく問題なく60fpsを超える。こちらの場合、キャンペーンモードがマルチプレーヤーモードよりも高負荷なので、マルチプレーヤーモードで楽しむ際はさらに余裕が生まれそうだ。

 また、GCN世代のRadeonには「Mantle」というAPIにも対応する(なかなか手こずっているようで執筆時点ではまだMantle版バトルフィールド4は登場していないが)。ただ、現時点でも十分に楽しめるという点は間違いない。

バトルフィールド3(画面=左)とバトルフィールド(画面=右)の結果

 このように高いパフォーマンスを見せてきたRadeon R9 290Xだが、得手不得手はあり、トゥームレイダーに関してはGeForce GTX 770搭載モデルより若干低い結果となった。ただし、これも4fpsの差であり、1920×1080ドットまでならこのタイトルの快適ラインである30fpsを余裕で超えている。

 ファイナルファンタジーXIVのように負荷の軽いタイトルであれば、120Hz対応のフルHDディスプレイでヌルヌル動かすことが可能だ。GeForce GTX 770よりもフルHDで10fps以上高く、122.179fpsを記録している。

トゥームレイダー(画面=左)とファイナルファンタジーXIV(画面=右)の結果

まとめ:GeForce GTX最上位GPU搭載モデルと比べてコスパが魅力

 以上のように、i630GA3-SP2は、バトルフィールド4を含め十分なゲームパフォーマンスを持っている。特に1920×1080ドットの最高画質をターゲットとした場合、60fpsに対し十分な余裕があり、ミニマムfpsでもこれを大きく割り込むことが少ないというのが印象だ。逆に軽めのタイトルであれば2560×1440ドットも狙えるし、高負荷なタイトルでも設定を少し落とすだけで高画質を維持しつつ楽しめるだろう。

 i630GA3-SP2のポイントは、i630シリーズにおけるGeForce GTX 780搭載モデルよりも低価格なところにある。i630GA3-SP2の標準構成モデルが16万9980円なのに対し、GeForce GTX 780を搭載する「i630GA3-SP」は17万9340円。さらにGeForce GTXの最上位GPU「GeForce GTX 780 Ti」搭載モデルを狙うとプラチナモデルカスタムの「i630PA4-SP」が21万9879円と、全体的に見てGeForce GTX 780系GPU搭載モデルより価格面での魅力が出ている。予算を抑えつつ、最上位GPUによる余裕のパフォーマンスを得たいという方には、i630GA3-SP2を検討していただきたい。


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