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» 2013年12月25日 10時20分 UPDATE

「プリペで約50Mbps出ちゃう」海外定額データ通信:海外プリペイドSIM導入マニュアル──「シンガポールLTE 2013年」編 (1/2)

アジア各国で続々と始まるLTEサービス。シンガポールもポストペイドサービスに続きようやくプリペイドSIMによるLTEサービスの利用が可能になった。今回は2社のプリペイドLTEを現地で購入し、その使い勝手を試してきた。

[山根康宏,ITmedia]

2社がプリペイドLTEサービスを開始したシンガポール

 シンガポールのプリペイドSIMカード事情は、以前(2011年7月に)掲載したが、それから約2年が経ち事情も変わってきたようだ。シンガポールでも、各通信事業者がそろってプリペイドLTEサービスを展開するようになった。

photophoto シンガポール拠点のLCC、Scoot(写真=左) シンガポールではSingtelとM1が、プリペイドでのLTEサービスを展開している(写真=右)

 同国は日本からは少し遠いが、最近は同国にベースを置くLCC(格安航空会社)が日本から乗継便のフライトを飛ばしており以前より訪問しやすくなったほか、新しい観光名所も次々に誕生しているので、観光客の数も増えているようだ。そのためか、ホテルの宿泊料金が年々上がっているのは頭の痛いところ。為替レートも円高が進み、2013年12月時点の為替レートは1シンガポールドル=約82.2円となっている。

 さて、シンガポールでプリペイドのLTEサービスを提供しているのは、SingtelとM1だ。このうちSingtelは2013年冬にプリペイドLTEサービスを始めたばかりであり、今回訪問した12月はLTE対応プリペイドSIMカードも2013年末までの限定キャンペーン品のみしか販売していなかった。こちらは2014年1月以降に別タイプのSIM製品が販売されることに期待したい。

 一方M1は、音声通話とデータ通信可能な一般タイプのプリペイドSIM製品「M Card」でLTEが利用できるほか、データ通信専用タイプのプリペイドSIM製品にも4G=LTE対応の製品を販売している。入手のしやすさとしては、現時点ではM1の製品が妥当だ。ちなみに残念ながら、LTE対応のUSBモデムやWi-Fiポータブルルータ製品ないしセット製品はどの店舗も品切れであった。筆者はSIMロックフリーのスマートフォン、ルータともに適当に所持しているので大丈夫だったが、通信機器は渡航前に何らかを確保しておくほうがよいかもしれない。

 シンガポールの空の玄関 チャンギ国際空港では24時間プリペイドSIMカードの購入が可能である。以前は両替所ごとに複数事業者のSIMカードが販売されていたが、今回の渡航では、SingtelがRHB Bankの両替所、M1が自社の販売カウンター、StarHUBが別の銀行の両替所──でそれぞれ販売されており、観光案内センター「Changi Recommends」でもSingtelのプリペイドSIMが販売されているのを確認した。

photophoto SingtelのSIMが売られているチャンギ国際空港内、RHB Bankの両替所(写真=左) 同じくチャンギ国際空港のM1の販売カウンター(写真=右)

 シンガポールでLTE通信を使うには、端末がLTEの1800MHz、あるいは2600MHz帯通信に対応していることが必要となる。日本で購入するなら、Amazon.co.jpでも買えるHuawei「E589」などが適当か。筆者もこのルータを最近よく使っている。なお、現地のITモールなどをいくつか回ってみたがLTE対応ルーターの取り扱いは少なく、今回は探すのをあきらめたほど。LTEスマートフォンであれば、日本円換算で3万円以上と割高だが現地調達もいくぶん容易だ。

M1の一般タイプのプリペイドSIM「M Card」がお得

 今回はM1のプリペイドSIM「M Card」を入手してみよう。チャンギ国際空港ターミナル2のM1のカウンターへお昼頃に立ち寄ったところ、想定外に順番待ちで列ができていた。ここで入手してしまうのがもっとも簡単だが、待ち時間が長くなりそうであり、市内にもM1の店があることを知っていたので、サッと離れて繁華街のBugisエリアにあるM1の店へ行くことにした。

photophoto 市内BugisエリアにあるM1の店舗。購入したM Card

 M1の店舗でデータ専用プリペイドSIMを購入したいと伝えたところ、店員はいわく「SIMロックフリーのスマートフォンをすでに持っており、7日以内の短期滞在ならば一般タイプの“M Card”がお勧め」とのこと。テザリングもできるのでルータ代わりに使うことも可能なようだ。

 M Cardの額面(初期残高)は18シンガポールドル(日本円換算約1482円 2013年12月24日時点、以下同)だが、売価は15シンガポールドル(約1234円)。しかも今買うと、この店では10シンガポールドル分のボーナスがもらえるとのことで、合計28シンガポールドル分(約2305円分)の残高になるという。M1のデータ通信用プランは以下の通り。

M1/M Cardの料金プラン 価格
1Gバイト/7日 7シンガポールドル(約576円)
1Gバイト/30日 20シンガポールドル(約1676円)
3Gバイト/30日 30シンガポールドル(約2469円)

 つまり、1Gバイト/7日プラン×4=28ということで、初期の15シンガポールドル分で合計4Gバイト分利用できる計算。Gバイト単価は3.75シンガポールドル(約308円)ということか。なかなか低価格である。

 シンガポールでは、プリペイドSIMの購入にも身分証明書の提示が必要。海外渡航者はパスポートがそれになる。パスポートを掲示して確認がとれれば、スタッフがプリペイドSIMカードを準備しつつ、開通作業を代行してくれる。今回はボーナスの10シンガポールドルの追加、および4回分の1Gバイトデータパッケージの追加作業もその場でやってくれたので楽だった。これでSIMカードの残高はぴったりゼロ、データ通信は4Gバイトまで/7日の利用が可能になる。

 プラン追加作業を自分で行う場合は、「#100#」に発信して表示されるメニューより行う。手順は以下だ。

  1. SIMを入れたスマートフォンで「#100#」へ発信
  2. 「7>Value Addes Svc」を選択(7キーを押す)
  3. 「3>Prepaid SunSurf Plans」を選択(3キーを押す)
  4. 「1>Activate Prepaido sunSurf Plans」を選択(1キーを押す)
  5. 希望のプランを選択する。今回は「1>7-days(1GB)」を選択した(1キーを押す)
  6. 選択したデータプランの確認は、上記「4」の手順で「2>Check Status」を選択する(2キーを押す)
photophoto 店員がアクティベートまで全部やってくれたので楽だった。自身で登録するには「#100#」宛てに発信し、メニューに従い操作する
M1/M CardのAPN設定
APN sunsurf
ユーザー名 (なし)
パスワード (なし)

 APN設定は右記の通り。なお、筆者所有の「GALAXY Note3(香港版)」では自動登録された。

 これでデータ通信のための事前作業は完了。M1の店内では残念ながら3G接続だったが、「外へ出ると4Gになるよ〜」とのこと。……だが、10分歩いても接続は3Gのまま変わらず、ネットワークサーチをかけても変わらずため息が出たが、昼食をとっている間にいつの間にか接続が4G(LTE)に変わっていた(プリペイドSIMの開通後、LTEをつかむまでは多少時間がかかるのかもしれないが詳細は不明)。

 まぁ無事にLTEをつかんだということで、市内を移動しながら各所でデータ通信を行ってみたところ、スループットは20M〜35Mbpsという超快適な値。対応エリアは、地下鉄内こそ3G接続に切り替わったものの、繁華街はどこもほぼ問題なくLTE接続を維持していた。

 なお、プリペイドSIMカードの有効期限は180日で、残高を追加すると180日が延長される仕組みである。M1 CardはM1のサービスサイトより料金追加の手続きもできるので、シンガポールへ渡航機会の多い人はWeb手続きで契約を維持し続けられる。Webサイトでの決済・残高追加は、SIMの電話番号とクレジットカード番号を入力すればOK。SIMの電話番号はパッケージの袋に記載されているのでなくさないようにしてほしい。

photophoto 速度はかなり良好。ホテルのネットサービスより速い。オンラインで残高の追加も可能

 もちろん、このM Cardはポータブルルータへ差し替えても利用できる。ただ、残高追加こそはオンライン手続きでできるが、プラン選択の作業は「#100#」への電話発信が必要なため、ルータのみでは少々運用しにくい。M1店舗のスタッフに頼めばやってくれると思うが、SIMロックフリーのスマホ/ケータイは別に1台持っておいたほうがよいと思う。

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