本体サイズは416(幅)×274(奥行き)×29.4〜36.4(高さ)ミリ、重量は約3.25キロ(実測値で3.275キロ)だ。17.3型と大画面のフルHD液晶ディスプレイを搭載しているだけあって、ボディはさすがに大きく、ずっしりした重さがある。ただし、フットプリントの割には薄く、威圧感はない。天面もほとんどフラットで、平べったいイメージだ。
ボディの全体的なフォルムは、奥側に向かって厚みが増しており、くさび型に近い。液晶ディスプレイのヒンジ側をシャープにカットしている一方、手前側は丸みを帯びた柔らかいイメージとなっており、シンプルに見えて凝ったデザインだ。
アルミニウムの天板とパームレストは高級感がある。明るいシルバーの塗装は、きめ細かいサンドブラストのような仕上げで、ベトつかないサラッとした手触りが心地よい。鈍い反射光がエレガントな雰囲気を醸し出している。HPのノートPCらしくタイトに組み上げられていて剛性感も高く、持ち上げても頼りない感じはまったくしない。
公称のバッテリー駆動時間は約5時間30分としている。ハイスペックノートPCだけに付属のACアダプタは出力が120ワットと大容量だ。実測でのサイズは75(幅)×147(奥行き)×27(高さ)ミリ、重量は3ピン仕様の太い電源ケーブル込みで585グラムと、大きくて重いが、本体と同程度の厚みにすっきりまとめた外観は好印象だ。モバイル利用をするようなノートPCではないが、家庭内で持ち運んで使うのに苦労はしないだろう。
冒頭で述べた通り、最大の特徴は本体に内蔵したLeap Motionコントローラーだ。米Leap Motionが開発した3Dモーションコントローラーで、空中で手や指を動かすだけでPCを操作できる(参考記事:「Leap Motion Controller」の可能性を考えた)。
このコントローラーは右パームレストに黒いバーとして配置しており、2台の赤外線カメラと赤外線照射LEDを内蔵している。赤外線照射LEDに照らされた手や指を2台の赤外線カメラで3D撮影し、その画像から手や指の位置、動きを解析し、瞬時に操作へ反映させる仕組みだ。両手と指10本の動きを正確に検出でき、これまでの類似するコントローラーに比べて高精度であることから、さまざまな活用が期待されている。
Leap Motionでの操作には、アプリケーション側の対応が必要だ。このHP ENVY 17-j100 Leap Motion SEでは、「Airspace Home」というポータルアプリが導入されている。ここからプリインストールアプリを直接起動できるほか、「Airspace Store」というLeap Motion対応アプリ専用ストアにアクセス可能だ。ストアでWindows対応アプリを数えたところ、129のタイトルがあった。
実際にいくつかのアプリを試してみたが、確かに精度の高さは感じられ、指1本の動作で敏感に画面が反応するのは、これまでにない感覚といえる。これまでノートPCに搭載されてきたジェスチャー操作機能というと、Webカメラで手の動きなどを検知してメディア再生などが行える機能があったが、それらとは比べものにならない。
ただし、思い通りに操作できるようになるためには、それなりのトレーニングが必要だ。筆者は前後の動きや大きな距離の移動が難しかった。ゲームなどに夢中になっていると、どうしても手の動きが大きくなり、センサーの届く範囲を超えてしまう。センサーが右寄りに内蔵してあるので、左手の動きが検出範囲から外れやすいようだ。手を浮かせたまま集中し、普段行わない動きをするだけに疲れも感じたが、思い通りに操作できるようになればより楽しい。
もっとも、誤解しないでいただきたいのは、現状でLeap Motionがタッチパネルやタッチパッド、キーボードの操作を置き換えるものではないことだ。
ジェスチャーを使ったOS操作用アプリもあるが、空中で指を浮かせて注意深くカーソルを操作するくらいならば、液晶ディスプレイのタッチパネルに直接触れたり、キーボード手前のある大きなタッチパネルを使ったほうが、手っ取り早く快適だ。
将来的にこうした3Dモーションコントローラーに最適化されたユーザーインタフェースが登場すれば、状況は変わるかもしれないが、現状ではゲームを中心とした対応アプリで「未来的な操作感を一足先に味わう」といったホビー要素が強い。それでも、一度は体験してみる価値がある新感覚のモーションコントローラーといえる。
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