自作PCの新たなカテゴリを確固たるものにしたという意味で、超小型ベアボーンが盛り上がった意義は大きい。
この流れをけん引したのはインテルのNUC(Next Unit of Computing)だ。2012年11月末に登場したデュアルHDMI&Core i3搭載の「DC3217IYE」(2万8000円前後)とThunderbolt&Core i3搭載の「DC3217BY」(3万円前後)に続き、2月にはデュアルHDMI&Celeron 847搭載の「DCCP847DYE」が2万円弱で登場。
7月にはデュアルHDMI&Core i5搭載のハイスペックモデル「DC53427HYE」が4万8000円弱で加わり、検証用やサーバなどの特定用途だけでなく、汎用的なサブマシンとしてユーザー層の拡大に貢献した。
そして8月にはライバルブランドがギガバイトから投入される。NUCよりもひと回り小さい「BRIX」で、Core i7搭載の「GB-XM1-3537」(6万円弱)など3モデルをそろえてきた。超小型ベアボーンで初のCore i7搭載モデルということで話題を集めたが、市場全体のブランドシェアは「やはりNUCが圧倒的ですね」(パソコンハウス東映)と話す。
この構図は、11月に両ブランドがHaswell世代の新モデルが登場しても変わらなかった。インテルがCore i5搭載の「D54250WYK」(4万2000円前後)とCore i3搭載の「D34010WYK」(3万2000円前後)を売り出すと、ギガバイトもCore i7-4500U搭載の「GB-BXi7-4500」(6万5000円前後)などを投入。どちらも話題になったが、長期的にはNUCのD54250WYKが「人気が衰えずに定番の存在になりましたね」(BUY MORE秋葉原本店)という状況だ。
このNUC需要のおかげで、SO-DIMMとmSATA SSDの売り上げも伸びたと聞く。BUY MORE秋葉原本店は「特にmSATA SSDはそれまでHDDのキャッシュ用に使われることが多かったですが、NUCの台頭で本気のストレージとして買い求める人が主流になりました。SSDメーカー各社も250Gや500Gバイトの大容量モデルを次々と投入しましたし」と語っていた。
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