ここから定番ベンチマークテストで本機の性能をチェックしていく。なお、評価機は64ビット版Windows 8.1をインストールしている。
まず、WinSATを使って算出したWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアを見ていこう。結果はCPUとメモリが7.6と高いスコアを出す一方、グラフィックスおよびHDDは5.9にとどまった。CPU処理性能を測るCINEBENCH R11.5/R15は、それぞれ3.56(pt)、314(cb)でやや期待値を下回る結果。
PCの処理全般をシミュレートするPCMark 7も、総合スコアが3041となり、ストレージが足を引っ張っているとはいえ、少々期待外れな結果になっている。ちなみに評価機に搭載されているメモリはDDR3-1600で、BTOメニューの選択肢にこれ以上のオプションは用意されていない。
一方、グラフィックス性能を測る3DMarkおよび3DMark11は、Cloud GateのGraphicsスコアで9002、3DMark 11(Peformance)のグラフィックススコアで2094と、可もなく不可もなくという印象。以前レビューした21.5インチiMac(CPU統合型グラフィックスのIris Pro 5200を搭載)と比べて劣る結果になっている。
実際のゲームベンチとして、FINAL FANTASY XIV新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編も試したが、1280×720ドットの最高品質で3068(やや快適)、1920×1080ドットの最高品質で1574(設定変更を推奨)と、基本的に1280×720ドットで、少し画質を落とせば楽しめる、といった程度。なお、1280×720ドットの標準品質(デスクトップPC)なら6000を超えるスコアで「とても快適」の指標にはなっている。ゲームについては、Mantle対応ゲームタイトルが増え、βの取れたドライバが正式公開されてからのお楽しみ、というところだろう。
超ハイエンドのデュアル水冷システムなど、尖った製品を数多く販売するサイコムのラインアップからみると、今回紹介した「Radiant VX1300A88」は、新型APUというトピックはあるものの、かなり大人しめの製品となっている。
もちろん、普段使いのメインマシンとして十分な性能を備え、コストパフォーマンスも悪くはないので、消費税が増税される前に新規で1台マシンを用意しようと思っているなら、購入候補にはなるだろう。「Kaveriの登場で久しぶりにAMDプラットフォームが気になっているけれど、イチから自作するのは手間もかかるし、時間もないから……」と敬遠している人は、検討してみてはいかがだろうか。
Radiant VX1300A88(評価機)の主な仕様 | |
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製品名 | Radiant VX1300A88 |
メーカー | サイコム |
PCケース | INWIN IW-Z624/U3-450 |
CPUクーラー | Praeton LD963 |
CPU(コア数/スレッド数) | A10-7850K(4/4) |
動作周波数 | 3.7GHz/最大4GHz |
チップセット | AMD A88X |
GPU | CPU内蔵(Radeon R7 Graphics) |
GPUクロック | 720MHz |
メモリ | 8GB(PC3-12800/4GB×2)、最大16GB |
メモリスロット(空きスロット) | 4(2) |
ストレージ(評価機実装) | 1TB HDD/7200rpm(Seagate ST1000DM003) |
ストレージフォームファクタ | 3.5インチ |
ストレージ接続インタフェース | Serial ATA 6Gbps |
光学ドライブ | LG Electronics GH24NSB0 |
5インチベイ(空き) | 2(1) |
3.5インチベイ(空き) | オープンベイ×2(2)、シャドウベイ×2(1) |
無線LAN | − |
Bluetooth | − |
有線LAN | ギガビットLAN |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 181×405×365mm |
オフィススイート | − |
価格 | 6万7480円 |
発売日 | 2014年1月16日 |
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