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» 2014年02月20日 10時20分 UPDATE

ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」:WiMAX 2+の「Try WiMAX」と、通信サービスの「2年長期契約」に思うこと

2014年1月〜2014年2月初旬のモバイル通信&ルータ事情で注目したい項目をピックアップ。モバイラー好みの機能と特長を多く備えたクアッドバンドLTE対応ルータの登場、2年契約と“お試し”について紹介する。

[島田純,ITmedia]

NECがBTテザリング対応+SIMロックフリーの長時間LTEルータ「AtermMR03LN」投入

photo クアッドバンドLTEでの通信と最大24時間動作が可能な機能を持つポータブルルータの新モデル「AtermMR03LN」

 2014年2月〜3月に発売される下り150Mbps対応ポータブルルータとして、すでにNTTドコモから「Wi-Fi STATION L-02F」、「Wi-Fi STATION HW-01F」が発表されているが、急きょ思わぬ方向から本命が登場。それがNECアクセステクニカの「AtermMR03LN」(以下、MR03LN)だ。2014年2月1日に発売され、主に低価格SIMサービスを展開するいくつかのMVNO(「BIGLOBE LTE・3G」「OCN モバイル ONE」など)よりセット販売されている。

 MR03LNは、クアッドバンド(800M/1.5G/1.7G/2GHz帯)でのLTE通信に対応し、国内では下り最大150MbpsのLTE通信に対応するポータブルルータとなる。さらに他機種にはないBluetooth通信でのテザリングにもはじめて対応した点、そして無線LANの新規格「IEEE802.11ac」での通信に対応した点がポイントだ。

 Bluetoothでのテザリングは、規格上通信速度は最大3Mbpsと控えめになるが、Wi-Fi通信より省電力な特性を生かし、連続通信時間はWi-Fi通信時の2倍となる最大24時間を実現する。同じくバッテリー動作性能が向上しているPCやタブレットと同様に、使い方次第でバッテリー切れの心配はかなり減ることだろう。

 なお、メーカーであるNECアクセステクニカは、無線LANの新規格“IEEE802.11ac"対応ホームルータ「Atermシリーズ」をすでに豊富に拡充しているほか、WiMAX対応ルータ「AtermWM3800R」やMVNO向けLTE対応ルータの前モデルである「AtermMR02LN」ではBluetooth通信を使ったリモート起動/休止などの機能をすでに備えていたが、MR03LNはより実用的な機能として「Bluetoothテザリング」をサポートしたのは、とても意欲的な取り組みだ。

 このほか、最近のポータブルルータの多くが採用している「タッチ操作」に対応、Wi-Fiの連続通信時間も長めの12時間、そして有線LAN接続とともに宅内利用も想定したクレードルも用意するなど、新規格や新機能の採用だけでなく、ポータブルルータとしての基本スペックにおいても抜かりがない印象。使い方次第でとても便利な1台になる可能性を秘めている。

 なお、当初のMR03LNは基本的には国内でNTTドコモのXi/FOMAネットワーク、およびNTTドコモのMVNOとして展開する低価格SIMサービスと組み合わせる使い方を想定する機器だが、NECアクセステクニカは、今後のソフトウェア更新により「SIMロックフリー化」も検討しているとのこと。1.7GHz帯を使うイー・アクセスのLTEネットワーク、あるいは海外で使用するためのGSM/EDGEのサポートも含め、海外で現地キャリアの低価格SIMカードを入手して使いたいと思う人にとっても心強い1台になるはずだ。

※初出時に、MR03LNの「SIMロックフリー化を正式に告知している」旨の記述がありましたが、正しくは「SIMロックフリー化も検討している」です。おわびして訂正いたします(5/23 20:50)。

WiMAX 2+動向:名阪エリアでもWiMAX 2+エリアが拡大、WiMAX 2+機器の15日無料レンタルも開始

 WiMAX 2+は新端末/新サービス発表などといった大きな動きはなかったが、対応エリアの拡大や取り扱いMVNO拡充などが行われた。

 まずは対応エリアの拡大から。これまでは都内の一部に限られていたWiMAX 2+の対応エリアは、名古屋、大阪を含む「名阪エリア」に拡大した。名古屋、大阪の対応エリアはまだ限定されているものの、今後の対応エリア拡大に向けた最初の一歩となる。

 東名阪エリアでは、すでにNTTドコモの下り最大150Mbps対応LTEサービスが提供されており、最大速度の理論値(下り最大110Mbps)こそ劣るが、WiMAX 2+の特長である「ノーリミット(WiMAX 2+は当面2年)」が生きるエリアが広がるのはデータ通信ユーザーとしても素直に喜ばしい。

 WiMAX 2+対応のMVNOとしては、2014年2月よりSo-net(So-net モバイル WiMAX 2+)も加わった。So-netはWiMAX対応ルータ「AtermWM3800R」に自社キャラクター「モモ」をモチーフにしたオリジナルモデル端末を投入するなどしていたため、WiMAX 2+においても同様の試みがあるのか、今後の展開に注目したい。

 このほか、UQが従来より展開していた無料の機器貸し出しサービス「Try WiMAX」の対応端末に、WiMAX 2+対応の「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」が追加され、WiMAX 2+も“お試し”できるようになった。内容はこれまでと同じで、15日間、無料で機器が借りられる。この開始に合わせてTry WiMAXを再び申し込めるまでの期間も、これまでの365日から90日に短縮された。これにより、過去にTry WiMAXを利用したことがある人も、WiMAX 2+を改めてお試しできるようになるはずだ。

 LTEも含めた最近の高速データ通信サービス(スマートフォンも含め)は原則2年もの長期継続契約が条件となることがほとんどで、中途解約にはかなり高額な契約解除料が発生する。これはWiMAX 2+も例外ではない(これまでのWiMAXサービスは、MVNOの一部に例外はあったがたいていは1年までだった)。

 この点、“まずはお試し”できると、つながらなかったらどうしよう/満足に使えなかったらどうしよう/自分に合っていないサービスだったらどうしよう、といったユーザーの不安はかなり解消できる。大手通信事業者のLTEサービスにはない、UQコミュニケーションズとWiMAX 2+ならではの取り組みとして特に評価したい部分である。


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