WT1/Pは液晶ディスプレイを開閉させる通常のヒンジのほか、ボディ奥側の中央部に画面を横回転させるShift Hingeを搭載し、画面を左右180度ずつ回転することが可能だ。180度回転させた状態で画面をたたむと、2つめの「タブレットスタイル」へと移行し、13.3型の大画面Windows 8.1タブレットとして利用できる。
この状態になると、ノートPCスタイルではベースボディにぴったりと重なっていたトップカバーがズレた状態になり、ノートPCスタイルでは露出していなかった音量調整ボタンが出現するとともに、トップカバー先端の無線LANアンテナが内蔵されている部分もキーボードと重ならない状態になる。ノートPCスタイルと同様に無線LANは高感度を維持できるため、デザインを損なうような加工をしなくて済んでいる点にも注目したい。
これこそがShift Hingeという名前の由来であり、導入の目的だ。もちろん、Windowsのホームボタンや指紋センサーも問題なく使うことができ、ノートPCスタイルだけでなく、すべてのスタイルでの使い勝手、機能性まで考えたこだわりの仕掛けといえる。
Shift Hingeのデザイン自体もよくできている。過去のコンバーチブル型PCにはこうした回転機構を実現するため、奥側にヒンジが大きく張り出すようなものもあったが、WT1/Pの実装は薄型ボディのフォルムにうまく溶け込んでおり、実にスマートだ。
IGZOディスプレイによる美しい表示は、タブレットモードでも威力満点だ。コンテンツを明るく鮮やかに、魅力的に再現できる。Windows 8.1のスタート画面やデスクトップ上のアイコンなどの表示も緻密で美しい。13.3型と画面が大きく、視野角も広いため、複数人で画面の情報を共有したい場合にも有効だ。
画面には10点マルチタッチに対応した静電容量式のタッチパネルを搭載。表面に「スーパーグライドコーティング」という特殊な処理を施すことにより、滑らかで心地よい操作感を実現している。基本スペックは前述の通り、クラムシェル型Ultrabookと同等の内容で、単体のタブレットとして見れば、突出したハイスペックを備えているため、操作のレスポンスもキビキビとしていて軽快だ。
さらに、スタイラスペンの標準搭載は特筆したい。ワコム製の電磁誘導式のスタイラスペンが付属し、手書きでの細かい描画やデスクトップの操作に重宝する。タブレットデバイスで長年の実績があるワコム製だけに書き味は良好だ。1024段階の筆圧検知にも対応し、対応アプリでは筆圧の強さに応じて滑らかに線が描ける。スタイラスペンは本体側面のホルダーへ完全に収納できるため、持ち運びでじゃまにならない点もよい。
筆圧対応のスタイラスペンは、アイデアスケッチやイラストなどのクリエイティブ用途で活躍する。また、Office Home and Business 2013のインク機能を利用すれば、オフィス文書に手書きで校正や強調効果を付けられるので、プレゼンしながらリアルタイムに重要部分をアピールする、といった活用も考えられる。
コンバーチブルタイプのUltrabookの中でもWT1/Pだからこそできるスタイルが、3つめの「バリアススタイル」だ。周囲の人に画面を見せることを想定したスタイルで、ノートPCスタイルから画面を左か右に回転させ、180度に届く前に止めた状態を差す。
キーボードやタッチパッドを使った「作業効率の高い」スタイルからシームレスに「画面を見せる」スタイルへ移行し、見せ終わったら直ちに戻れるという利点がある。
Shift Hingeによって、画面は右回り、左回りどちらにも180度ずつ回転するので、画面を見せたい人がどの方向にいても、すぐに対応することが可能だ。
このスタイルは、少人数でのグループ作業、打ち合わせなどで役立つ。中でもアイデア出しの段階、デザイン案の検討といった議題では、メンバーそれぞれが参考資料となるWebページや画像などをPCで検索、閲覧しながら進めるといったこともあるだろう。
企画のイメージに近い資料が見つかったときに、すぐにそれを見せ合ってイメージを共有し、意見交換するといったことができる。Webデザインやプログラミングなどクリエイティブな業務や学習において、それぞれが作業を進めながら、周囲にいる同僚と成果を見せ合い、アドバイスを求めるといった場面でも便利そうだ。
4つめの「シアタースタイル」は、コンテンツの視聴を想定したものだ。ノートPCスタイルから画面を右か左に180度回転させて、完全に閉じることなく、画面を立てた格好を差す。
このスタイルでは、大画面のタブレットをスタンドに立てかけて使うのと同じような感覚で利用できる。タブレットを手に持って支える必要がなく、映像や音楽のコンテンツをじっくり視聴したいとき、カジュアルにWebブラウズやゲームなどを楽しみたいときにピッタリだろう。
ノートPCスタイルでのタッチ操作と違いが少ないと思う方もいるかもしれないが、実際に体験してみるとまったく印象は異なる。手前にキーボードやタッチパッドがないだけで実に開放的で楽な気分になれるのだ。画面が手前にくるため、タッチなどの操作もしやすく、表示したコンテンツに集中しやすい。
そして、このスタイルで改めて実感するのが、表示品質の高さだ。高解像度の写真や映画などの臨場感は特筆すべきものがある。また、視野角が広いため、見ている最中に姿勢を変えても視認性が大きく低下することはない。使わないときは、写真をスライドショー再生させて、大画面のデジタルフォトフレームのように使うことも可能だ。
画面のチルト角度を自由に変えられる点も見逃せない。簡易的なタブレット用スタンドの多くはチルト角度が固定で、柔軟な調整ができないからだ。視野角が広ければ視認性に大きな問題はないかもしれないが、やはりチルト角度が調整できたほうが画面を見やすく、目や首に余計な負担をかけずに済む。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月11日