ThinkPadの12型クラスのモデルを使うのは、ThinkPad X200s以来だが、第一印象は「薄っ!」だった。もちろん市場にはもっと薄いUltrabookもあるにはあるが、無意識にThinkPadは別と考えているところがあっただけに、17.7ミリというのはかなり衝撃的な薄さだ。
重さも1.34キロと公称値のわりにはずいぶん軽く感じるな……と思い、実機を計測してみると1.235キロしかなかった。編集部で実施した評価機はこれとは別の固体だが、やはり1.24キロと軽かったとのこと。BTOメニューの関係で少し重めの公称値にしていると思うが、このクラスで100グラムの差はイメージ的にも結構大きい。ちょっともったいないなと感じてしまうが、要はどううまく業務に活用できるかなので、まぁいいか。
薄くなってもThinkPadシリーズならではのボディの剛性感はまったく失われていない。前述した天板も、ベースボディも、どこを持っても不安な感じがまったくしない。実際に外へ持ち出す際も、クッション性のあるインナーカバーの類なしに、いつも剥き出しのままバッグに放り込んでいるが、まったくビクともしていない。バッグ自体にクッション性の素材があるとはいえ、インナーカバーなどなしで気兼ねなく放り込めるのはThinkPadシリーズだけだったりする。
X200sからの変更点で気に入っている部分、それは一見ジミかもしれないが「底面のゴム足」である。反発力が異なる2系統のゴムを組み合わせてショックを吸収していたX200s世代までのゴム足にも感心させられたものだが、新世代のゴム足は空気を充填した「エアクッション」仕様に変更された。こちらは、寒冷地などでゴムの弾性が変わってしまうことに対応したものということだが、見た目もスマートになっている。なぜThinkPadシリーズはこんな凝った(ひいてはコスト高になる)ゴム足を実装しているのか──についての詳細は、過去記事「ケビン・ベック氏に聞く、最新世代ThinkPadの知られざる技術と工夫」を参照願いたい。
またゴム足については、X300やX200sの時ははがれてしまって接着剤で付け直したりしたものだが、今のところそういう兆候がまったくないのも進化したと感じる。形状的に凹凸が少なくなったことでバッグの中などでひっかかりにくくなったことなどもあると思うが、接着方法も改良されているように思う。そのPCがビジネスPCかどうか、まずは底面の「ゴム足」を見よ、ということである。
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