また既報の通り、Universal Windows Appsに対応したこともWindows Phone 8.1の大きな変更点だ。WindowsファミリーのPC、タブレット、スマートフォン向けに、それぞれ最適化した画面、ユーザーインタフェースデザインを与えておけば、どの種類の端末でも動作するユニバーサルアプリを作れる。
コンシューマー向けにもアプリのエコシステム活性化をもたらす可能性があるが、企業向けにもかなり魅力的な改良となるだろう。
PC、タブレット、スマートフォンがクラウドで結び付けられ、時と場合によって最適なデバイスを用いて仕事をする、複数デバイスを使い分ける利用スタイルは、今では一般的なものとなっている。
Universal Windows Appsのアプローチならば、企業は必要なアプリケーションを1つ開発するだけで、どの種類の端末を使う社員にも適切な情報や機能を与えられる。とりわけ日本の大企業ではBYOD(個人が所有する情報端末の業務利用)を認めていないところが多く、管理性の向上とともにWindows Phoneが受け入れられる素地となるだろう。
もっとも、やはり最終的に「残念」となるのは、日本でWindows Phone 8.1端末が販売される気配がないことだろうか。MicrosoftによるNokia買収は4月中にも完了する予定で、そうなれば日本で販売する芽が出てくるかもしれない。
しかし、少なくともこの春夏の新製品は、日本を意識した周波数バンドが選択されておらず、日本での展開はあまり考慮されていないと想像できる(とはいえ、Lumia 930はバンド1/バンド3の両方をサポートしているため、使おうと思えば、使えなくはない)。
技適申請などのハードルはあるが、例えば企業向けのPC、システム販売大手が、MVNOとなって端末および通信サービスとセットでソリューションを提供するといったことも不可能ではないだろう。Windows XPからの乗り換え需要が盛り上がったおかげで、企業向けPCの需要はしばらく低調な動きになることも予想される。その代わりとしてWindows Phoneに向かうのであれば……とも取材を通じて感じた(しばらく時間はかかりそうだが)。
さて、日本市場はともかく、Windows Phone 8.1はiOSやAndroidにはない活路を見つけ、ローエンド市場ではAndroidから一部の市場を奪うことも予想され、今後大きく伸びていく可能性があると思う。新端末発売後の動向に注目したい。
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