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» 2014年04月11日 00時00分 UPDATE

米軍調達基準を超えたテストで「耐久性に自信」:Dell、堅牢2in1「Latitude 12 Rugged Extreme」を投入――個人向けPCやゲーミングPCの技術も吸収 (1/2)

米Dellが過酷な環境での利用に向く新設計の堅牢ノートPCを2機種投入。日本での発表を控え、来日した担当者がその過剰なまでの耐久性をアピールした。

[前橋豪,ITmedia]

Dellの堅牢ノートに11.6型2in1と14型クラムシェルが登場

 米Dellは4月2日(現地時間、以下同)、堅牢設計PCの新機種として、11.6型コンバーチブル(2in1)ノート「Latitude 12 Rugged Extreme」と14型クラムシェルノート「Latitude 14 Rugged Extreme」を発表した。発売日と価格はLatitude 12 Rugged Extremeが2014年5月6日で3649ドル、Latitude 14 Rugged Extremeが2014年5月中旬で3499ドルだ。

tm_1404_dell_01.jpg 「Latitude 12 Rugged Extreme」(左と手前)と「Latitude 14 Rugged Extreme」(右と奥)

 Latitude Rugged Extremeシリーズは「Rugged=頑丈な」という名前が示す通り、同社の法人向けPC「Latitude」シリーズの信頼性や管理性をベースに、厳しい任務や過酷な環境に対応できる耐久性をプラスした堅牢仕様のPC。軍事・警備関連、製造業、工業、救命救急などの現場を想定し、粉塵や湿気、風雨、衝撃、振動、極端な温度差など、通常のPCでは運用が厳しい環境に向けた製品だ。

tm_1404_dell_02.jpg アンドリュー・ムーア氏(手に持っているのはLatitude 14 Rugged Extreme)

 日本では5月に正式発表する予定とのことで、国内モデルの仕様や発売時期、価格などは未定だが、デル日本法人は日本時間の4月10日に報道関係者向けの製品説明会を開催。米DellでLatitude Rugged担当エグゼクティブディレクターを務めるアンドリュー・ムーア氏が来日し、米国モデルによるプレゼンテーションを行った。

 米Dellは2007年に米軍や警察から要望を受け、同社初となる堅牢設計のノートPC「Latitude ATG」シリーズ(ATGはAll Terrain Gradeの略で「全天候型」の意)を発売。ムーア氏は「堅牢PC市場への参入時は、競合他社のモデルが低電圧版CPUを搭載していたのに対して、Dellは防水仕様の放熱機構を採用することで、高性能な通常電圧版CPUの搭載を実現していた強みがあった」と当時を振り返る。

 また堅牢性の高さを示すデータとして、「一般的なノートPCの故障率は月に3.6%だが、Latitude Ruggedノートの故障率は月に0.5%と、7倍もの差がある」というVDCリサーチグループの調査結果を示し、「頑丈だが1台30万円もするPCが必要か? という問いに対して、本体価格は安くないが、長期運用において一般的なノートPCは修理や買い換えでLatitude Ruggedノートの2倍もコストがかかる計算で、結果的に経費削減になる」と、その優位性をアピールした。

tm_1404_dell_03.jpgtm_1404_dell_04.jpg Latitude Ruggedノートの低い故障率を示すVDCリサーチグループによる調査結果(写真=左)。Latitude Ruggedノートに限った話ではないが、世界中で40万人の生徒、1000万の中小企業、G20政府の100%、フォーチュン500社の98%はDellのPCを利用しているというスライド(写真=右)。「昨年にDellは株式非公開化を完了した。今後は投資家の影響を受けず、より顧客にフォーカスした製品を出していけるため、より成長の機会がある」(ムーア氏)

 続いて、同氏は米カリフォルニア州サニーベールの警察署における導入事例を紹介。「警察官が外でPCを使う場合、車内での振動や強い紫外線、風雨にさらされることになる。そのため従来のPCでは外出した警察官が日々のリポートを書くため、一度オフィスに戻って作業する必要があったが、これを現場で行えるようになり、1日あたり15分も生産性が向上するという結果が得られた。これにより、警察官はより多くの時間を人命救助などに充てられるようになった」と、その効果を説明する。

 さらに、自然災害の検証に関する機関で2カ月に及び、陸地から50マイル離れた海域でGPSが問題なく動作するか、熱帯低気圧の風雨でも画面表示を確認できるかなど、過酷な品質テストをクリアした例、JTG Daugherty Racingのレーシングチームにおいて、高温、ほこり、油、風雨、落下による衝撃が懸念されるカーレース環境でもガレージではなくレーシングカーのすぐそばで利用できることで効率が高まり、ランキングが上がったという例などを紹介した。

tm_1404_dell_05.jpgtm_1404_dell_06.jpg
tm_1404_dell_07.jpgtm_1404_dell_08.jpg 見るからに過酷な環境といった製品の利用イメージ

Latitude Rugged Extremeの4大特徴

 今回投入するLatitude 12 Rugged ExtremeとLatitude 14 Rugged Extremeは、同社で第4世代となる堅牢PCだ。ムーア氏は新しい特徴として、以下の4つを挙げた。

  1. ドッキングテクノロジー
  2. ダイレクト・ビュー
  3. コンバーチブル
  4. RGBバックライトキーボード

 ドッキングテクノロジーとは、同シリーズの新製品で共用できるドッキングステーションを提供することにより、長期的なコスト削減に貢献するというものだ。

 ダイレクト・ビューは、日本のパートナー企業と協力して開発した技術。液晶ディスプレイに反射光の抑制技術を用いることで、屋外で高輝度にしなくても視認性を確保し、従来比で消費電力を25%カットできるという。

tm_1404_dell_09.jpg Latitude 12 Rugged Extremeは「XPS 12」譲りの回転式ディスプレイを採用

 コンバーチブルは、Latitude 12 Rugged Extremeに搭載した変形機構のことだ。同社の12.5型Ultrabook「XPS 12」と同様の機構を採用し、液晶ディスプレイの枠を残して内側がくるりと180度回転する仕組みにより、ノートPCとタブレットの2つのスタイルを切り替えて利用できる。

 RGBバックライトキーボードは、ゲーミングPC「Alienware」のキーボードバックライト技術を採用したもの。通常のキーボードバックライトは白く光るが、夜間の調査や軍での利用において求められる赤色など、照明環境や用途に応じて任意の色でキーボードを光らせることが可能だ。コンバーチブルとともに、個人向けPCの特徴を堅牢ノートに流用している点が興味深い。

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