最大の特徴である堅牢ボディは、耐衝撃性の高いウルトラポリマーや剛性の高いマグネシウム合金を採用。圧縮ガスケットで内蔵パーツを密閉し、自然物質からのデータ保護にも配慮している。
耐久性の仕様については、米軍調達基準となる「MIL-STD-810G」、IP65の防水防塵、ANSI/ISA.12.12.01(クラス1、区分2、グループA、B、C、D)の危険区域での利用、MIL-STD-461Gによる電磁妨害(適合するACアダプタが必要)に準拠し、環境温度は動作時でマイナス29度から63度、非動作時でマイナス51度から71度に対応する。
MIL-STD-810Gのテストは、運搬時における約1.8メートル、約1.5メートル、約1.2メートルから78回の落下、作動時における90センチからの落下、風雨、風塵、風砂、振動、機能衝撃、湿度、塩水噴霧(オプションのゴム製RGBバックライトキーボード使用時)、高度、爆発性環境、日射、極端温度、熱衝撃、凍結、解凍、本番稼働までの戦略的スタンバイといった過酷な環境下を考慮した内容だ。
さらに約2.2メートルからの26回落下、約2.5メートルからの落下など、米軍調達基準より過酷なテストも第三者機関を通じて行い、これをクリアして製品化しているという。会場では、実際にムーア氏が2機種を動作させたまま胸の高さから落下させ、問題なく動作するデモも行われた。
液晶ディスプレイは厚手の手袋やドライバーなどの工具でタッチしたいという要望から、抵抗膜方式のタッチパネルを搭載。Latitude 12 Rugged Extremeは抵抗膜方式で10点マルチタッチに対応する。即座に画面をオフにできる「インスタント・ステルス」機能も持つ。この液晶ディスプレイについても、鉄製の小さなボールを約1.8メートルの高さから落下させて耐久性を確認したという。
拡張性や接続性については、レガシーなRS-232シリアルポート(14型は2基)やPCカード(Type II)スロットをはじめ、2基のUSB 3.0、USB 2.0(14型は2基)、ExpressCard 54スロット、HDMI出力、アナログRGB出力、スマートカードリーダー、指紋認証センサー、ギガビットLAN、IEEE802.11acの無線LAN、Bluetooth 4.0、4G LTE、3G、A-GPSなど幅広く対応し、さまざまな環境で利用できる。各インタフェースは防水防塵の分厚いカバー付きだ。
基本スペックは、いずれもデュアルコアの第4世代Core i3/i5/i7、最大16Gバイトメモリ(DDR3L-1600)、128G/256G/512GバイトのmSATA SSD、256GバイトのmSATA SED SSDなどから選択できる。OSはWindows 7/8.1またはUbuntu 12.04だ。
Latitude 12 Rugged Extremeは1366×768ドット表示の11.6型ワイド液晶を搭載。GPUはCPU内蔵グラフィックス(Core i3/i5選択時はIntel HD Graphics 4400、Core i7選択時はIntel HD Graphics 5000)を利用する。プライバシーフィルター付きのフルHD対応インカメラ、LEDフラッシュ付きの800万画素リアカメラ、最大58ワットアワーの4セルバッテリー(約8.5時間駆動)なども用意する。本体サイズは311(幅)×219(奥行き)×39(高さ)ミリ、重量は約2.72キロから。11.6型モバイルPCとしてはヘビー級だ。
Latitude 14 Rugged Extremeは1366×768ドット表示の14型ワイド液晶を搭載。GeForce GT 720(グラフィックスメモリ2GバイトDDR3)やDVD±RWドライブを追加できる。バッテリーは最大65ワットアワーの6セルや最大97ワットアワーの9セルを選択可能だ(約14時間駆動)。本体サイズは356(幅)×247(奥行き)×52(高さ)ミリ、重量は約3.54キロから。持ち運びがしやすいよう、パームレストの手前に頑丈なハンドルが付いている。
また、法人向けPCのLatitudeシリーズで培ったセキュリティや管理系のソリューションもカバーし、vProやTPM 1.2、Dell独自のユーティリティなどにも対応する。ムーア氏は「世界最大規模の自動車メーカー2社がパイロットテストを行っているが、高度な堅牢性、管理性、信頼性を併せ持ち、グローバルで安定供給できるPCベンダーはDellしかいないとの高評価を得ている」と自信を見せる。
説明会後に今後の目標を聞いたところ、具体的な数字の言及はなかったが、「現在グローバルの堅牢PC市場でデルは2位のシェアだが、昨年からの伸び率は非常に高く、支持が高まっている。特にコンバーチブル型モデルはこの市場で新しい取り組みであり、他社に先行しているので、これを機にさらなる成長を見込んでいる。日本市場においても強い意志を持って取り組む」との答えが返ってきた。
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