最近になり、デルが28型で7万円を切る4Kディスプレイ「P2815Q」を投入して話題となったり、東芝からはついに15.6型の4Kディスプレイを搭載したノートPC「dynabook T954」が登場した。
まだ限られたデスクトップPC向けのディスプレイ、15型以上でハイエンドなノートPCの領域にとどまっているが、「4K」のコモディティ化がすごい勢いで進んでいることは実感できる。おそらくは、このサイズの普及価格帯の製品は遠からず現在のフルHDクラスまで値下げが進み、さらに13型以下のノートPCやタブレット製品にも4Kクラスが次々と市場投入されるのも時間の問題なのではと思われる。
これに関して、Microsoft自身も興味深い予測を出している。2015年にはWindowsにおける150%以上のスケーリングが製品のメインストリームに踊り出るとしているのだ。
Microsoftの想定としては150〜200%くらいだと思われるが、筆者の標準的な利用スタイルで200%のスケーリングだと、現状では「ThinkPad 8」(レノボ・ジャパン)が搭載する1920×1200ピクセルの8.3型ディスプレイ(273ppi)に適用するくらいが適切だと考えている。メインストリームといいつつも、この辺りがディスプレイ解像度とスケーリングの組み合わせとしては、ほぼ最低ランクになるのだろう。
また、Windows 8.1 Updateにおける250%スケーリングの追加は、WQHD(2560×1440ピクセル)〜4K(3840×2160ピクセル)解像度での利用を想定したものとしており、「今後次々と登場する4Kディスプレイ環境にアプリ開発者らは備えよ」とMicrosoftでは訴えている。
参考までに、Microsoftは4Kにおけるディスプレイの画面サイズ、画素密度(ppi)、スケーリングの関係を表に示している。例えば4K対応の24型ディスプレイでは画素密度が192ppiとなり、15.6型では296ppiとなる。その場合、適用されるスケーリングは前者が200%、後者が250%だ。
今後はさらに小さな13.3型や10型の画面サイズで4Kディスプレイが登場することも想定しており、それぞれの画素密度は347ppiと461ppiとなる。Microsoftでは「TBD(後で決定)」としているが、それぞれのスケーリングは「300%」や「400%」、あるいは「500%」といった数字に設定されると予想できる。そしてそう遠くないうち、これは現実のものになるかもしれない。
Microsoftでは開発者らに対して、こうした幅広いスケーリングへの対応、特に「最大で500%」を想定したアプリでのスケーリング対応を視野に入れるべきだとしている。現状では低ppiでの対応を優先したとしても、まずは最低でも「(Windows 8.1 Updateでサポートする)250%」のスケーリングへの対応を訴えている。
そして将来に向けて、さらなる高ppiディスプレイを想定したスケーリングに対応するのが、次のステップとなる。だが現状で4Kハードウェア環境は限られているため、アプリのテスト環境として、リモートデスクトップの仮想デスクトップ機能を活用し、より高い解像度空間を用いたテストを行うようアドバイスしている。
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