dynabook Satellite T954/98Lの最大の特徴が、ノートPC初の4Kディスプレイだ。画面サイズは15.6型ワイド、表示解像度は3840×2160ピクセルと、ノートPCとしては非常に高い解像度を誇る。画素数は縦横それぞれフルHD(1920×1080ピクセル)の2倍、合計4倍という数字だけでもその精細さはうかがい知れるだろう。
画素密度は約282ppiを実現している。この数値は、dynabook KIRA Vシリーズの約221ppi(13.3型で2560×1440ピクセル)、FMV LIFEBOOK UH90シリーズの約262ppi(14型で3200×1800ピクセル)を上回り、ノートPCとしては最高クラスの精細さだ。しかも15.6型の大画面なので、同じ画素密度でもスマートフォンやタブレットの小さな画面とは印象が大きく異なる。まるで画面に引き込まれるような立体的な迫力があるのだ。
この高精細の実現には、液晶の駆動素子材料にIGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素から構成されるアモルファス半導体)を採用していることが大きい。IGZOは通常のアモルファスシリコンに比べて電子移動度が高速でリーク電流が少ないという特性があり、液晶の駆動素子を小型化・省電力化できることから画素の高密度化にとても都合がよいのだ。液晶の配向技術にはIPS方式を採用し、視野角も広い。
この高精細に加えて、最適な色味を実現するため、1台1台色の調整を行なって出荷しており、ハリウッド映画などで多用されているテクニカラー「Technicolor」の認証を得た色設定を使用している。また、簡易カラーマネジメントツールとして「Chroma Tune for TOSHIBA」をプリインストールしており、色温度やガンマ補正を使用するアプリケーションや作業環境に合わせて色味を変えることが可能だ。
このツールの詳細、およびディスプレイの計測結果については、すでに先行してレビューを行っているので、そちらも参照していただきたい。目視の印象でも明るく鮮やかで、特に4K品質の高解像度写真や動画を表示させると、ケタ違いの臨場感が得られる。ドットが見える見えないのレベルはとっくに超えた、まさに人間の五感の限界を問う領域をいちはやく体感することができる。
さらに、東芝独自の超解像技術(レゾリューションプラス)を導入しており、写真や映像を瞬時に解析し、コンテンツの内容に応じた高画質化を行える。例えば、映像に対しては、極端に明るい部分や暗い部分のコントラストを見やすく補正する「ダイナミックコントラスト」、エッジを鮮明にする「シャープネス」、質感を強調する「テクスチャーエンハンスメント」といった機能がある。
そして、写真に対しては、質感を強調する「微細テクスチャー復元」、輝き成分を強調する「輝き復元」などがある。空の青や芝の緑などを人がきれいだと記憶している色に近づける「記憶色補正」は写真と映像の両方に対して有効だ。
4K解像度の写真や動画を使用して4K解像度のムービーを作成できる編集ソフトとして「CyberLink MediaShow for TOSHIBA」や「Corel VideoStudio X6 VE for TOSHIBA」をプリインストールしており、4Kディスプレイをフル活用できるのは、本製品だけのアドバンテージだ。
レゾリューションプラス機能の対応状況 | |||||||||
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アプリケーション | TOSHIBA Blu-ray Disc Player/TOSHIBA Video Player | 東芝画面設定ユーティリティ (Windows Media Player、YouTube、RZスイートexpress) | TOSHIBA Media Player by sMedio TrueLink+ | ||||||
再生するコンテンツの解像度 | DVD再生 | BD再生 | 4K再生 | SD画質 | HD/フルHD画質 | 4K画質 | SD画質 | HD/フルHD画質 | 4K画質 |
カラーエンハンスメント | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | − | ○ | ○ | ○ |
ダイナミックコントラスト | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | − | ○ | ○ | − |
シャープネス | ○ | − | ○ | ○ | − | − | ○ | ○ | ○ |
テクスチャエンハンスメント | − | − | − | − | ○ | − | − | − | − |
以上、dynabook Satellite T954/98Lの機能と使い勝手、4Kディスプレイを中心にレビューした。次回はPCとしてのパフォーマンスやバッテリー駆動時間、動作音、発熱などをテストしていこう。
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