標準サイズのキーは、キーピッチが実測で約17ミリ、キートップサイズは14ミリを確保している。一部に狭小キーがあって、その場合、キーピッチは約12ミリ、キートップサイズは約9ミリと体感的にも分かるほどに異なる。ただ、ほとんどのキーは均等キーピッチを確保しており、狭小キーは各段右端の1〜2個だけだ。
レイアウトは、標準的なJIS配列と比べて一部のキーで変則となっている。特に以下の配列は日本語の文章入力で影響があるだろう。
“かな入力”をするユーザーには、変則配列キーに伴うかなキーの変更、特に最下段に移動した「け」「む」の影響が大きいかもしれない。
キーストロークは、実測で約1ミリを確保している。文章を入力していると、もうひと押ししたくなる気持ちは否定できない。ただ、ぐっとキーを押し込んだ指の力をぐっと支えてくれるほどに剛性があるので、変に指の力を加減することなく思う存分入力できる。
すべてのアルファベットキーが均等ピッチを確保していて、かつ、ピッチが17ミリと広いおかげで、浅いストロークと一部のキー配置に慣れてしまえば、文章入力は快適だ。その感触は11.6型ディスプレイを搭載したクラムシェルスタイルのUltrabookで、ボディの薄さを重視したモデルのキーボードに近い。
キーボートユニットとフォリオケースをスタンドにしたとき、約221(幅)×215(奥行き)ミリの空間が必要だ。幅が221ミリなので、スタンドタイプのコーヒーショップのテーブルで飲み物のカップと共存できる。新幹線や飛行機のテーブルでも幅は問題ない。ただ、奥行きがぎりぎりになる場合もあるだろう。
そのときは、本体をテーブルに置いて、キーボードユニットは膝に置いて使うようになる。ただ、折り畳み式とは異なり、キーボードユニットの剛性が十分あるので、膝に置いた状態でキーボードを打ち込んでもたわむことなく使い続けることが可能だ。
使うスタイルがある程度柔軟に設定できるのは、屋外利用でも有利だ。例えば、新幹線や飛行機でリクライニングシートでくつろぎながら、フォリオケースで自立したVenue 8 Proをテーブルに置いて、キーボードは手元に置いてコンテンツプレーヤーとしても使えるのは、このようなセパレートタイプのワイヤレスキーボードとの組み合わせだからこそ可能になる。
ストアアプリがそろってきて、タッチ操作でもできることが増えてきているが、ビジネスの現場で求められる“生産的活動”を効率よく行うには、やはりキーボードが必要だ。そして、設置面積が少なくて済む「ノートPC」は、街のコーヒースタンドや乗り物だけでなく、多種多様な書類やドキュメントが散乱しているオフィスの机でも支障なく使えてしまう。
ビジネス文具感覚として使うWindowsデバイスとして、Venue 8 Proとフォリオケースが付属するワイヤレスキーボードユニットの組み合わせは、意外と使える戦力となるはずだ。
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