VAIOが開発する製品については、従来のユーザー視点を意識しすぎたモデルでは機能と性能が過剰になってしまっていたが、VAIOでは、機能の選択と集中を考えていくという。関取氏は、ユーザーに満足してもらえる製品を作るには、ユーザーが困っていることを突き詰めて考えていくことが必要と主張する。「これには時間がかかる。しかし、これに時間をかけないでどうするのか」(関取氏)
こうして、無駄なものをそぎ落として機能と性能はシンプルになって、製品はスリムになっていく。その本質を突き詰める過程で、もっと“とがらせる”ところが見えてきて、その「+α」がVAIOらしい付加価値となって残る製品となるという考えを示した。「本質を突き詰めたPCに一点突破の発想と審美眼を持つPCが長く使ってもらえるVAIOだ」(関取氏)
VAIO設立当初に投入するラインアップは、ソニー時代に高く評価されていた「VAIO Pro 11」「VAIO Pro 13」「VAIO Fit 15E」だ。しかし、関取氏は「これで終わってはいけない」と述べ、VAIOのDNAを受け継いだ新しいモデルを用意していくと、新モデルが開発中であることを示唆した。
当面、VAIOの販路は国内に集中する。さらに、ユーザーへダイレクトにつながる販路を用意するため、ソニーマーケティングと販売総代理店の契約を結んだ。ソニーストアと提携して、インターネット通販サイトと直営店舗、e-ソニーショップ、さらに、一部の量販店ではVAIOをオーダーできるコーナーも展開する計画だという。
なお、VAIOが力を入れていくとしている法人ユーザーについては、直販営業を行うほか、大塚商会、シネックスインフォテック、ソフトバンク コマース&サービス、ダイワボウ情報システムのディストリビューターを通じて全国約3000店舗で取り扱う予定だ。
関取氏は、2015年度の販売台数計画として、30万〜35万台を年間の目標として掲げている。
関取氏は最後に、「VAIOはやっていけるのか」「ソニーを離れて大丈夫なのか」という関係者の声を紹介しながらも、「だからこそ、本質+αというもの作りの原点に立ち返り、VAIOを愛されるブランドにしていきたい」と語って新会社設立の説明を締めくくった。
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