企業、法人へのChromebook導入例がそれほど多くならないと考えているデルは教育機関に期待している。特に公立の中学校、高等学校に期待していると秋島氏は語る。私立学校ならすでに生徒1人に1台のノートPCを導入しているところがあるが、公立学校では1人1台体制はまだまだ難しいだろう。つまりまだコンピュータや情報通信システムが整っていないということだ。すでに別のシステムが動いているということもない。生徒1人1台体制を実現している学校はわずかだ。これならば「前例」が問題になることも少ない。
このような現場なら、Chromebookの大量の端末を管理コンソールで簡単に管理できるというメリットが生きる。学生にノートPCを使わせるにしても、完全に自由に使わせるわけには行かないという場面は多いだろう。そういう時は管理コンソールを操作して特定の行為を一括で禁止してしまえば良い。それに、何よりも1台当たりの価格が安いことは魅力だろう。
実際、秋島氏によるとすでにChromebookを販売している諸外国を見ると、Chromebookの大部分が教育機関に売れているという。予想を上回る勢いで売れて、一時的に販売を中止している国もあるという。
昨年のアメリカ本社の実績では、PC(デスクトップとノート)の出荷台数のうち、Chromebookが占める割合は2パーセント程度だという。しかも、そのほとんどが教育機関に売れている。ほかの担当者は「日本でも全体の2パーセントでしたというわけにはいかない」と語っている。果たして日本の教育機関にChromebookは浸透していけるだろうか。
Chromebookに興味を持って、使ってみたいと考えている方も少なくないと思う。しかしグーグルは基本的に法人、教育機関に提供するとしているが、デルもそれに習うのだろうか。秋島氏は「グーグルが説明したように法人、教育機関に販売していく、デルとしては個人ユーザーにChromebookを提供するのは時期尚早。ゲームや動画、音楽などを楽しめる環境を作らないと個人に自信を持って売ることはできない」と語った。
ただし、個人でもデルの直販サイトの企業向けページで買えるようになる見込みだともいう。実際に発売になってみないと分からないところはあるが、興味のある人はデルの直販サイトに注目しておくと良いだろう。
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